税効果会計を学ぶ 【第16回】「債権と債務の相殺消去に伴い修正される貸倒引当金に係る一時差異の取扱い」
税効果適用指針は、連結税効果実務指針を踏襲し、債権と債務の相殺消去に伴い修正される貸倒引当金に係る一時差異の取扱いを以下のように規定している(税効果適用指針32項、125項)。
《速報解説》 東証、上場制度の見直しに係る有価証券上場規程等の改正を公表~市場区分の再編に係る第一次改正事項として新規上場基準、債務超過に係る上場廃止基準を見直す~
2020年10月21日、東京証券取引所は、「資本市場を通じた資金供給機能向上のための上場制度の見直しに係る有価証券上場規程等の一部改正について(市場区分の再編に係る第一次制度改正事項)」を公表した。これにより、2020年7月29日から意見募集されていた案が確定することになる。
《速報解説》 国税庁、本年1月から6月までの相続等について路線価の補正を見送り~広範な地域で大幅な地価下落は確認できず~
年初に発生した相続税の申告期限がせまる中、国税庁は10月28日付で下記情報を公表、本年1月から6月までの相続等については、路線価等の補正を行わないことを明らかにした。
谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第46回】「租税法律主義の基礎理論」-遡及立法禁止の原則-
前回から租税法律主義の内容を検討しているが、今回は、遡及立法禁止の原則を取り上げ検討する。
遡及立法の禁止は、税法の効力(適用範囲)に関して「時間的限界」の角度から論じられることもあり(金子宏『租税法〔第23版〕』(弘文堂・2019年)119-122頁参照)、また、「国会の権限の時間的範囲(時間的な立法管轄権)の問題として理解されるべきである」(渕圭吾「租税法律主義と『遡及立法』」フィナンシャル・レビュー129号(2017年)93頁)と説かれることもあるが、以下では、まずは、租税法律主義の予測可能性・法的安定性保障機能の観点から、遡及立法禁止の原則を検討することにする。
組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の現行法上の問題点と今後の課題 【第9回】「資本金等の額及び利益積立金額」
適格株式交換・移転を行った場合において、完全親法人(株式交換完全親法人又は株式移転完全親法人をいう)が付随費用を支払った場合には、資本金等の額から減額する旨の規定がある(法令8①十・十一)。そのため、付随費用がない場合には、完全子法人株式の取得価額に相当する金額を資本金等の額に加算し、付随費用がある場合には、完全子法人株式の取得価額に相当する金額から当該付随費用の金額を控除した金額を資本金等の額に加算することになる。
新型コロナウイルス感染症にかかる助成金等の課税関係 【前編】
我が国の社会・経済は新型コロナウイルス感染症により多方面で大きな影響を受けている状況が続いている。このため、個人や法人に対して様々な支援策(助成金・給付金等)が国や地方公共団体により設けられている。それら支援策(助成金・給付金等)のうち主なものについて、その概要と受給した場合の課税関係(個人が受給する場合、法人が受給する場合)についてまとめた。また、消費税の取扱いについても触れた。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第2回】「社会通念上、居住用相当と認められる敷地」-居住用家屋の敷地の判定-
Xは、居住用家屋(2階建で総床面積160㎡)とその敷地(300㎡)を売却しました。
なお、この敷地の一部は、庭及び家庭用菜園として利用していました。
他の適用要件が具備されている場合に、家屋及び敷地の全部に係る譲渡損失について、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第19回】「〔第5表〕建物附属設備の計上の可否」
A社は飲食店業を営んでいます。1号店は自社所有の建物ですが、2号店及び3号店は賃借している建物です。
A社の貸借対照表には、建物附属設備の内装工事(電気設備、給排水設備、冷暖房設備)として、下記の通り計上されていますが、いずれも建物と構造上一体となって利用がされており、独立した所有権の対象にはなりません。
この場合におけるA社の第5表の純資産価額の計算明細書の資産の部に計上する建物附属設備の相続税評価額は0として問題ないでしょうか。
〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第6回】「過少申告加算税の意義と免除要件の捉え方」
国税通則法においては、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税という4種類の加算税を規定している。これらは大きくは、本税に付帯して発生する「附帯税」の中に位置づけられる。
附帯税は、いずれも本税の存在を前提にするものであるが、特に加算税については過少申告等又は源泉税不納付に対する制裁としての意味合いを有する点に大きな特徴がある。