貸倒損失における税務上の取扱い 【第9回】「子会社支援のための無償取引⑤」
第6回目から第8回目においては、法人税基本通達9-4-2が定められる前において、無利息貸付けを行った事例を分析した。
第9回目にあたる本稿からは、法人税基本通達9-4-2が定められた後に低利貸付けを行った事例を分析することにより、法人税基本通達9-4-2の基本的な考え方についての分析を行うこととする。
なお、本稿で取り上げる事例は、納税者側が法人税基本通達9-4-2に規定する相当の理由が存することを主張しており、非常に興味深い事例である。
monthly TAX views -No.12-「インボイスなき軽減税率は可能か」
与党税制改正大綱の決定寸前まで、自民党と公明党との間で、軽減税率の問題が議論された。
軽減税率反対論には、財源の問題や線引きの難しさといった課題があげられるが、最大の理由は、「(軽減税率に必要な)インボイスが導入されると事務が面倒」という点に集中していた(「軽減税率についての議論の中間報告」(平成25年11月12日、与党税制協議会)。
平成26年度税制改正における前年度への遡及適用(経過措置)について
秋の大綱に盛り込まれている改正項目については、本誌においてもそれぞれ詳細な解説が行われており、具体的な内容についてはそれらを参照していただきたいが、一部の項目については、経過措置として適用が前年度(すなわち平成25年度)に遡及するものがあるので留意が必要である。
すなわち、改正項目のうち「産業競争力強化法の施行の日」から適用されるものについては、結果的に平成26年度を待たずして適用されるものがあるということである。
まだある!消費税率引上げをめぐる実務のギモン 【第1回】「前払費用の取扱いについて(その1)」
いよいよ平成26年4月1日より、消費税率が8%に引き上げられるが、税率引上げに伴う実務上の問題点については国税庁ホームページやその他の情報でも未だフォローしきれていない問題も残されているため、本連載では税率引上げ後の誤りやすい点又はあらためて注意喚起したい点について、Q&A形式で確認していくこととする。
提出前に確認したい「国外財産調書制度」のポイントQ&A 【第1回】「調書の提出対象者」
〔Q〕国外財産調書の提出の対象者とは、どのような者ですか。所得税法上の『居住者』と同じですか。また、所得税の課税所得の範囲がどのような者ですか。
平成25年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「平成25年分の申告から適用される改正事項①」
平成25年分の確定申告の受付は、平成26年2月17日(月)から3月17日(月)まで行われる。還付申告については、2月16日以前であっても行うことができる。
これから4回にわたり、平成25年分の確定申告における実務上の留意点を解説する。第1回目は、今回の確定申告から適用される改正事項の中から、給与所得に関係するものを取り上げる。
居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第13問】「譲渡前に新たな居住用財産を取得している場合」-居住用財産の範囲-
Xは、12年ほど前から住んでいた家屋Aを買い換えるため不動産仲介業者に売却と購入を依頼していたところ、家屋Aの買い手が見つかる前に希望どおりの物件が見つかったのでその家屋Bを購入し、昨年の11月に家屋Aから家屋Bに転居しました。
転居後、家屋Aは空家となっていましたが、本年3月になって買い手が見つかり、家屋Aを売却しました。
この場合、「3,000万円特別控除(措法35)」の特例を受けることができるでしょうか?
税務判例を読むための税法の学び方【26】 〔第5章〕法令用語(その12)
物の量や金額の範囲を示す表現において、「以上」と「超」、そして「以下」と「未満」が使われるが、この「以上」と「超」、そして「以下」と「未満」は明確に使い分けられている。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載49〕 平成26年度税制改正の概要と留意点
(1) 「生産性向上設備投資促進税制」及び「中小企業投資促進税制」
産業競争力強化法の施行日(平成26年1月下旬の見込み)以後、平成28年3月31日までの取得について、即時償却又は5%(建物・構築物は3%)の税額控除の適用となる。
ただし税額控除は、中小企業投資促進税制により、資本金3,000万円以下の中小企業は10%の税額控除、資本金1億円以下の中小企業は7%の税額控除とされた。