《速報解説》 国外事業者に係る事業者免税点制度の特例の適用の見直し等~令和6年度税制改正大綱~
令和5年12月22日に閣議決定された「令和6年度税制改正大綱」では、プラットフォーム課税の導入とあわせて、国外事業者に係る事業者免税点制度の特例の適用の見直し等が図られることとなった。以下に概説する。
《速報解説》 法定調書のe-Tax等による提出義務基準の引下げ~令和6年度税制改正大綱~
本稿では、令和5年12月22日に閣議決定された「令和6年度税制改正大綱」に示された、「法定調書のe-Tax等による提出義務基準の引下げ」について解説する。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第33回】「重加算税に関する隠蔽・仮装行為主体問題と賦課判断の主観化の意義」-重加算税判例における納税者以外の者との「同視思考」の正当化と「同視要件」の厳格化-
前回は、重加算税の賦課要件(税通68条1項)のうち「隠蔽・仮装」要件の解釈適用をいわゆるつまみ申告に関して検討したが、今回は、隠蔽・仮装の行為主体要件としての「納税者」要件の解釈適用を、納税者本人以外の者が隠蔽・仮装を行った場合に関して、検討することにする。
この問題について筆者は以前「隠ぺい・仮装の行為主体問題」として検討したことがあるが(拙著『税法創造論』(清文社・2022年)940頁[初出・2017年]。「隠ぺい」は当時の法文によった)、今回はその検討を基本的にベースにしながらその後考察したところも踏まえて、納税者以外の者が隠蔽・仮装を行った場合における納税者本人に対する重加算税賦課の問題を検討することにする。
令和5年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「令和5年分の申告から適用される改正事項」
令和5年分の確定申告の受付は、令和6年2月16日(金)から3月15日(金)まで行われる。還付申告は、令和6年2月15日(木)以前でも行うことができる。
なお、e-Taxを利用する場合は、令和6年1月4日(木)から3月15日(金)の間であれば、メンテナンス時間(3月11日を除く毎週月曜日午前0時~午前8時30分を予定)を除き、24時間(※1)申告書を送信することが可能である。
今回から3回シリーズで、令和5年分の確定申告に係る実務上の留意点を解説する。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第48回】「家屋の取壊し前の売買契約日を収入時期として申告した場合」-家屋の取壊し時期と譲渡所得の収入すべき時期との関係-(令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡)
Xは、昨年2月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得した後に、買主側の希望によって敷地のみを売買対象として、家屋は売主側の責任で取り壊し、譲渡することとなりました。
売買契約を締結したのは昨年の10月で、本年の1月にその家屋を取り壊し、同年の2月にその敷地を引き渡しました。
相続の開始の直前までは父親がその家屋に1人暮らしをし、取り壊し時までは空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
譲渡所得に係る申告に当たっては、売買契約日(契約日基準)である昨年分の収入として申告しようと考えています。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用を受けることができるでしょうか。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第33回】
マイニングに係る所得が、事業所得ではなく、雑所得に該当するとされた国税不服審判所令和4年1月7日裁決(裁決事例集未登載)について、国税不服審判所ホームページの裁決要旨を参考にしつつ、判断内容を確認します。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例129(法人税)】 「所得拡大促進税制の適用において、雇用者給与等支給額を、支給ベースで計算すべきところ発生ベースで計算したため、特別控除額が過少となってしまった事例」
令和Z年3月期の法人税につき、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(以下「所得拡大促進税制」という)の適用において、雇用者給与等支給額につき、有利な支給ベース(ソフトウエア仮勘定に振り替えた人件費を給与等支給額に含める)で計算すべきところ、発生ベース(所得の金額の計算上損金の額に算入されたもののみを給与等支給額とする)で計算したため、特別控除額が過少となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付税額が発生し、賠償請求を受けた。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第34回】「移転価格税制と住民訴訟(地判平7.3.6、高判平8.3.28)(その3)」~旧日米租税条約11条、25条1項、租税条約実施特例法7条、8条、国税通則法23条2項3号、同施行令6条1項4号~
第一審判決では、「条約に適合しない課税」については、特に判示することもなく、前記6(1)②の判示のとおり、同条約における経済的二重課税に対して相互協議の申立てを行うことができるとした。
控訴審判決では、租税条約の「目的」や「常識」という概念により広く解し、「移転価格の調整によって生ずる経済的二重課税は、少なくとも租税条約の精神に反する」というOECD租税委員会の見解を根拠とした。
《速報解説》 中小企業者等の少額減価償却資産の特例、適用期限の延長に加え対象法人の見直しあり~令和6年度税制改正大綱~
取得価額30万円未満の減価償却資産を対象とした「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(措法67の5)については、「令和6年度税制改正の大綱」(12月22日(金)閣議決定)において令和8年3月31日までの2年延長が示されたが、下記の通り一部対象法人の見直しも行われる。