雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務 ~要件・手続の確認から両制度の適用比較まで~ 【追補】「所得拡大促進税制に係る通達の新設」
平成25年6月27日、国税庁より「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。
今回の改正では、平成25年度税制改正で新たに導入された所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)に関し、新たな通達が設けられている。
そこで本稿では、新設された通達の内容について解説することとし、かねて連載していた「雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務」(所得拡大促進税制の内容については、第3回の記事を参照)の補足としたい。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第4回】「不動産投資と税金」―借地権の税務―
当社は資本金額1,000万円の内国法人(3月決算)です。このたび、子会社が都内に保有する社有地を賃借し、本社ビルを建築することを計画しています。この取引は、当グループ内での賃貸借取引であることから、権利金は収受しないことにし、地代は近隣相場を参考にした通常の地代とするつもりです。
このような場合の、税務上の取扱いを教えてください。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載29〕 債務超過の適格分割型分割を行った場合の資本金等の額と利益積立金額の計算(その2)
本誌No.19(2013.5.16公開)に掲載された「債務超過の適格分割型分割を行った場合の資本金等の額と利益積立金額の計算」(以下「その1」という)において、債務超過である分割法人がプラスの純資産を分割型分割により分割承継法人に移転した場合において、分割法人の分割直前の資本金等の額がプラス(つまり、利益積立金額のマイナスを原因として、債務超過になっている状況)であるときの処理について、次の観点から、実務家からの疑問が呈されているとのことでした。
もう少し、具体的に解説して、あるべき姿はどのようなものなのかをご教示いただければ、幸いです。
「生産等設備投資促進税制」適用及び実務上のポイント 【第5回】「特別償却・税額控除の適用を判断する際の留意点」
本連載では「「生産等設備投資促進税制」適用及び実務上のポイント」として、第1回から概要、要件、手続などをご紹介してきたが、第5回となる今回は、実際に生産等設備投資促進税制を適用するに当たっての有利不利の判定、要件を満たさない場合の対処法などを解説する。
生産等設備投資促進税制の詳細は、これまでの連載で十分にご理解いただけたことと思うが、最終的なタックスプランニングにおいて、実務上の判断を左右する重要なポイントとしては、以下の5点が挙げられる。
中小企業のM&Aでも使える税務デューデリジェンス 【第6回】「親族への事業承継における税務の取扱い」
事業承継を含むグループ内再編では、対象会社の株式異動を伴うケースがほとんどである。
一般に税務上は、株主構成に変化がある場合はグループ内再編における適格要件等を満たさなくなることがあり、その場合は含み益を益金算入させざるを得ない状況となる。
一方で、今回のテーマである親族間の事業承継を前提とした株式異動であれば、実質的には株主構成に変化がなかったと捉えることが多く、その場合は適格要件を満たすことで含み益が益金算入されないことになる。以下にその具体例を記載する。
交際費課税Q&A~ポイントを再確認~ 【第5回】「交際費と寄附金を区別する」
法人税法上、交際費等と寄附金は次のとおりに定義されている。
【交際費等】
交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(措法61の4③)
【寄附金】
寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をすること(法法37)
上記のとおり、一般的には「交際費、接待費、機密費」などの名目の支出であれば交際費等に、「寄附金、拠出金、見舞金」などの名目の支出であれば寄附金に該当する。ただし、必ずしも名目のとおり税務上も取り扱われるとは限らない。したがって、寄附金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態に応じて判定する必要がある。
租税争訟レポート 【第12回】架空外注費の認定による課税処分を否認した裁決(国税不服審判所公表裁決)
本件は、製造業を営む審査請求人(以下「請求人」という)が総勘定元帳の運搬勘定に計上した運搬費について、原処分庁が、その一部は過大に計上されたものであるとして、法人税並びに消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という)の更正処分等をしたのに対し、請求人が、当該運搬費は過大に計上されたものではないなどとして、原処分の一部の取消しを求めた事案である。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載28〕 普通法人から公益法人等への移行時における別表5(1)利益積立金額の記載方法について
この度、法人税法上の普通法人である出資持分の定めのない社団医療法人から、社会医療法人に移行しました。認定日の前日まででみなし事業年度が生じて、課税所得範囲の変更に伴う所要の調整を行いました。ところが、社会医療法人になって最初の申告で、法人税別表5(1)の利益積立金額欄の記載方法が分からなくなりました。どのように記載すべきか教えて下さい。
法人税の解釈をめぐる論点整理 《減価償却》編 【第6回】
(1) 耐用年数の意義
耐用年数は、減価償却費を計算する場合の重要な要素の1つであるが、その決定を法人の自主性に委ねた場合には、恣意性が介入するおそれがあることから、耐用年数省令別表により、減価償却資産ごとに、その耐用年数が画一的に法定されている。
この法定耐用年数については、通常の維持管理、補修等に要する費用を加えた上で、本来の用途・用法により使用する場合に、その本来の機能を発揮することができると認められる年数が法定されたものである。
(2) 耐用年数をめぐる基本論点
耐用年数をめぐっては、耐用年数表の適用関係が問題となることが多いといえるが、ここでは、基本的な論点をいくつか取り上げ、解説することとしたい。
