〔経営上の発生事象で考える〕会計実務のポイント 【第12回】「多店舗展開企業における店舗の閉鎖」
Question 当社は上場している家電量販店である。最近、家電についても需要が一巡し、赤字の店舗が目立つようになっている。今期、不採算店の数店について閉店することを取締役会で決議した。このような場合、どのような会計処理の検討が必要となるか。
日本の企業税制 【第38回】「平成29年度税制改正大綱における配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し」
与党の平成29年度税制改正大綱が12月8日に取りまとめられた。
今回の大綱の大きなテーマは、「一億総活躍社会の実現」であり、そのための両輪として「働き方改革」と「イノベーション」が掲げられている。
「イノベーション」の観点からは、研究開発税制における増加インセンティブの強化、コーポレートガバナンス改革・事業再編の環境整備などの法人課税関係の改正が盛り込まれている。
〔平成29年度税制改正大綱からみた〕組織再編税制の改正内容と実務への影響【前編】
平成28年12月8日に与党税制改正大綱が公表された。
税制改正大綱が公表される前はスピンオフ税制のみが報道されていたが、実際に公表されてみると、平成18年度税制改正(会社法への対応)、平成22年度税制改正(グループ法人税制)に匹敵する大改正であったということが言える。
相続税の実務問答 【第6回】「遺産分割協議のやりなおし」
一昨年、父が亡くなりました。相続人は、兄と姉、それに私の3人です。既に相続人間で遺産分割協議を行い、相続税の申告も済ませています。
最近になって、兄の事業が思わしくなくなったようで、資金繰りに苦労しているようです。私は遺産分割により1,000万円の国債と青空駐車場として利用している土地を取得しましたが、このうち国債を兄に渡し、事業の運転資金に充ててもらおうと思います。兄に贈与すると贈与税が課税されますので、遺産分割協議をやり直して、国債を兄が相続するようにしたいと思います。姉も特に異存はないようです。
高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例及び簡易課税制度の特例 【第2回】「高額特定資産を取得した場合」
本改正は、高額特定資産に係る特例規定(納税義務の免除の特例及び簡易課税制度の特例)であるが、その資産を取得(購入等)したものか、自ら建設をしたものなのかで取扱いが異なる。以下、2つに区分して解説していく。
今回は「高額特定資産を取得した場合」について確認する。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q24】「外国法人発行の債券の利子に外国源泉税が課される場合の外国税額控除の適用」
私(居住者たる個人)はA国に所在する外国法人発行の債券を保有しています。この債券は年2回利息が支払われますが、当該利息について、発行国(A国)において10%の税率で外国所得税が課されました。この外国所得税について、外国税額控除の適用は可能でしょうか。
なお、当該債券は国内の証券会社の口座に保管されており、利息は国内の証券会社を通じ外貨建で受け取る予定です。
・利息金額:100ドル
・現地源泉税率: 10%(日本とA国との租税条約に基づく限度税率)
・利子の支払開始日レート:100円/ドル
なお、本件の債券は、税務上の特定公社債に該当します。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第42回】「債務の保証に関する契約書(連帯保証承諾書)」
【問】当社はクレジット会社です。この文書は、連帯保証人が購入者の債務を連帯して保証することを、クレジット会社に承諾書として提出するものですが、課税文書に該当しますか。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第5回】「被災資産の復旧費用・評価損等、災害損失欠損金の取扱い」
法人が固定資産の復旧作業を行う場合、これに要した費用を資本的支出として資産計上するのか、修繕費として損金算入するのかを判定する必要がある。このとき、どちらに該当するかは通常、次の通りに判定を行う(法基通7-8-1、7-8-2)。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第23回】「岩瀬事件」~最決平成15年6月13日、東京高判平成11年6月21日(高等裁判所民事判例集52巻26頁)~
Xは、地上げ屋であるA社の要望に応じ、Xの所有地をA社に譲渡し、代替地をA社から購入することとした。その際、①Xはその所有地を7億3,000万円でA社に譲渡し、②A社は代替地(時価7億8,000万円)をXに4億3,000万円で譲渡し、③A社は①と②の相殺差金3億円をXに交付するものとされた。これを前提に、Xは、その所有地の譲渡価額を7億3,000万円として譲渡所得を計算し、所得税の確定申告をした。
しかし、Y税務署長は、上記①~③は不可分一体の補足金付交換契約だとした上、売買でなく交換であれば、Xの収入金額は、代替地の時価に相当する金額と上記相殺差金の合計額となるから、譲渡所得の金額に誤りがあるとして、Xに対し更正処分を行った。
そこで、Xがこの更正処分を争ったのが本件である。