鵜野和夫の不動産税務講座 【連載1】「贈与税の税率と住宅取得等資金贈与の特例~若い世代へ『資金』移転して経済の活性化を(上)」
〔Q〕相続税の改正と同時に贈与税も改正されたということですか。
〔税理士〕はい。贈与税は「相続税を補完する税制」と言われています。 まあ、生前に贈与すれば、それだけ、将来の相続財産が減っていきます。それに、生前贈与は、何年かに分けて小刻みに贈与することができますので、税率も高めに設定されています。
〔Q〕具体的には?
租税争訟レポート 【第9回】意思能力のない被相続人による保険契約の締結と税理士の債務不履行責任(税理士損害賠償請求事件第一審判決)
本件は、被相続人が意思表示できない状態で締結された保険契約につき、相続税申告の委任を受けた税理士が、これを「生命保険契約に関する権利」として評価した申告書を作成、提出したところ、所轄税務署長は、税務調査の結果、支払われた保険料の返還請求権が相続財産に含まれるとして、相続税の更正及び加算税の賦課決定を通知した。
争点は、
(1)税理士(被告)の債務不履行責任の有無
(2)納税者(原告)に生じた損害の額
であり、これらの点について、東京地方裁判所の判断が示された。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載20〕 施行日をまたぐ役務提供に関する消費税率の問題
平成26年3月28日から平成26年4月4日までの期間を対象とした広告の掲載を取り扱っています。なお、収益の計上については、継続的に役務提供を開始する日に全額を計上してきました。
本件の場合は、平成26年3月28日に収益を計上することになりますが、この場合の消費税の税率については、全額について5%とすることは可能でしょうか。
林總の管理会計[超]入門講座 【第3回】「間接費の考え方(その1)」
〔林〕今回のテーマは“間接費”だったね。
〔Q〕前回の講義で、間接費を「直接的に給付(製品やサービス)に集計できない費用」って言われました。集計できない費用を集計する必要って、あるんですか。
〔林〕良い点に気付いたね。その必要はない、という考えもある。間接費は、製品を作らなくても、製品を販売しなくても、時間と共に生じるものだから、生じた期間の費用にすべきだという考えだ。もう一つは、かかった費用は製品やサービスの売上金額で回収すべきとする考えだ。前者をダイレクトコスト、後者をフルコストというんだけどね。
〔Q〕どちらが正しいのですか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第7回】退職給付会計④「確定拠出制度(中小企業退職金共済制度)」
当社は確定拠出型年金制度を設けています。
そして、当期に確定拠出年金に要拠出額500を掛金として拠出しました。
この場合の会計処理を教えて下さい。
税効果会計を学ぶ 【第10回】「取締役会等の承認を得た経営計画等及び会社分類(例示区分)の見直し」
監査委員会報告第66号は、収益力に基づく課税所得の十分性を根拠に繰延税金資産を計上する場合は、会社によって将来の業績予測が作成されていなければならないと規定している(監査委員会報告第66号5(3))。
将来の業績予測は、事業計画や経営計画又は予算編成の一部等その呼称にかかわらず、原則として、取締役会や常務会等(以下「取締役会等」という)の承認を得たものであることが必要であるとされている。
ただし、取締役会等の承認を得た経営計画等だからといって、ただちにそれが収益力に基づく課税所得の十分性の根拠となるわけではないことに注意が必要である。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について 【第1回】「制度創設の背景と制度の概要」
本制度は、我が国の家計のうち、高齢者世代の保有するおよそ1,500兆円の金融資産のうち約6割の資産について、消費支出の高い子育て世代への移転を促進することにより、子育て世代を支援し、経済活性化に寄与することを期待するものとして創設された。
従来の税制では、扶養義務者相互間において教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち、通常必要と認められるものが贈与税の非課税とされるため、基本的には教育費として実際に支出した金額のみが贈与税の非課税対象とされていた(相法21の3①二)。
国外財産調書に関する通達の発遣について
国税庁は、平成25年3月29日付け「内国税の適正な確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律(国外財産調書関係)の取扱いについて(法令解釈通達)」(以下「本通達」)を発遣した。
国外財産調書制度とは、平成24年度税制改正により導入された制度であり、各年の12月31日に5,000万円を超える国外財産を保有する居住者(非永住者を除く)に対して、翌年3月15日までに、保有する国外財産の内容を記載した報告書を所轄税務署長に提出することを義務付けるものであり、平成26年1月1日以降提出すべき調書から適用となる。
本稿では以下、本通達の内容のうち、留意すべき点を中心に解説する。
分割の後に合併があった場合の分割承継法人及び合併法人における試験研究費の特別控除
当社は、数年前よりA社及びB社の発行済株式の100%を有しています。
A社は、従来から2つの商品の研究開発事業を行ってきましたが、経営の効率化のため、平成24年8月1日に、当社との間で当社を分割承継法人とする適格分割を行い、P1商品の開発事業を当社に移転しました。
その後、平成25年10月1日に、A社とB社との間でB社を合併法人とする適格合併が行われ、A社は解散し、P2商品の開発事業がB社に移転されました。
当社及びB社においても、従来から、それぞれ独自に商品の研究開発事業を行っていましたが、当社及びB社がそれぞれ当期(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)に試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の適用を受けるに当たって、A社から移転を受けた研究開発事業に係る試験研究費の額や売上調整年度の売上金額の取扱いが分かりませんので、ご教授下さい。