〔会計不正調査報告書を読む〕 【第55回】株式会社メディビックグループ「第三者委員会調査報告書(平成28年8月15日付)」
株式会社メディビックグループ(以下「MDG社」と略称する)は、2000(平成12)年設立。遺伝子事業、再生医療事業を行う連結子会社(孫会社を含む)4社の持株会社。資本金約29億6,000万円。連結売上高104百万円、連結経常損失502百万円。従業員数17名(数字はいずれも訂正前の平成27年12月期)。本店所在地は東京都港区。東京証券取引所マザーズ上場。
ストーリーで学ぶIFRS入門 【第13話】「日本でも話題の収益認識(IFRS第15号)」
とある中規模上場メーカーのリフレッシュルームの一角で、一人の女性が男性に詰め寄っていた。と言っても、艶っぽい雰囲気は皆無だ。男性の方は両手を顔の横に挙げ、「降参」のポーズを取っている。
「どういうこと?あの2人、全然変わってないじゃない。」
30代半ばの女性、橋本は同じ経理部の同僚である伊崎に言った。
ストック・オプション会計を学ぶ 【第8回】「条件変更の会計処理②」
前回に引き続き、「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号。以下「ストック・オプション会計基準」という)及び「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第11号。以下「ストック・オプション適用指針」という)にしたがって、ストック・オプションに係る条件変更の会計処理について解説する。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第131回】金融商品会計⑭「任意組合、匿名組合、パートナーシップ、リミテッド・パートナーシップ等への出資の会計処理」
Q 匿名組合(商品ファンドではない)に出資した場合の会計処理について教えてください。
〈業種別〉会計不正の傾向と防止策 【第6回】「学校法人」
学校法人は、文部科学大臣あるいは都道府県知事の認可を受けて、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等を運営している法人である。組織としては学校法人本部と各学校からなっており、理事長以下複数名の理事が理事会を構成して学校法人全体の経営を担う一方で、各学校は校長が運営を委任されている。
株式会社のように「持分」という概念がなく、理事一人一人がそれぞれ一票を持つため、たとえ理事長といえども、他の理事の賛成なしには自らが目指す法人経営を実現することはできない。逆に、教育現場である各学校を長年預かってきた校長を兼ねる理事には権力が集中する場合もある。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第54回】株式会社デジタルデザイン「第三者委員会調査報告書(平成28年8月31日付)」
株式会社デジタルデザイン(以下「デジタルデザイン」と略称する)は、1996(平成8)年設立の情報サービス事業会社。資本金約9億8,000万円。連結売上高155百万円、連結経常利益5,706千円。従業員数13名(数字はいずれも平成28年1月期)。本店所在地は大阪市北区。東京証券取引所JASDAQ上場。
ファーストステップ管理会計 【第7回】「損益分岐分析の基礎」~ケーキを何個食べたら元が取れるか~
今回から〔利益管理編〕がスタートします。
企業は、利益を生み出すために活動しています。大ざっぱに考えると、
「利益 = 売上高 - 原価[」です。
前回までの〔原価管理編〕では『原価』に焦点を当てましたが、〔利益管理編〕では、売上高と原価の差額である『利益』に注目し、その管理の在り方を考えていきます。
ストック・オプション会計を学ぶ 【第7回】「条件変更の会計処理①」
今回と次回にわたり、ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号。以下「ストック・オプション会計基準」という)及び「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第11号。以下「ストック・オプション適用指針」という)にしたがって、ストック・オプションに係る条件変更の会計処理について解説する。
ストーリーで学ぶIFRS入門 【第12話】「金融商品会計はIFRSも難しい?」
「ピリピリ!って音、しない?」
隣の席の橋本にいきなり話しかけられた伊崎は当惑した。橋本が何のことを言っているのか、さっぱり分からなかったからだ。伊崎のその表情を気にすることなく、橋本がさらに言う。
「ほら、向かいのあの2人の空気よ。年末からずっとあの調子じゃない。」
伊崎もその言葉で納得した。2人の対面の席には、経理部の若手コンビである藤原と桜井がいつものように和気あいあいと雑談することもなく、それぞれのPCに黙々と集中している。どうやら年末に2人の間でひと悶着あったようだった。
〔経営上の発生事象で考える〕会計実務のポイント 【第13回】「従業員の大量退職、退職給付制度の移行があった場合」
Question 当社は上場している電機メーカーである。最近の業績が厳しいため、従業員の早期退職支援制度を臨時で実施することになり、当期に多くの従業員が退職する予定である。
また、来期に退職金制度の見直しを行う予定となっている。
Ⅰ 従業員が大量退職した場合、どのような会計処理の検討が必要となるか。
Ⅱ 現在、退職給付制度は確定給付型であるが、会社への負担が大きいため、一部を確定拠出型に変更することを検討している。このような場合、どのような会計処理の検討が必要となるか。