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収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第9回】

筆者:泉 絢也

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収益認識会計基準

法人税法22条の2及び関係法令通達論点研究

【第9回】

 

千葉商科大学商経学部講師
泉 絢也

 

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3 法人税法22条の2第1項の検討

以下では、法人税法22条の2第1項について、様々な角度から検討を行ってみたい。規定の内容、位置付け及び趣旨など、種々のものが見えてくるはずである。なお、既述のとおり、更に踏み込んだ考察を要する場合には、「更なる検討」として取り扱うか又は第Ⅳ部において個別論点等として取り上げる。

【参考】法人税法22条の2

第22条の2 内国法人の資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

2 内国法人が、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の前項に規定する日に近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、同項の規定にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

3 内国法人が資産の販売等を行った場合(当該資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って第1項に規定する日又は前項に規定する近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合を除く。)において、当該資産の販売等に係る同項に規定する近接する日の属する事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載があるときは、その額につき当該事業年度の確定した決算において収益として経理したものとみなして、同項の規定を適用する。

4 内国法人の各事業年度の資産の販売等に係る収益の額として第一項又は第二項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、別段の定め(前条第4項を除く。)があるものを除き、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とする。

5 前項の引渡しの時における価額又は通常得べき対価の額は、同項の資産の販売等につき次に掲げる事実が生ずる可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合における価額とする。

一 当該資産の販売等の対価の額に係る金銭債権の貸倒れ

二 当該資産の販売等(資産の販売又は譲渡に限る。)に係る資産の買戻し

6 前各項及び前条第2項の場合には、無償による資産の譲渡に係る収益の額は、金銭以外の資産による利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡しその他これらに類する行為としての資産の譲渡に係る収益の額を含むものとする。

7 前2項に定めるもののほか、資産の販売等に係る収益の額につき修正の経理をした場合の処理その他第1項から第4項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

(1) 法人税法22条の2の格納場所(条文配置)からの検討

ア 視点の抽出

法人税法22条の見出しは「各事業年度の所得の金額の計算」とされていたが、この見出しは、平成30年度税制改正により削除されている(本連載第4回参照)。


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連載目次

収益認識会計基準と法人税法22条の2及び
関係法令通達の論点研究

(第Ⅰ部 収益認識会計基準の概要)

第Ⅰ部 収益認識会計基準の概要

【第1回】

1 目的と適用範囲

2 基本原則と収益認識ステップ

3 適用時期

参考:消費税等の取扱い(税込経理と税抜経理)

4 適用対象企業

5 第Ⅰ部のまとめ

(第Ⅱ部 法人税法上の収益計上時期・計上額①(概要))

第Ⅱ部 法人税法上の収益計上時期・計上額①(概要)

【第2回】

1 法人税法の改正内容の概観と留意点

(1) 概観

(2) 留意点

2 法人税法施行令の改正内容の概観

【第3回】

3 法人税基本通達等の改正

(1) 国税庁による通達改正の背景等の説明

(2) 通達の整備方針

(3) 通達の内容

4 国税庁による「収益認識基準による場合の取扱いの例」の公表等

5 第Ⅱ部のまとめ

第Ⅲ部 法人税法上の収益計上時期・計上額②(法人税法22条の2の逐条解説)

【第4回】

1 法人税法22条の確認

(1) 法人税法22条1項

(2) 法人税法22条2項

〈更なる検討〉「益金」又は「損金」と純資産増加説

(3) 法人税法22条3項

【第5回】

(4) 法人税法22条4項

ア 法人税法22条4項の規定内容と会計の三重構造

イ 3つの会計の目的の相違

ウ 逆基準性

エ 公正処理基準の意義

(5) 法人税法22条5項

【第6回】

2 法人税法22条2項の考察

(1) 収益の額と別段の定めによる益金算入額・不算入額との関係

(2) 収益の計上時期の問題

【第7回】

〈更なる検討〉「取引」への着目①

〈更なる検討〉「取引」への着目②

【第8回】

(3) 収益の計上額の問題

【第9回】

3 法人税法22条の2第1項の検討

(1) 法人税法22条の2の格納場所(条文配置)からの検討

ア 視点の抽出

イ 視点③を出発点とした考察

ウ 視点①を出発点とした考察

【第10回】

(2) 規定の文言等からの検討

ア 収益の計上時期(時間的帰属)の規範としての顔

イ 「目的物の引渡しの日」と「役務の提供の日」

参考:出荷基準の位置付けに係る国税庁と研究者・実務家との認識のズレ

【第11回】 9/5公開

(3) 法人税法22条2項との比較検討

【第12回】 9/19公開

〈更なる検討〉法人税法22条の2第1項と22条2項の規律範囲・内容の比較

【第13回】 10/3公開

〈更なる検討〉「無償による資産の譲受けその他の取引」を含めていないことの意義(法人税法22条の2第1項との関係)

・・・  以下、順次公開 ・・・

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筆者紹介

  • 泉 絢也

    (いずみ・じゅんや)

    千葉商科大学商経学部講師
    博士(会計学)

    千葉商科大学大学院経済学研究科講師、中央大学商学部非常勤講師、中央大学大学院商学研究科非常勤講師。
    国士舘大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。中央大学商学研究科博士課程後期課程修了。

    【著書】
    ・酒井克彦編『キャッチアップ 仮想通貨の最新税務』(ぎょうせい)(共著)
    ・松嶋 隆弘=渡邊涼介編『これ1冊でわかる!仮想通貨をめぐる法律・税務・会計』(ぎょうせい)(共著)

    【論文】
    ・「米国財務省・IRSによる暫定規則の利用と告知コメント手続の回避-租税法領域におけるパブリック・コメント制度の活用-」国士舘法研論集15号21頁以下(第38回日税研究賞奨励賞受賞)
    ・「租税訴訟における立法事実論と行政機関の優位性-ヤフー・IDCF事件における立案担当者の私的鑑定意見書を素材に-」税法学576号23頁以下
    ・「組織再編成に係る租税回避否認規定と実質的同一性(1)・(2・完)」千葉商大論叢56巻1号25頁以下、2号89頁以下
    ・「テクノロジー(暗号通貨・ブロックチェーン・人工知能)の税務行政への活用-VAT逋脱対策とVATCoin構想-」千葉商大論叢56巻3号101頁以下
    など

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