税務
税務分野に関する実務解説および最新情報を体系的にまとめたカテゴリです。法人税・所得税・消費税・相続税・国際課税など主要税目の制度解説から、税制改正情報、通達・判例の読み解き、実務対応のポイントまで幅広く掲載しています。企業の経理担当者や税理士事務所職員など、実務に携わる方が現場で活用できる視点を重視し、論点整理や具体的な対応策を分かりやすく解説しています。各税目別の詳細カテゴリもあわせてご参照ください。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例156(法人税)】 「従業員の横領を長年にわたり看過する結果になり、このような決算書作成方法自体が、税理士の債務不履行になるとして、損害賠償請求を受けた事例」
税理士は依頼者との間で業務委託契約を締結し、決算書作成業務等を委託されていたところ、依頼者の従業員が長年にわたって横領行為を行っており、税理士も、依頼者から委託された決算書作成業務等を行うに際し、銀行が発行する正式な残高証明書等の適切な資料を用いておらず、従業員が提出してきた資料を残高証明書と突き合わせる等の確認作業を行わなかったため、結果的に、長年にわたり従業員の不正を看過する結果になり、このような決算書作成方法自体が、税理士の債務不履行になるとして、依頼者から損害賠償請求を受けた。
グループ企業の税務Q&A 【第3回】「通算税効果額の授受を行わない場合」
当社(P社)は、自社を通算親法人とするグループ通算制度を適用しています。損益通算、欠損金の通算及び一般試験研究費の額に係る税額控除が行われた場合には、通算税効果額を合理的に計算したうえで、通算法人間でその金額を授受することになりますが、通算税効果額の授受をしない場合にはどのように処理することになるのでしょうか。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第58回】「土地の評価に関して相続税の申告書において鑑定評価額が是認されたとしても、固定資産税の登録価格の決定にあたり、適切であるとはいえないとされた事例」
土地について、固定資産税の課税標準となるのは、賦課期日における価格で課税台帳等に登録されたもの(地法349①)である。この価格とは、 適正な時価である(地法341⑤)。
個別性の強い土地の適正な時価を評価することは容易ではない。そこで、総務大臣が告示する「固定資産評価基準」によって土地の評価方法が定められており(地法388①)、原則としてこの方法で算定された価格が適正な時価とされる。登録価格が評価基準に従って算定されている限り、適法とされる。評価基準に従って算定した場合で違法とされるのは、特別な事情がある場合に限られる。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第93回】「日星両国の複数法人代表の居住者該当性が争われた事例(東地令5.4.12)(その2)」~所得税法2条1項3号~
X(原告・被控訴人)は、所得税法2条1項5号の「非居住者」に該当するとの認識により、日本で申告を行わずシンガポールの居住者として同国で所得税の申告を行っていたところ、所轄税務署長から「居住者」に該当するとして、期限後申告を勧奨されたため、期限後申告を行ったうえで平成23年及び平成24年分の所得税につき更正の請求をしたが認められず、本件各年分の所得税の無申告加算税に係る各賦課決定処分を受けたため、その取消しを求めた。原審の東京地裁令和元年5月30日(金判1574号16頁)は、Xの請求を認容したが、これを不服として課税庁が控訴した。
日本の企業税制 【第149回】「設備投資と研究開発投資の加速化」
政府は、3月6日に「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」を、3月13日に「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」を、それぞれ閣議決定して同日に国会に提出した。
前者については、国際経済事情の変化、資源価格の変動等による物価の継続的な上昇、人口減少や少子高齢化等の経済社会情勢が変化する中、わが国の産業競争力の一層の強化を図る必要性が高まっていることが背景にある。そのために企業の事業活動を持続的に発展させることが重要となっていることから、国内投資の促進による事業の高付加価値化と、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化を推し進めるとともに、事業活動の基盤となる産業用地の整備や担い手の確保に資する生活基盤の維持を図るために一体的に支援措置を講じるものである。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第79回】「定期同額給与と会計処理」
当社は、総会決議等が存在していません。また、役員報酬の支給やその給与額の計算自体も事実上は年度末に一括で処理をしています。
この前提で、毎月支給しているものとして税務上の定期同額給与に該当すると考えることは可能でしょうか。
相続税の実務問答 【第117回】「相続時精算課税を適用した財産の評価額が誤っていた場合の相続税の申告」
私は、平成25年に、父からH市の宅地の贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をしました。この宅地の面積は、660㎡です。申告に当たり、当時の財産評価基本通達の定めにより広大地として評価することを検討しましたが、関与税理士から「この土地の最適な利用方法は、マンションの敷地としての利用であると認められるから、広大地としての評価をすることはできない」と言われ、広大地としての減額評価をせずに贈与税の申告をしました。
昨年8月に父が亡くなりましたので、父から贈与された宅地の贈与時の価額を相続税の課税価格に加算して相続税の申告をしなければなりません。私としては、この宅地を「広大地」として評価することはできないとの当時の判断に納得がいかないので、相続税の申告において相続税の課税価格に加算するこの宅地の価額について広大地評価通達を適用して評価した価額としたいのですが、可能でしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第92回】「日星両国の複数法人代表の居住者該当性が争われた事例(東地令5.4.12)(その1)」~所得税法2条1項3号~
原告会社及びその代表者である原告Xが、平成25年5月24日に、同月30日(以下「本件転出日」という)をもって東京都江戸川区(以下「本件転出前住所登録地」という)からシンガポール共和国(以下「シンガポール」という)へ転出する旨の届出(以下「本件届出」という)をし、原告Xが平成25年(本件転出日後)から平成27年において所得税法2条1項3号が定める「居住者」に該当するとしてされた原告更正処分等及び原告賦課決定処分並びに平成25年6月分から平成27年12月分までの原告会社納税告知処分等及び原告会社賦課決定処分等を違法として取消しを求めた事案。
