固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第37回】「新賃借人から旧賃借人に支払われた2億円は資産の譲渡の対価ではなく、契約上の地位の消滅の対価であるとされた事例」
消費税は国内で財や役務提供を受けたときにその対価に課税して受け手(買い手)が負担するが、その税金を申告納付するのは財や役務を提供する事業者である。この消費税の申告納付額は、事業者が行った資産の譲渡や役務提供の対価について課された消費税から、この資産等を手に入れるために支払った消費税を差し引いて計算する。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第43回】
個人が、自分で管理するウォレットから暗号資産を窃取されたのではなく、暗号資産を預けていた暗号資産交換業者が窃取された場合において、暗号資産交換業者から暗号資産に代えて金銭の補償を受けた場合にはどのような課税関係になるか。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第8回】「自宅以外で亡くなった場合の小規模宅地等の特例の適用」~老人ホームの場合②~
父母は二世帯住宅の2階部分に同居していましたが、母は死亡し、父は政令に定められる老人ホームに入居し、要介護認定を受け、そのままその老人ホームで亡くなりました(その建物と敷地は父所有)。
二世帯住宅の1階部分には長男夫妻とその娘(孫)が住んでいましたが、父が老人ホーム入居の直前まで居住していた2階部分には、老人ホーム入居後かつ父が亡くなる前に孫娘が居住し始めました。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第46回】「双輝汽船(株)タックスヘイブン便宜置籍船事件-特定外国子会社に生じた欠損金の損金算入の可否-(審裁平13.12.21、地判平16.2.10、高判平16.12.7、最判平19.9.28)(その2)」~租税特別措置法66条の6第1から3項、法人税法11条ほか~
①一定の要件を満たす特定外国子会社等が、②適用対象留保金額を有する場合に③一定の金額を内国親会社の益金に算入する。
《速報解説》 「居住用の区分所有財産の評価に関するQ&A」が国税庁HPで公表される~低層・二世帯の判定や一棟所有、貸付物件の評価方法を紹介~
国税庁は5月20日、本年から適用開始された「居住用の区分所有財産の評価について」、いわゆるマンション評価通達に関するQ&A(全12問)を公表した。
日本の企業税制 【第127回】「利益Bに関するOECD最終ガイダンス」
今回のガイダンスの内容は、OECD移転価格ガイドライン(TPG)2022年版の第4章の附属書として追加される。各国は2025年1月1日以後に開始する事業年度から、この制度の導入を選択することができることとされている。
相続税の実務問答 【第95回】「相続時精算課税を選択した場合の基礎控除の適用」
令和5年度の税制改正により、令和6年分以降の贈与税については相続時精算課税にも110万円の基礎控除が認められることとなったとのことですが、私は、平成30年に相続時精算課税を選択しています。この場合、令和6年分の贈与税の申告において基礎控除は認められるのでしょうか。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第61回】「死亡退任した役員に対する未払退職慰労金とみなし相続財産」
当社は、数年前に死亡退任された元代表取締役に対し、適正な手続きを経た上で役員退職慰労金を支給しています。支給決定当時、当社の資金繰りの事情から、当該役員退職慰労金を数年かけて分割支給することをご遺族の方と合意しています。
その後、当社の資金繰りはさらに窮する事態となったため、未払として残っていた役員退職慰労金の一部について、ご遺族の方と合意の上で不支給とさせていただきました。
この場合、ご遺族の方にご迷惑をかける可能性はありますか。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第7回】「自宅以外で亡くなった場合の小規模宅地等の特例の適用」~老人ホームの場合①~
父は政令に定められる老人ホームに入居し、要介護認定を受け、そのままその老人ホームで亡くなりました。母は父と同居(生計一)していましたが、父の老人ホーム入居時には死亡していました。父が老人ホーム入居直前まで居住していた建物は、しばらく空き家でしたが、父の相続開始前に、従前より賃貸住宅に住んでいた生計別の長男が引っ越してきて居住しました。
上記において、その亡くなった父所有の建物と敷地を長男が相続し、それ以降も引き続き住んでいます。この場合、敷地は相続開始直前において父の居住の用に供されていた宅地等に当たり、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例は受けられますか。