連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第12回】「国際税務の改正」
連結納税制度に係る外国子会社配当益金不算入制度については、外国子会社の範囲において、他の連結法人が保有する外国法人の株式等を含めて、25%以上の保有割合要件を判定すること以外は単体納税制度と同じ取扱い(同じ番号の条文が適用される)となるため、税制改正についても単体納税法人と同様のものなる。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第2回】「インドの個人所得税」
まず日本においてはサラリーマンであっても「給与所得控除」という形の「経費」が最低65万円認められているが、インドにおいてはこれに該当するものがない。同様に日本においては基礎控除が38万円、結婚して、かつ配偶者が働いていない場合はさらに38万円の配偶者控除が認められているが、これもない。
日本の企業税制 【第22回】「BEPS行動14:紛争解決」
2014年12月18日、OECD租税委員会より公開討議草案「効果的な紛争解決メカニズムの策定」が公表されており、経団連では、2015年1月16日にコメントを提出している。
移転価格課税等による国際的二重課税の解決手段としては、租税条約の相互協議条項に従って、納税者の要請に基づき租税条約締結国の権限ある当局間で行われる政府間協議があるが、合意義務はなく、そもそも、租税条約の中に相互協議に関わる条項が存在しない国もある。
monthly TAX views -No.31-「始まる『タックスヘイブン対策税制』の見直し」
BEPS関連の税制で、移転価格税制などと並んで、タックスヘイブン対策税制(CFC税制)の見直しがアジェンダに上がっている。行動計画3において、「CFC税制に関し、各国が最低限導入すべき基準の勧告を策定」とされ、9月にも報告が提出される予定となっている。
これを受けて経済産業省内に「日本企業の海外展開を踏まえた国際課税制度の在り方に関する研究会」が立ち上がり、筆者もそのメンバーとして参加し、すでに2回の会合が開催されている。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第1回】「税制の全体像と法人所得課税」
会計士として日系企業向けにインド税務に関するアドバイスを提供していると、よく「インドの税制は非常に複雑ですね」という感想をいただくことがある。
ただ、実務を担当している筆者の見解では、インド税制とはいえ基本的な構造自体は日本の税制と同じである。
日本の企業税制 【第21回】「BEPS行動12:義務的情報開示ルール」
行動12は、アグレッシブなタックス・プランニングを立案した段階で、納税者あるいは立案者(プロモーター=会計事務所、法律事務所、コンサルタント等)から税務当局に報告する義務を課すことにより、法令・執行上の早期対応、ひいてはスキームの販売・利用を抑止することを意図するものである。報告されたスキームが必ずしも租税回避となるわけではなく、また個別案件に係る事前確認制度とは異なり、報告されたスキームに対して当局からの対応がないことをもって、取引の有効性・容認を意味するものでもない。このような義務的情報開示は、既にアメリカ、イギリス、カナダ、ポルトガル、アイルランド、南アフリカ等で導入されている。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例27(法人税)】 「外国子会社合算税制において適用除外に該当しているにもかかわらず、別表の添付をしなかったため、適用除外が認められなかった事例」
《事例の概要》
平成X2年3月期から平成X6年3月期の法人税につき、香港に所在する依頼者の100%子会社につき、外国子会社合算税制における適用除外に該当しているにもかかわらず、申告書にその旨を記載した別表及びその証拠資料の添付をしなかったため、税務調査により当該子会社に係る所得につき合算課税の対象となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付が発生し、賠償請求を受けた。
日本の企業税制 【第20回】「BEPS行動8:価格付けが困難な無形資産」
OECD租税委員会は、6月4日、移転価格ガイドライン改定作業の中で残されていた重要な課題である「BEPS行動8:価格付けが困難な無形資産」に関する公開討議草案を公表した。
公開討議草案は、価格付けが困難な無形資産に係るアプローチを開発するとの行動8の要請に対応し、OECD移転価格ガイドライン第6章D.3の改訂を提案するものであり、わが国の移転価格課税にも重要な影響をもたらすものとなる。
monthly TAX views -No.29-「BEPSと包括的租税回避否認の検討」
BEPS(税源侵食と利益移転)の議論が進んでいる。わが国ではあまり注目されていないが、行動6には、「租税条約の濫用」(いわゆるトリーティーショッピング)防止が掲げられている。
そして、これへの対策として、特典制限条項(LOB)と並んで、「アレンジメントの主要な目的の一つが条約特典を享受する場合のルール」が検討項目として掲げられている。
これは、条約適格者であっても、特定のアレンジメントが「条約特典を享受することを主要な目的(principal purposes)とする場合には、この特典を付与しない」とする規定で、「主要目的テスト」と呼ばれているものである。わが国では、2006年の日英租税条約や07年の日仏租税条約などに取り入れられている。