税務判例を読むための税法の学び方【20】 〔第5章〕法令用語(その6)
「係る」は、ある事項とつながりがあることを示す場合に使われる語句で、関係代名詞的に用いられ、『・・・されたところの・・・』という意味や『・・・に該当する・・・』という意味をもっている。
また「係る」は、「かかる」と読み、「かかわる」ではない。
「かかわる」は「係わる」、「関わる」又は「拘わる」と書き、「関係する」という意味であるが、法令用語としては「係わる」等の用語はなく、この意味で使用すべき場合には、「関係する」という用語が用いられる。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載39〕 事業承継税制新債務控除と猶予税額
平成25年度税制改正において、非上場株式等についての相続税の納税猶予制度を利用するにあたり、相続税の課税価格から控除すべき被相続人の債務及び葬式費用がある場合には、納税猶予税額の計算上、その被相続人の債務及び葬式費用については、特例非上場株式等以外の財産の価額から控除することとされた。
会計リレーエッセイ 【第10回】「日本のホテル会計と銀行審査」
筆者は銀行業界において人気テレビドラマ「半沢直樹」の5年先輩にあたる、1987年に入行。中小企業融資・個人財務相談・国内M&A支援業務を経て、入行6年目、29歳の時に海外ホテル投資会社に出向となった。
この歳でさすがに銀行に戻れない「片道切符」ではなかったが、バブル期の行き過ぎた融資の結果発生した不良債権回収という大命題を背負っていた。
その出向先での3年半の間、たくさんのことを学ばせていただいた。
英語でのビジネスの苦労話や商習慣の違いはさておき、日本のホテル業の収益力の弱さと銀行の審査能力の低さの一因は、その会計システムにあるとの確信に至った。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第11回】株式会社イチケン・関西支店における不適切な会計処理に係る「外部調査委員会報告書」
平成25年4月の人事異動により新支店長となった執行役員に対し、同年7月中旬、関西支店の施工部門長が、一部の工事について協力会社の了解を得て工事代金の一部を支払わず、別の工事代金として支払っていたこと(以下「付け替え」という)を報告したことから、同支店における不適切な会計処理が発覚した。
林總の管理会計[超]入門講座 【第12回】「部門別計算の仕組みとそのワケ」
〔Q〕予算も部門別に配賦するんですか?
〔林〕その前に、原価計算基準に沿って、部門別計算について説明しておこう。そもそも原価部門とは何か。
基準では、「原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするための計算組織上の区分」と定義されている。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第21回】減損会計②「減損会計のステップ」─減損損失の測定までの流れ
当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業の業績がおもわしくないため、当期に撤退を決定しています。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、減損処理は必要でしょうか。減損会計の手順を教えてください。
monthly TAX views -No.9-「デジタル財の消費税課税の検討を急げ」
消費税率の引上げが決まると、平成26年度税制改正を決める党税調の議論が始まる。それに合わせて、政府税制調査会も議論を始める。
この場での主要議題は、番号制度(マイナンバー)と国際課税だ。国際課税分野での課題といえば、総合主義・帰属主義の問題とBEPSの問題にわが国がどう対応していくかという点だが、忘れてならないのは、デジタル財の国境を越えた取引への消費税をどう課税するのかという問題である。
実はこれについては、昨年の秋口に、筆者も加わって、財務省で研究会が開催され、その成果をまとめてある。OECDのパブコメ部分を加えた上で公表ということなので、未だ公表されていないが、筆者の個人的見解は以下のとおりである。
法人・個人の所得課税における実質負担率の比較検証 【第2回】「実質負担率の比較と有利不利の境界線」
第1回では、法人の所得に対する課税制度と個人の所得に対する課税制度を整理した。そのうえで、どちらの形態をとるのが有利なのか、これは実質負担率を計算しなければ、比較できないことも述べた。
税理士業務を行うなかでしばしば遭遇するのが、法人の所得に対する税と個人の所得に対する税、いずれが有利なのか、という問題である。
いわゆる「法人成り」を行うにあたって有利となるラインはどこか、という問題もそのひとつである。これは個々人の家族体系や事業規模形態にも左右されるため、一概にラインを示すことは難しいが、目安として「所得1,000万円」を超えるか超えないかがひとつの目安とされることが多い。
では、その1,000万円という数字は、何を根拠に導き出した金額であろうか。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第6回】「相続財産を確定し評価することの意義」
法律上、相続人になるは誰なのか(相続人の範囲)、その確定手続については、本連載の第3回から第5回にかけて説明してきた。
今回からは、相続の対象となる財産(*1)にどのようなものがあり、その評価をどうするか、という点について説明を行う。
まず、相続の対象となる財産であるが、基本的には、他界した人の所有するすべての財産が対象となる(民法896条)。
なお、死亡保険金、死亡退職金は、法律上は基本的には相続の対象とならないため、遺産分割協議の対象にはならない。また、生前に贈与した財産は、他界した人の財産ではなくなっているため、これも相続の対象とはならない。
