小説 『法人課税第三部門にて。』 【第17話】「源泉徴収に係る所得税の調査(その3)」
「ということは・・・」
山口調査官は、少し考えながら、言葉を続けた。
「・・・もし、支給者である徴収義務者が受給者に対して源泉所得税を徴収しなかった場合でも、受給者は、本来支払うべき源泉所得税を、確定申告から控除をすることができるんですね」
山口調査官は、田村上席の顔を見て、確認する。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載38〕 民事再生法において資産評定がある場合とない場合
民事再生法による再生手続開始の決定を受け、財産評定の作成に着手しています。
民事再生等では、資産評定がある場合とない場合で、欠損金等の取扱いに違いがあるといわれていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第20回】減損会計①「減損会計の目的」─損失の早期計上
当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業が過去2期連続して赤字であり、今後も黒字に転じる見込みはありません。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、どのような会計処理が必要になるのでしょうか。
税効果会計を学ぶ 【第19回】「連結財務諸表における税効果会計の取扱い④」~連結会社相互間の債権と債務の相殺消去による貸倒引当金の減額修正
「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号。以下「連結税効果実務指針」という)3項では、連結財務諸表固有の一時差異として、「連結会社相互間の債権と債務の相殺消去による貸倒引当金の減額修正」を規定している。
そこで、本稿では、連結財務諸表における税効果会計として上記に関する一時差異を取り上げる。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第6回】「ホステス報酬事件(その3)」~ホステス報酬の必要経費計算と基礎控除方式~
ホステス報酬は事業所得に該当するケースが多いという点を前回までに確認した。ところで、ホステスは事業所得者であるが、所得税法の規定によれば、ホステス報酬は源泉徴収の対象となるため、店側ではホステスの報酬支払に当たって源泉徴収義務が課されている。そこで、その際の源泉徴収税額の計算が問題となるのである。
本連載の第4回において説明したとおり、ホステスの報酬は次の計算式による源泉徴収を受けることになる(所令322)。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例6(所得税)】 「被相続人から相続により取得した貸店舗について、被相続人の取得価額で引き継ぐべきところ、未償却残高で引き継いでしまった事例」
平成14年から平成24年分の所得税につき、平成14年に依頼者の父親である被相続人から相続により取得した貸店舗について、被相続人の取得価額で引き継ぐべきところ、未償却残高で引き継いでしまった。
このため減価償却費が過少となり、結果として納付税額が過大となり、過大となった税額2,800万円につき賠償請求を受けたものである。
〔書面添付を活かした〕税務調査を受けないためのポイント 【第4回】「書面添付を円滑に実施するためのクライアント・事務所(スタッフ)運営」
これまで3回にわたり、書面添付制度により税務調査を回避しうること、また、そのための具体的な準備について考察してきた。
結果として、納税者であるクライアント(顧客)と適切なコミュニケーションをとりつつ、きちんとした会計指導や税務処理指導を行い適切な添付書面を記載することが、「税務調査が来ない企業」にする方法であることがご理解いただけたものと思われる。
ここで、様々なクライアント(税理士の顧客である納税者)を抱えている場合に、どのようにしてクライアントをそのレベルまで持っていくか、また、書面添付実務を円滑化するために事務所スタッフをどのように指導するかを考察する。
租税争訟レポート 【第14回】理由附記の不備による課税処分の取消し
納税者である控訴人(第1審原告)は、東大阪市が全額寄附をし、大阪府から設立許可を受けて設立された財団法人(公益法人等に該当する)であり、処分行政庁から法人税の青色申告の承認を受けている。
控訴人は、その行う事業を、公益事業会計及び収益事業会計の2つの事業に区分して経理しており、本件各事業年度において、収益事業会計として区分していた事業のみを法人税法2条13号に規定する収益事業に該当するとして、本件各事業年度の法人税の確定申告をした。
処分行政庁は、控訴人が営む事業のうち、公益事業会計に区分して経理していた事業についても収益事業に該当するとして、平成19年11月28日付けで、控訴人に対し、各更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分をした。
控訴人は、本件各更正処分等を不服として、異議申立て、審査請求を経て、平成21年11月5日、本訴を提起した。
「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」の解説 【第4回】「経営改善に関する指導及び助言について」
平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援の実務経験が一定水準以上の個人・法人を、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関として認定する制度が創設された。
「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」は、この認定を受けた「認定経営革新等支援機関」から、経営改善に関する指導及び助言を受けて行う設備投資が対象となる。
