〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第10回】「口頭意見陳述をする場合の留意点」
再調査の請求においても審査請求においても、書面によるやりとりをもって判断機関と両当事者が主張内容を共有することにより、攻撃防御の確保など充実した審理に資するという書面主義を前提としている。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第9回】「国税不服審判所の本部と支部の組織」
国税不服審判所は、国税庁の特別の機関として、執行機関である国税局や税務署から分離・独立した機関として設けられている。
しかし、令和2年4月1日現在の定員471人のうち、裁判官・検察官といった法曹出身者、弁護士・税理士・公認会計士といった民間出身者などからなる税務行政部外からの任用者は計65人であり、職員の多くは、執行機関である国税局や税務署などからの任用(出向)者(いわゆる国税プロパー職員)で占められている。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第8回】「実質審理に入る前の国税不服審判所の手続」
形式審査とは、審査請求が法令に定める手続に従って適法にされたか否かについての手続要件の審査である。
審査請求書を受理した場合には、審査請求書の副本を原処分庁に送付するとともに、原処分庁に形式審査に必要な書類の提出を求め、その審査請求事件の担当審判官及び分担者として指定されることが予定される者を形式審査担当者に指名し、その形式審査担当者により形式審査が行われる。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第7回】「審査請求書には何を記載すべきか」
国税に関する不服申立制度は、国税に関する法律に基づく処分についての納税者の不服を簡易な手続で、適正かつ迅速に処理することにより、納税者の正当な権利利益の救済を図るものである。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第6回】「再調査の請求と審査請求の「件数」と「認容割合」の実際」
2021年6月23日、国税庁は、令和2年度(会計年度)における「再調査の請求」「審査請求」「訴訟」の概要をそれぞれ公表した。
本稿では、このうち、再調査審理庁(原処分庁)が審理する「再調査の請求」と国税不服審判所が審理する「審査請求」という行政判断に属する二者の審理機関が行った原処分の取消し状況について解説する。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第5回】「審査請求を審理する国税不服審判所の特徴」
国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行う機関であり、「納税者の正当な権利利益の救済」という目的を図るため、審査請求人と国税の賦課徴収を行う執行機関(税務署・国税局等)との間に立つ公正な第三者的立場で審査請求事件を調査・審理して裁決を行っている。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第4回】「再調査の請求(異議申立て)の効果的な利用の仕方」
再調査の請求は、その上級に位置する審査請求・訴訟に比して、簡易迅速な納税者の権利救済を志向しているが故に、審査請求・訴訟のような納税者と原処分庁との対審構造を意識した制度設計とは異なるものとなっている。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第3回】「再調査の請求(異議申立て)制度の基礎知識」
再調査の請求は、税務署長などが行った更正・決定や差押えなどの処分に不服がある納税者が、審査請求をする前に自ら選択して、当該処分を行った税務署長などに対して、処分の取消しや変更を求めて不服を申し立てる制度である。
平成28年4月1日以後の処分に係るものが対象であり、その前日以前の処分に係るものについては「異議申立て」というが、後者よりも不服申立期間の延長など若干の権利の拡充が図られている。