顧問先の経理財務部門の
“偏差値”が分かる
スコアリングモデル
【第32回】
「経費管理のKPI
(その⑥ 経費分析)」
株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦
はじめに
今回は、経費管理を構成する複数のKPIから、経理財務部門が行う「経費分析」のサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。
会社において、経費は原価計算対象に賦課又は配賦できないと判断された期間費用なので、財務会計上はそれを販売費及び一般管理費として計上する。しかし、事業の内容が複雑で社内に複数の部門を抱える規模の会社では、そのような費目別集計結果をそのまま経費管理に使っても、経営管理には役に立たないことがある。そこで、経理財務部門には、社内の数多くの主管部門がさまざまな使途で使っている経費に対して、企業価値の向上の観点から複数の分析の光を当てることが期待される。
そこで、今回は、経費分析を通じて経理財務部門が経費管理において担う戦略性を評価するKPIを紹介しよう。
◆KPIの項目◆
〔調査対象業務〕
経費管理
〔調査対象業務プロセス〕
経費分析
〔調査項目〕
費目別以外の経費集計方法について、部門別、顧客別、製品・商品・サービス別、その他の経費集計のうち、いくつの視点で経費集計を行っていますか。
視点の数を回答欄に記入してください。
〔回答形式〕
「個数」
KPIが設定された業務プロセスの確認
まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。
経済産業省スタンダードでは、経費管理において、会社が担う一般的な機能を、「年度予算管理」と「日常管理」に分けている。
このうち、「年度予算管理」を構成する機能は、「年度予算策定」と「予算実績対比」である。
今回解説するKPIは、「年度予算管理」における「予算実績対比」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。
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