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収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第24回】

筆者:泉 絢也

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収益認識会計基準

法人税法22条の2及び関係法令通達論点研究

【第24回】

 

千葉商科大学商経学部講師
泉 絢也

 

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(イ) ➋確定決算収益経理要件
(確定した決算において収益として経理したこと)

法人税法における従来の議論においては、次の3つの意味で確定決算主義という用語が使われてきた(平成8年11月 政府税制調査会「法人課税小委員会報告」第一章の四3参照)。

① 商法(会社法)上の確定決算に基づき課税所得を計算し、申告すること(法人税法74条1項参照)

② 課税所得計算において、決算上、費用又は損失として経理されていること(損金経理)等を要件とすること(法人税法2条25号、31条1項、33条2項など参照)

③ 別段の定めがなければ、「一般に公正妥当な会計処理の基準に従って計算する」こと(法人税法22条4項)

かような従来の議論に落とし込んだ場合、法人税法22条の2第2項は、確定決算主義を採用したものといえよう。

法人税法22条の2第2項は、費用又は損失ではなく収益として経理されていることを要求するものではあるが、資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の引渡日又は役務提供日に近接する日において収益計上する場合、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従ったものであることを要求するとともに、当該近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理することを要求しているからである。


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連載目次

収益認識会計基準と法人税法22条の2及び
関係法令通達の論点研究

(第Ⅰ部 収益認識会計基準の概要)

第Ⅰ部 収益認識会計基準の概要

【第1回】

1 目的と適用範囲

2 基本原則と収益認識ステップ

3 適用時期

参考:消費税等の取扱い(税込経理と税抜経理)

4 適用対象企業

5 第Ⅰ部のまとめ

(第Ⅱ部 法人税法上の収益計上時期・計上額①(概要))

第Ⅱ部 法人税法上の収益計上時期・計上額①(概要)

【第2回】

1 法人税法の改正内容の概観と留意点

(1) 概観

(2) 留意点

2 法人税法施行令の改正内容の概観

【第3回】

3 法人税基本通達等の改正

(1) 国税庁による通達改正の背景等の説明

(2) 通達の整備方針

(3) 通達の内容

4 国税庁による「収益認識基準による場合の取扱いの例」の公表等

5 第Ⅱ部のまとめ

第Ⅲ部 法人税法上の収益計上時期・計上額②(法人税法22条の2の逐条解説)

【第4回】

1 法人税法22条の確認

(1) 法人税法22条1項

(2) 法人税法22条2項

〈更なる検討〉「益金」又は「損金」と純資産増加説

(3) 法人税法22条3項

【第5回】

(4) 法人税法22条4項

ア 法人税法22条4項の規定内容と会計の三重構造

イ 3つの会計の目的の相違

ウ 逆基準性

エ 公正処理基準の意義

(5) 法人税法22条5項

【第6回】

2 法人税法22条2項の考察

(1) 収益の額と別段の定めによる益金算入額・不算入額との関係

(2) 収益の計上時期の問題

【第7回】

〈更なる検討〉「取引」への着目①

〈更なる検討〉「取引」への着目②

【第8回】

(3) 収益の計上額の問題

【第9回】

3 法人税法22条の2第1項の検討

(1) 法人税法22条の2の格納場所(条文配置)からの検討

ア 視点の抽出

イ 視点③を出発点とした考察

ウ 視点①を出発点とした考察

【第10回】

(2) 規定の文言等からの検討

ア 収益の計上時期(時間的帰属)の規範としての顔

イ 「目的物の引渡しの日」と「役務の提供の日」

参考:出荷基準の位置付けに係る国税庁と研究者・実務家との認識のズレ

【第11回】

(3) 法人税法22条2項との比較検討

【第12回】

〈更なる検討〉法人税法22条の2第1項と22条2項の規律範囲・内容の比較

【第13回】

〈更なる検討〉「無償による資産の譲受けその他の取引」を含めていないことの意義(法人税法22条の2第1項との関係)

【第14回】

(4) 法人税法22条の2第2項及び第3項との比較検討

ア 法人税法22条の2第2項及び3項の概要等

イ 引渡・役務提供基準の位置付け

【第15回】

ウ 1項と2項のどちらが原則的な基準か?

エ 申告調整による引渡・役務提供基準の採用

【第16回】

(5) 収益認識会計基準との比較検討

【第17回】

(6) 立案担当者の見解の要旨

ア 法人税法22条の2第1項は「収益の額を益金の額に算入する時期」に関する通則的な定めであること及びかかる定めを設けた趣旨

イ 改正前における収益の益金算入時期の考え方や収益認識会計基準との整合性

ウ 引渡・役務提供基準が着目する側面とその趣旨

【第18回】

エ 法人税法22条の2第1項の「別段の定め」から22条4項を除いた趣旨

〈更なる検討〉法人税法22条の2第1項創設後における22条2項の意義

オ 法人税法22条の2第1項の「別段の定め」の具体例

カ 役務の提供には資産の貸付けが含まれること

キ 収益認識会計基準の適用対象取引と法人税法22条の2第1項の適用対象取引は異なる部分があること

【第19回】

4 法人税法22の2第2項

(1) 規定の文言等からの検討

ア 収益の計上時期(時間的帰属)の規範としての顔

イ 近接日基準の適用要件の整理

【第20回】

ウ 公正処理基準準拠要件

(ア) 「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」の意義や具体的範囲

(イ) 公正処理基準準拠要件の意義

【第21回】

エ 近接日における確定決算収益経理要件

(ア) ➊近接日要件(収益経理した日が目的物の引渡日又は役務提供日と近接した日であること)

《不明確性の根源》

【第22回】

《法人税基本通達が定める近接日基準》

【第23回】

〈更なる検討〉法人税法22条の2第2項と22条4項のいずれを根拠とすべきか

〈更なる検討〉法令用語「その他の」・「その他」と契約効力基準

【第24回】

(イ) ➋確定決算収益経理要件(確定した決算において収益として経理したこと)

参考:確定決算主義

【第25回】

オ 別段の定め不存在要件

(ア) 「別段の定め」の具体的範囲等

【第26回】

(イ) 「別段の定め」から法人税法22条4項が除かれていること

【第27回】

〈更なる検討〉無償による資産の譲渡又は役務の提供に対する法人税法22条の2第2項の適用の可否

【第28回】

(2) 立案担当者の見解の要旨

ア 法人税法22条の2第2項の趣旨

【第29回】

イ 法人税法22条の2第2項の「別段の定め」から22条4項を除いた趣旨及び「別段の定め」の具体例

ウ 法人税法22条の2第2項による収益計上に当たっては継続性が求められること

エ 割賦基準・延払基準による収益計上は別段の定めがない限り、認められないこと

オ 法人税法22条の2第2項にいう「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」は法人税法第22条第4項と同様の範囲であること

【第30回】

5 法人税法22の2第3項

(1) 申告調整を通じた近接日基準による益金算入

【第31回】

(2) 法人税法22条の2第2項を通じた益金算入

【第32回】

(3) 法人税法22条の2第3項の適用要件

【第33回】

〈更なる検討〉法人税法22条の2第3項は、2項が確定決算による収益経理を要請したことの意義を失わせるか

【第34回】

(4) 法人税法22条の2第3項の適用対象となる額

【第35回】

(5) 法人税法22条の2第3項は恣意的な申告調整を認めないものか

【第36回】

(6) 立案担当者の見解の要旨

ア 法人税法22条の2第3項は当初申告における申告調整により近接日基準による収益計上を可能とするものであること

イ 法人税法22条の2第3項により、確定決算による収益認識日を申告調整により他の日(収益認識日)に「変更する」ことはできないこと

ウ 申告調整によって1項が定める引渡日又は役務提供日の益金の額とすることも可能であること

エ 法人税法22条の2第3項を適用する際にも公正処理基準準拠要件の充足が求められること

【第37回】

6 法人税法22の2第4項・5項

(1) 法人税法22条の2第4項の概要

ア 時価による益金算入

イ 適用対象

【第38回】

(2) 法人税法22条の2第5項の概要

ア 貸倒れと買戻しの可能性への対応

イ 法人税法施行令18条の2第4項と貸借対照表項目のズレ

【第39回】

〈更なる検討〉返品調整引当金を廃止した理由

【第40回】

〈更なる検討〉「第七目 引当金」から「第七目 貸倒引当金」への目名改正と引当金損金不算入の根拠を巡る議論

【第41回】

(3) どの時点の時価であるか

ア 資産の販売又は譲渡

【第42回】

イ 役務提供

ウ 法人税法61条の2第1項との比較

【第43回】 12/10公開

(4) 譲渡した資産の「価額」と提供した役務につき「通常得べき対価の額」

【第44回】 12/24公開

〈更なる検討〉「対価の額」とは「時価」ではなく「当事者間で合意した額」か?

・・・  以下、順次公開 ・・・

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筆者紹介

  • 泉 絢也

    (いずみ・じゅんや)

    千葉商科大学商経学部准教授
    博士(会計学)

    千葉商科大学大学院経済学研究科准教授、中央大学商学部非常勤講師、中央大学大学院商学研究科非常勤講師、中央大学ビジネススクール非常勤講師
    国士舘大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。中央大学商学研究科博士課程後期課程修了。

    【著書】
    ・酒井克彦編『キャッチアップ 改正相続法の税務〔令和元年度税制改正対応〕』(ぎょうせい)(共著)
    ・松嶋 隆弘=渡邊涼介編著『仮想通貨はこう変わる!!暗号資産の法律・税務・会計』(ぎょうせい)(共著)
    ・福原竜一編『実務にすぐに役立つ改正債権法・相続法コンパクトガイド』(ぎょうせい)(共著)
    など

    【論文】
    ・「仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の譲渡による所得の譲渡所得該当性-アメリカ連邦所得税におけるキャピタルゲイン及び為替差損益の取扱いを手掛かりとして-」税法学581号3頁以下
    ・「収益認識会計基準公表に伴う法人税法の改正-法人税法22 条の2を巡る『別段の定め』論議を中心として-」千葉商大論叢57巻2号71頁以下
    など

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