monthly TAX views -No.121-「少子化対策の財源、社会保険料の負担増は受け入れられるか」
「異次元」というからには、4月に発足する「こども家庭庁」の予算規模4.8兆円に匹敵する数兆円の財源とも期待されている。具体的にどのようなことが考えられるのだろうか。
〔令和5年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第1回】「「人材確保等促進税制の見直し(大企業)」「所得拡大促進税制の見直し(中小企業者等)」」
令和4年度税制改正における改正事項を中心として、令和5年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第1回】は、「人材確保等促進税制の見直し(大企業)」及び「所得拡大促進税制の見直し(中小企業者等)」について解説する。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例49】「販売用土地の評価換えに伴う評価損の損金性」
私は、南関東を主な営業エリアとし不動産販売業を営む株式会社X(資本金9,000万円)において財務部長を務めております。わが社は高度成長期に現社長のお父さんが創業したのですが、わが社のこれまでの業績の浮沈は、まさにわが国経済と共にあったと言っても過言ではないところです。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第10回】
国税庁は、令和5年1月13日付で「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を公表し、各税目合計で15の問いと回答を示した。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q76】「NFTの取得対価に著作権の使用料が含まれる場合の源泉徴収義務」
私(居住者たる個人)は、マーケットプレイスを通じてNFTを使ったデジタルアートをその制作者(居住者)から購入しました。制作者からこのデジタルアートに関する著作権は譲り受けていませんが、デジタルアートを使用することについての利用許諾を受けています。
この場合、著作権の使用料を支払ったものとして源泉徴収する必要はありますか。なお、私は日本で事業等の業務を行っておらず、給与の支払もしていません。
租税争訟レポート 【第65回】「勝馬投票券払戻金の所得区分(第1審:東京地方裁判所令和元年10月30日判決、 控訴審:東京高等裁判所令和2年11月4日判決)」
本件は、競馬の勝馬投票券(以下「馬券」という)の的中による払戻金に係る所得(以下「本件競馬所得」という)を得ていた原告が、平成24年分から平成26年分までの所得税(平成25年分及び平成26年分については復興特別所得税を含む。以下同じ)について、高松税務署の調査担当職員による調査の結果に基づいて、平成27年9月29日、本件競馬所得を一時所得として確定申告をした後、本件競馬所得が雑所得に該当するとしてそれぞれ更正の請求(以下、併せて「更正の請求」という)をしたところ、高松税務署長から、いずれの更正の請求についても更正をすべき理由がない旨の通知処分(以下「通知処分」という)を受けたことから、通知処分の取消しを求めた事案である。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第70回】「受益者連続型信託に関する権利を取得した場合における小規模宅地等の特例の適用の可否」
甲は、自己が所有するA土地及び建物(賃貸用アパートで部屋数は8室)において貸付事業を行っています。甲はA土地及び建物以外で貸付事業を行っていませんので、事業的規模以外の貸付事業に該当します。
賃貸の用に供して50年以上経過し建物も老朽化し、甲の財産管理能力も衰えてきたため、甲は賃貸用アパートの管理等を長男である丙に任せ、甲の死亡後はそのA土地及び建物を配偶者である乙に、乙が死亡した場合には丙に相続させるために、下記の信託契約を令和3年10月に締結しました。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第27回】「デッド・プッシュ・ダウンとは」
国際的な税負担を軽減する手段としてデッド・プッシュ・ダウンという方法があるそうですがこれは一般に認められたものでしょうか。
これからの国際税務 【第35回】「与党大綱が提案する第2の柱の国内法制化について」
2021年10月に約140ヶ国に及ぶOECD/IFの国々が合意に達した2つの柱から成る国際課税の新ルールは、G20サミットのコミュニケで「より安定的で公平な国際課税制度を構築する歴史的成果」と評価され、その後、当初予定で2022年中の制度改正及び2023年からの実施を目指して、OECD/IFは、合意内容の実施のための国内法や租税条約の改正を指導するモデルルールや条約案の整備を進めてきた。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第22回】「個別分野別不当性要件の統一的解釈」-ヤフー事件最判とユニバーサルミュージック事件最判-
前々回は、未処理欠損金額引継規定濫用[ヤフー]事件・最判平成28年2月29日民集70巻2号242頁(以下「ヤフー事件最判」という)を「租税回避の意義と類型」に関して検討したが、今回は、組織再編成に係る行為計算否認規定(法税132条の2)の不当性要件についてヤフー事件最判が採用した判断枠組みと基本的には同じものと解される判断枠組みを、デット・プッシュ・ダウン(debt push down)借入利息損金算入否認[ユニバーサルミュージック]事件・最判令和4年4月21日民集76巻4号480頁(以下「ユニバーサルミュージック事件最判」という)が同族会社の行為計算否認規定(法税132条1項)の不当性要件について採用したものとする理解(個別分野別不当性要件の統一的解釈。拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【71】参照)の下に、両最判の判断枠組みを比較検討することにする。