令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第4回】「所得金額及び法人税額の計算(その1:損益通算、欠損金の通算)」
通算法人の所得事業年度終了日(基準日)において、他の通算法人の基準日に終了する事業年度において通算前欠損金額が生ずる場合には、その通算法人の所得事業年度の通算対象欠損金額は、その所得事業年度の損金の額に算入される(法法64の5①②)。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第16回】「役員給与における隠ぺい又は仮装行為の具体例」
法人の所得計算上、役員給与に関しては、隠ぺい行為や仮装行為と認定されると損金算入できないと聞きました。
「隠ぺい又は仮装」とは、売上を除外したり架空仕入れを計上したりというケースなら想像しやすいですが、役員給与に関してはどのような行為が隠ぺい又は仮装行為に該当するのか、イメージしにくいです。
役員給与について、隠ぺい又は仮装行為となる具体的な例を教えてください。
給与計算の質問箱 【第7回】「従業員が役員に昇格した際の賞与、退職金の注意点」
2020年7月1日付けで勤続10年の従業員Aが役員に昇格しました。代表権の無い取締役であり、使用人兼務役員ではありません。なお、当社の事業年度は8月1日から7月31日です。
このAの昇格に伴う、次の①~③の場合について教えてください。
① 2020年7月31日に他の従業員に夏季賞与を支給する予定で、Aに対しても従業員の期間に係る夏季賞与50万円を支給した場合、損金算入できるでしょうか。
② 2020年7月31日に役員賞与としてAに対して事前確定届出給与50万円を支給した場合、損金算入できるでしょうか。
③ 2020年7月31日にAに対して従業員の期間に係る退職金50万円を支給した場合、損金算入できるでしょうか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第33回】
法人税法22条の2第2項は、(1項が定める引渡・役務提供基準ではなく)近接日基準による収益計上を認める条件として、確定決算による収益経理を求めている。これは、いわば、形式面・手続面において会計処理と税務処理の一致を求めるものであるが、その影響はさほど大きくはなさそうである。
基礎から身につく組織再編税制 【第18回】「適格合併を行った場合の申告調整(その2)~親会社が子会社を吸収した場合~」
前回は、子会社同士が適格合併を行った場合の申告調整の具体例を取り上げました。
今回は、親会社が子会社を適格合併により吸収した場合の申告調整の具体例について解説します。
令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第3回】「「事業年度」「申告・納付等」」
損益通算や欠損金の通算など通算申告を行う通算事業年度は、通算親法人の事業年度とする(法法14③、64の5①③、64の7①、地法72の13⑦)。
この場合、通算子法人の会計期間が通算親法人の会計期間と異なる場合でも、その通算子法人は、通算親法人の会計期間を税務上の事業年度として通算申告を行うこととなる(法法14⑦)。
令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第2回】「「適用法人の範囲」「適用方法」」
グループ通算制度の適用対象となる法人は、適用の承認を受けた「通算親法人(次の法人に限る)及び通算親法人との間に通算親法人による完全支配関係がある通算子法人(次の法人に限る)」の全てとなる(法法64の9①)。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例19】「仮装経理による棚卸資産過大計上分に係る特別損失の損金性」
私は、元々銀行マンでしたが、数年前に取引先である埼玉県所在の主として健康食品を扱っている専門商社X株式会社に移籍し、現在、会社の総務・経理を含む管理部門の責任者である管理部長を拝命しております。当社において主力商品として扱っている健康食品は、はやり廃りが極めて激しく、ある時マスコミに取り上げられると一気に注文が殺到したかと思えば、半年後にはそれまでの狂乱騒ぎが嘘のようにパタッと注文がやむということも珍しくありません。また、事前に何が当たるのかは全く予想がつかないため、商品の仕入れはバクチ的な要素があります。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第32回】
法人税法22条の2第3項を適用する場合の申告調整は、当初申告における申告調整に限られる。修正申告書において初めて、近接日基準に基づく申告調整を行ったとしても、法人税法22条の2第3項の適用はない。
確定申告書とは、法人税法「第74条第1項(確定申告)又は第144条の6第1項若しくは第2項(確定申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)」を指すからである(法人税法2三十一・三十六)。