経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第88回】金融商品会計⑩「貸倒懸念債権における貸倒引当金」
Q 当社は卸売業を営んでおり、多くの得意先に対して掛売りをしています。期末に保有する売掛金のうち「貸倒懸念債権」に分類されるものについて貸倒引当金を計上する場合の、具体的な算定方法を教えてください。
『繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)』への対応ポイント 【第2回】「企業の分類の見直しと監査委員会報告第66号との比較(その1)」
公開草案は、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(日本公認会計士協会。以下「監査委員会報告第66号」という)における企業の分類に応じた取扱いの枠組みを基本的に踏襲した上で、当該取扱いの一部について必要な見直しを行っている(公開草案15項、16項、63項)。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第87回】金融商品会計⑨「一般債権における貸倒引当金」
Q 当社は卸売業を営んでおり、多くの得意先に対して掛売りをしています。期末に保有する売掛金のうち「一般債権」に分類されるものについて貸倒引当金を計上する場合の、具体的な算定方法を教えてください。
『繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)』への対応ポイント 【第1回】「公開草案の読み方」
平成27年5月26日、企業会計基準委員会は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」(企業会計基準適用指針公開草案第54号。以下「公開草案」という)を公表し、意見募集を行っている(意見募集期間は、平成27年7月27日まで)。
公開草案は、現行の「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(日本公認会計士協会。以下「監査委員会報告第66号」という)を、基本的に引き継ぐものであるが、新たに規定された部分については、実務に大きく影響するものと考えられる。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第6回】「「重要性の基準値」はなぜ税引前利益の5%なのか」
指標として税引前利益を選択することが基本とされるのは、次のような理由からです。
それは、重要性という概念がそもそも誰を意識して設定されるのかということと関係しています。重要性というのは、財務諸表の利用者を意識して設定される概念です。財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えるかどうかというのが、重要性判断のポイントなのです。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第86回】金融商品会計⑧「貸倒見積高の算定の際の債権の区分」
Q 当社は卸売業を営んでおり、多くの得意先に対して掛売りをしています。期末に保有する売掛金に対して貸倒引当金の計上をする際に、債権を3つの区分に分類するといわれていますが、その区分について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第18回】「親会社による子会社の吸収合併~個別財務諸表のみ作成している会社の場合~」
今回は、親会社による子会社の吸収合併について解説する。吸収合併とは、会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう(会社法2条27項)。
そして、親会社による子会社の吸収合併は、「共通支配下の取引」に該当する。「共通支配下の取引」とは、結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合をいう(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準(以下、「基準」という)」16)。
金融商品会計を学ぶ 【第7回】「金融負債の消滅の認識」
金融負債の消滅の認識は、金融負債の契約上の義務を履行したとき、義務が消滅したとき又は第一次債務者の地位から免責されたときに行われる(「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)10項、60項)。
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)では、上記の金融負債の消滅の認識要件について、次のように規定している(金融商品実務指針④3項)。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第5回】「ガラス片は小さくても危ない」~質的重要性の話
【第4回】で取り上げた「砂場の話のたとえ」を再び使います。
これは、砂場の砂をふるいにかけてきれいにする話でした。子供が安全に遊べるように、大きな石が混じっていたら取り除いてあげるというのが、砂をふるいにかける目的です。
砂をふるいにかけると、ふるいの目を通り抜けていかないような石が網の上に残ります。その程度の大きさの石が取り除かれれば、目的は達成されるとします。
しかし、本当にそれで砂場の砂は安全になるでしょうか?