〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第1回】「申告業務に必要なこと」
平成25年度税制改正において、平成27年1月1日以降に発生する相続については、基礎控除が現行より4割引き下げられることが決定された(以下「相続税増税」という)。
国税庁統計年報によると、平成23年中の相続について、相続税が発生した相続税申告数は全国合計で51,559件となっている(この数値には、相続税がゼロの場合の相続税申告数は含まれていないため、税額が発生しない相続税申告数も含めた相続税申告数は、この数よりも多いことになる)。
相続税増税が行われると、相続税申告数が1.5倍程度に増加すると一般的には言われており、今後、相続税申告案件は増えることが予想されている。
「生産等設備投資促進税制」適用及び実務上のポイント 【第5回】「特別償却・税額控除の適用を判断する際の留意点」
本連載では「「生産等設備投資促進税制」適用及び実務上のポイント」として、第1回から概要、要件、手続などをご紹介してきたが、第5回となる今回は、実際に生産等設備投資促進税制を適用するに当たっての有利不利の判定、要件を満たさない場合の対処法などを解説する。
生産等設備投資促進税制の詳細は、これまでの連載で十分にご理解いただけたことと思うが、最終的なタックスプランニングにおいて、実務上の判断を左右する重要なポイントとしては、以下の5点が挙げられる。
中小企業のM&Aでも使える税務デューデリジェンス 【第6回】「親族への事業承継における税務の取扱い」
事業承継を含むグループ内再編では、対象会社の株式異動を伴うケースがほとんどである。
一般に税務上は、株主構成に変化がある場合はグループ内再編における適格要件等を満たさなくなることがあり、その場合は含み益を益金算入させざるを得ない状況となる。
一方で、今回のテーマである親族間の事業承継を前提とした株式異動であれば、実質的には株主構成に変化がなかったと捉えることが多く、その場合は適格要件を満たすことで含み益が益金算入されないことになる。以下にその具体例を記載する。
交際費課税Q&A~ポイントを再確認~ 【第5回】「交際費と寄附金を区別する」
法人税法上、交際費等と寄附金は次のとおりに定義されている。
【交際費等】
交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(措法61の4③)
【寄附金】
寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をすること(法法37)
上記のとおり、一般的には「交際費、接待費、機密費」などの名目の支出であれば交際費等に、「寄附金、拠出金、見舞金」などの名目の支出であれば寄附金に該当する。ただし、必ずしも名目のとおり税務上も取り扱われるとは限らない。したがって、寄附金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態に応じて判定する必要がある。
小説 『法人課税第三部門にて。』 【第12話】「調査終了時の「理由」の説明義務」
「めんどくさいです・・・」
山口調査官は忌々しそうにつぶやいた。
「何が?」
田村上席は、新聞を読んでいる。
今は昼休みで、法人課税第三部門には、今日も出遅れた2人以外、誰もいない。
租税争訟レポート 【第12回】架空外注費の認定による課税処分を否認した裁決(国税不服審判所公表裁決)
本件は、製造業を営む審査請求人(以下「請求人」という)が総勘定元帳の運搬勘定に計上した運搬費について、原処分庁が、その一部は過大に計上されたものであるとして、法人税並びに消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という)の更正処分等をしたのに対し、請求人が、当該運搬費は過大に計上されたものではないなどとして、原処分の一部の取消しを求めた事案である。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載28〕 普通法人から公益法人等への移行時における別表5(1)利益積立金額の記載方法について
この度、法人税法上の普通法人である出資持分の定めのない社団医療法人から、社会医療法人に移行しました。認定日の前日まででみなし事業年度が生じて、課税所得範囲の変更に伴う所要の調整を行いました。ところが、社会医療法人になって最初の申告で、法人税別表5(1)の利益積立金額欄の記載方法が分からなくなりました。どのように記載すべきか教えて下さい。
税効果会計を学ぶ 【第14回】「その他有価証券の評価差額の取扱い②」
前回に続き、その他有価証券の評価差額に係る税効果会計の取扱いについては、「税効果会計に関するQ&A」(以下「税効果Q&A」という)にも規定がある。
税効果Q&AのQ3は、過年度にその他有価証券の減損処理を実施し(税務上は有税処理)、その後、時価が上昇しその他有価証券評価差額金(評価差益)が発生した場合の税効果会計の適用について述べている。
そこで今回は、このQ3について取り上げることとする。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第13回】棚卸資産会計③「棚卸資産評価の会計処理」-正常な営業循環過程から外れた棚卸資産
当社には、正常な取引の過程から外れ、滞留している在庫があります。
この場合の会計処理について教えてください。