企業不正と税務調査
【第4回】
「経営者による不正」
(1) 売上除外
税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝
脱税をする方法は、大きく言って2つしかない。
・売上を隠して利益(課税所得)を減らす
・仕入・経費を増やして利益(課税所得)を減らす
こうした経営者自らが関与する脱税は、結果として、裏金作りにつながっていることが多い。
ここでは、経営者による典型的な脱税・裏金作りスキームとして、売上の一部を除外して計上する事例と、架空(水増し)人件費の計上する事例を説明する。
いずれも、中小企業の経営者による不正スキームであることが多いが、大企業においても、海外子会社、国内の支店長などに権限委譲が進み、本社の目が行き届かないことをいいことに行われる可能性もある不正であり、業務監査の際に留意することが要求される。
1 売上除外の手口
売上除外は、単純な手口によるものが多い。
通常と異なる銀行預金口座を記した請求書を送付して、本来の売掛金回収口座ではない預金口座に振り込ませ、その部分を申告しないとか、現金売上の一部をレジに入力せずに現金を抜くといった手口は、誰もが思いつくところであろう。
もちろん、不正実行者も考えてはいるのである。
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