中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第25回】「相続税の納税資金と老後資金の関係」
事業を成功させてきた中小企業の経営者の場合には、相続税の基礎控除を超える程度の相続財産を遺していることが想定され、状況によっては相続について多額の納税資金を要することとなる。
当たり前ではあるが、納税義務者としてこの納税を行うのは、遺す側の被相続人ではなく、遺された側の相続人である。この多額の納税資金を現役世代の相続人などが相続人自身の蓄財の中で一括納税することは困難であり、また、納税資金確保のために相続財産を処分するとしても、10ヶ月という短い期間の中で相続財産を処分し納税資金を確保することは非常に煩雑な手続きとなる。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第2回】「ハラスメント事件の発覚から終結に至るまでの鳥瞰図」
ハラスメント事件は、ハラスメントの被害者自身又はハラスメントの目撃者等の第三者による会社に対する申告等の働きかけにより発覚に至る。
被害者経由でハラスメントが発覚する場合、被害者から上司への申告や、法務部、人事部、相談窓口などへのコンタクトなどのルートがある。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第5回】「新型コロナウイルスの影響と契約関係」
①取引先に納入すべき製品の仕入れが新型コロナウイルスの影響により大幅に遅れ、既に納入期限を過ぎている上に今なお納入時期の具体的見通しも立ちません。取引先から契約の解除や損害賠償請求を受けた場合、これに応じなければならないでしょうか。
②新型コロナウイルスの影響により、当社の売上げも大きく減少し、このままでは次の買掛金の支払いができません。このような状況下でも責任を負うのでしょうか。
③発熱の症状が出ている従業員がいます。職務の継続自体は可能と思われますが、当社の判断で休業を命じようと考えています。このような場合に当社は休業手当の支払義務を負うのでしょうか。また、従業員が自主的に休業した場合はどうでしょうか。
[新型コロナウイルスを乗り越えるための]中小企業の経営相談 【第4回】「どうしても上手くいかない場合の事業再建策」~法的再建と私的再建~
当社はコロナショックのあおりを受けて売上げが激減してしまっています。財務状況を分析したところ、このままだと数ヶ月後に資金ショートすることがわかりました。以前から金融債務のリスケをしていたため、新規融資も断られてしまい、資金繰りについては万策尽きた状態です。
私は経営責任をとって引退しても良いのですが、何とか事業だけは守れないでしょうか。また、多額の連帯保証債務を負っている私は自己破産を免れないのでしょうか。
〔これなら作れる ・使える〕中小企業の事業計画 【第2回】「事業計画の概要と損益計画・資金計画の作成手順(後編)」
前期以前の損益計算書をベースに、損益計画(予想損益計算書)を作成する。顧客からの情報をもとに個別計画を作成、あるいは顧客から個別計画自体を入手して、作成できる項目から固めていく。個別計画とは、売上計画、経費計画、借入計画などを意味する。
テレワーク導入に伴う労務上の課題と対応策
昨今、働き方改革の一環として「テレワーク」を導入する企業が増加傾向にあったが、新型コロナウイルスの感染が拡大していく中で、感染防止対策としての「テレワーク(在宅勤務)」の導入が急激に進んでいる。
大手企業においては、半ば強制的ともいえる状況で導入しているところもあり、企業においては、「原則、全社員在宅勤務」「週3日以上の在宅勤務を義務付ける」といったように、これまで以上の速度で「在宅勤務」の実施が進んでいる。
社外取締役と〇〇 【第1回】「社外取締役の存在意義」
社外取締役に関しては、2019年12月4日に成立した「会社法の一部を改正する法律」(令和元年法律第70号)(以下「改正法」という)により、監査役会設置会社であっても、公開会社かつ大会社であり、有価証券報告書の提出義務を負う会社(以下「上場会社」という)において、その選任が義務化される等(なお、社外取締役の選任義務については次稿にて取り上げる)、その果たす役割は、一層重視されている。
[〈税理士が知っておきたい〉中間試案からみる]改正民法・不動産登記法等のポイント 【後編】
相続登記が未了であることが所有者不明土地の最も大きな要因となっています。登記未了の理由として、相続登記の申請は義務とされていないため、相続登記が先延ばしにされやすいことが挙げられます。
そこで、所有者不明土地の発生を防止する方策の1つとして、相続による所有権の移転が生じた場合に、その相続人等に対して、一定の期間内に、必要となる登記申請を公法上義務付けることが考えられています。
税理士のための「東京都感染拡大防止協力金」申請のポイント
新型コロナウイルスの感染拡大により、日本全国の多くの事業者が売上の大幅な減少、人件費や家賃などの経費負担に苦しんでいる。東京都においても、一定の施設に対して、施設の使用停止や施設の営業時間の短縮(以下「休業等」という)を要請しているところ、その要請に応じて、休業等に全面的に協力している都内の中小企業等に対して、「東京都感染拡大防止協力金」(以下「協力金」という)の支援を行うこととされた。
東京都は、この協力金の円滑な申請と支給を行うため、税理士などの専門家に申請要件や添付書類の事前確認を受けることを求めている。
[新型コロナウイルスを乗り越えるための]中小企業の経営相談 【第3回】「債権回収と連鎖倒産回避」
当社はコロナショックのあおりを受けて、売上げが激減してしまっています。
なんとか資金繰りの目処はつきましたが、得意先に対する売掛金の未収分が蓄積しており、得意先が倒産して売掛金が回収できなくなれば、当社も連鎖倒産を免れません。
このような事態を防ぐには、どうすれば良いでしょうか。