〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第30回】「租税条約における「利得の分配に係る事業年度の終了の日」の取扱いの変更」
前回に取り上げた事案の控訴審判決を受け、国税庁は去る3月30日、租税条約における「利得の分配に係る事業年度終了の日」の取扱いを変更したと聞きましたがその概要を教えてください。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第17回】「ガーンジー島法人所得税の「外国法人税」該当性(地判平18.9.5、高判平19.10.25、最判平21.12.3)(その2)」~法人税法69条1項、法人税法施行令141条1項、2項、3項~
大島訴訟(最判昭和60年3月27日民集39巻2号247頁)では、「租税は、国家が、その課税権に基づき、特別の給付に対する反対給付としてでなく、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、一定の要件に該当するすべての者に課する金銭給付」とされている。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第16回】「ガーンジー島法人所得税の「外国法人税」該当性(地判平18.9.5、高判平19.10.25、最判平21.12.3)(その1)」~法人税法69条1項、法人税法施行令141条1項、2項、3項~
本件は、英国王領チャネル諸島ガーンジー(ガーンジー島)に本店を有し、再保険を業とする法人であるB(Ark Re Ltd. 以下「B社」という)の発行済株式の全てを保有している原告X(損保ジャパン)に対し、所轄税務署長Yが、B社の負担するガーンジー島の法人所得税は法人税法69条1項に規定する「外国法人税」に当たらないため、B社は租税特別措置法(以下「措置法」という)66条の6第1項(タックス・ヘイブン対策税制)所定の特定外国子会社等に該当するとして、同項に規定する課税対象留保金額に相当する金額をXの所得の金額の計算上、益金の額に算入して本件各事業年度の更正処分等をしたことから、これを不服としたXが、その処分等の取消しを求めた事案である。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第15回】「TDK事件(審裁平22.1.27)(その2)」~租税特別措置法66条の4第2項1号二・2号ロ、租税特別措置法施行令39条の12第8項1号、租税特別措置法通達66の4(4)-5(現行66の4(5)-4)~
本件に関して今後の利益分割法の適用を検討する上で参照意義があると思われる各争点について、審判所判断をもとに検討する。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第14回】「TDK事件(審裁平22.1.27)(その1)」~租税特別措置法66条の4第2項1号二・2号ロ、租税特別措置法施行令39条の12第8項1号、租税特別措置法通達66の4(4)-5(現行66の4(5)-4)~
①請求人がA社及びB社に対して最終製品製造用の部品である棚卸資産を販売した国外関連取引、②A社及びB社が当該棚卸資産を用いて製造した棚卸資産(最終製品)を請求人が購入した国外関連取引、並びに③請求人がA社との間で締結した無形資産供与を主眼とする技術移転契約に係る国外関連取引に関して、東京国税局(以下、「原処分庁」という)はこれら国外関連取引の全てを対象とした残余利益分割法を適用し、独立企業間価格を算定し更正処分を行った。これに対して請求人は、国税不服審判所に審査請求を行った。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第29回】「租税条約の配当所得条項の文言に係る解釈手法」
租税条約は英文が正式のものと思われますが、その文言の解釈はどのように行ったらよいのでしょうか。
これからの国際税務 【第36回】「OECDが主導する国際課税ルール改革の現状」
2月にインドで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議は、2つの柱から成る国際課税ルール改革の推進に向けてのコミットメントを確認するとともに、当面の具体的課題として、①第1の柱については、OECD/G20の下にある包摂的枠組(IF)が、残存課題の作業を終了させ、2023年前半までに多国間条約の署名ができるようにすべきこと、②第2の柱のグローバルミニマム税を中心とするGloBEルールについては、GloBE実施細則の公表(2022年12月)を経た国内法化に向けた各国の取り組みを歓迎するとともに、課税条件ルール(STTR)について多国間協定を含む立法化作業を進めるべきこと、を付言した。なお、上記の手順の進捗に際しては、途上国向けの技術支援が不可欠であることも強調している。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第13回】「エスコ事件-移転価格税制における推定課税-(地判平23.12.1、高判平25.3.14)(その2)」~租税特別措置法66条の4第7項(現行6項)~
当時の租特法66条の4第7項に規定する「その各事業年度における国外関連者取引に係る第1項に規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類」の範囲が不明確であると考える。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第12回】「エスコ事件-移転価格税制における推定課税-(地判平23.12.1、高判平25.3.14)(その1)」~租税特別措置法66条の4第7項(現行6項)~
国税当局は平成14年4月頃からXに対する税務調査を実施し、XとDとの取引にBが介在するようになってから購入価格が2倍強に高騰したとの事実を把握した。同年6月以降Xの代表者らに対し価格高騰の理由説明を求めるとともに、Xに対し少なくともBの財務書類につき6回、本件取引の価格算定の根拠となった資料につき4回提示を求めたが、Xはこれらの資料の提示に応じなかった。