公開日: 2020/03/05 (掲載号:No.359)
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2020年3月期決算における会計処理の留意事項 【第1回】

筆者: 西田 友洋

Ⅱ 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表

 

2020年2月13日にASBJより実務対応報告公開草案第58号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)(以下、「グループ税効果案」という)」が公表された。

令和2年度税制改正において従来の連結納税制度が見直され、グループ通算制度に移行する税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」)(以下「改正法人税法」という)案が第201 回通常国会に提出されている。グループ税効果案では、改正法人税法が成立した場合、グループ通算制度の適用対象となる企業が、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算において、グループ通算制度の適用を前提としてどのように税効果会計を適用するかの取扱いをまとめている。

(1) 適用対象

改正法人税法の成立日の属する事業年度において連結納税制度を適用している企業及び改正法人税法の成立日より後に開始する事業年度から連結納税制度を適用する企業を対象とする(グループ税効果案2)。

(2) 会計処理

改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む)について、グループ通算制度の適用を前提とした税効果会計については、実務対応報告第5号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」に関する必要な改廃が行われるまでの間は、グループ通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目については、決算日において改正法人税法が成立していても改正前の税法の規定に基づき(連結納税制度を前提として)、税効果会計を適用することができる(グループ税効果案3)。つまり、従前どおりに検討し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上することで問題ない。

(3) 注記

繰延税金資産及び繰延税金負債の額について、グループ税効果案の取扱いにより改正前の税法の規定に基づいている旨を注記する(グループ税効果案4)。

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

2020年3月期決算における会計処理の留意事項

【第1回】

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

     はじめに     

3月の決算の時期が近づいてきました。当期も3月の決算にあたり、確認しなければいけない事項があります。そこで、4回にわたり2020年3月期決算における会計処理の留意事項を解説します。
なお、以下では、3月31日を決算日とする会社を前提に解説しています。

-全体構成-

【第1回】(本稿)

Ⅰ 税制改正

Ⅱ 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表

【第2回】 3/12公開

Ⅲ 会社法の改正

Ⅳ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正

Ⅴ 監査上の主要な事項(KAM)

【第3回】 3/19公開

Ⅵ 企業結合会計基準等の改正

Ⅶ 在外子会社等の会計処理の改正

Ⅷ 時価の算定に関する会計基準等の公表

Ⅸ 収益認識基準の早期適用

【第4回】 3/26公開

Ⅹ 金融庁の平成30年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項

Ⅺ 今後の会計基準の改正

 

Ⅰ 税制改正

 

平成31年度税制改正及び令和2年度税制改正大綱(以下、「税制改正大綱」という)のうち、会計処理等において留意すべき改正点としては、以下が挙げられる。

《留意すべき改正点》

1 税率

2 租税特別措置法における「大規模法人」の範囲の改正

3 連結納税制度からグループ通算制度への移行

4 単体納税制度の見直し

5 交際費等の損金不算入制度、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の延長

6 国際的なM&Aを利用した租税回避防止

7 消費税の申告期限の特例

8 電子帳簿等保存制度の見直し

(注) なお、本解説では、平成31年度税制改正等及び税制改正大綱のうち、会計処理等において留意すべき改正点のみを解説しているため、全てを解説しているわけではない。

1 税率

今回の税制改正大綱において、税率の改正は予定されていない。ただし、平成31年度税制改正等において、以下の改正が行われている。

適用は、2019年10月1日以後に開始する事業年度からである。

(1) 地方法人特別税の廃止

(2) 特別法人事業税の創設

(1) 地方法人特別税の廃止

① 資本金の額1億円超で、年800万円超の所得の場合

事業税(標準税率) 0.7% 3.6% 1.0% 地方法人特別税 414.2%

また、資本金1億円超の普通法人の所得割の制限税率は、標準税率の1.2倍から1.7倍に引き上げられる。

② 資本金の額1億円以下で、年800万円超の所得の場合

2020年3月期 2021年3月期(改正前) 2021年3月期(改正後)

(2) 特別法人事業税の創設

法人事業税の一部を分離して、「特別法人事業税」が創設される。その分、法人事業税の税率が引き下げられる。結果として、「改正前の法人事業税の税率」と「改正後の法人事業税と特別法人事業税の税率の合計」は同じである。

また、特別法人事業税は国税であるが、申告納付は法人事業税と併せて行う。そして、特別法人事業税の課税標準は法人事業税額(標準税率により計算された所得割額)である。

特別法人事業税 外形標準課税適用法人 外形標準課税不適用法人

◆ ◇ 会計上の論点 ◇ ◆

地方法人課税の偏在是正のための改正であるため、法定実効税率に変更はない(注)
具体的な税率は、下記の設例①②を参照されたい。

(注) なお、今後、各地方公共団体で超過税率が改正された場合、法定実効税率が変わる可能性がある。

設例①

当社は、東京都に本社があり、外形標準課税適用法人である。
また、税率は以下のとおりである。

 2019年3月期 2020年3月期 "2021年3月期 (改正前)" "2021年3月期 (改正後)" 法人税 23.2% 23.2% 23.2% 23.2% 地方法人税 4.4% 4.4% 10.3% 10.3% 法人住民税率 16.3% 16.3% 10.4% 10.4% 事業税(超過税率) 0.88% 0.88% 3.78% 1.18% 事業税(標準税率) 0.7% 0.7% 3.6% 1.0% 地方法人特別税又は特別法人事業税 414.20% 414.20% - 260%

(※) ここでは、標準税率1.0%+改正前の超過税率と標準税率の差分0.18%(=3.78%-3.6%)=1.18%で計算している(企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」48(2)②イ、49(1)参照)。

法定実効税率 2019年3月期 2020年3月期 "2021年3月期 (改正前)" "2021年3月期 (改正後)" 全体 30.62% 30.62% 30.62% 30.62% ←改正前と改正後で同じ。 法人税部分 23.34% 23.34% 24.66% 24.66% ←改正前と改正後で同じ。 事業税部分 3.64% 3.64% 3.64% 3.64% ←改正前と改正後で同じ。 住民税部分 3.64% 3.64% 2.32% 2.32% ←改正前と改正後で同じ。

設例②

当社は、東京都に本社があり、外形標準課税適用外法人である。
また、税率は以下のとおりである。
 2019年3月期 2020年3月期 "2021年3月期 (改正前)" "2021年3月期 (改正後)" 法人税 23.2% 23.2% 23.2% 23.2% 地方法人税 4.4% 4.4% 10.3% 10.3% 法人住民税率 16.3% 16.3% 10.4% 10.4% 事業税(超過税率) 7.18% 7.18% 10.08% 7.48% 事業税(標準税率) 6.7% 6.7% 9.6% 7.0% 地方法人特別税又は特別法人事業税 43.2% 43.2% - 37%

(※) ここでは、標準税率7.0%+改正前の超過税率と標準税率の差分0.48%(=10.08%-9.6%)=7.48%で計算している(企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」48(2)②イ、49(1)参照)。

法定実効税率 2019年3月期 2020年3月期 "2021年3月期 (改正前)" "2021年3月期 (改正後)" 全体 34.59% 34.59% 34.60% 34.59% ←改正前と改正後で差異があるが、上記(※)の計算方法による影響であり、実質的には、変更はない。 法人税部分 22.00% 22.00% 23.25% 23.25% ←改正前と改正後で同じ。 事業税部分 9.15% 9.15% 9.16% 9.15% ←改正前と改正後で差異があるが、上記(※)の計算方法による影響であり、実質的には、変更はない。 住民税部分 3.44% 3.44% 2.19% 2.19% ←改正前と改正後で同じ。

 

2 租税特別措置法における「みなし大企業」の範囲の改正

(1) 租税特別措置法における「みなし大企業」

租税特別措置法における中小企業者とは、以下の又はの法人である(租税特別措置法42の4⑧七、租税特別措置法施行令27の4⑫)。

 資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下の法人のうち以下の(ⅰ)及び(ⅱ)の法人以外の法人

(ⅰ) その発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上が同一の「大規模法人」に所有されている法人

(ⅱ) 上記(ⅰ)のほか、その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上が複数の「大規模法人」により所有されている法人

 資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

上記のうち、①(ⅰ)及び(ⅱ)が「みなし大企業」に該当する。

(2) 「大規模法人」範囲の改正

平成31年度税制改正において、「大規模法人」の対象が以下のように2つ増えている。

増えたことにより、「みなし大企業」に該当するケースが増える。そのため、「中小企業者」に該当せず、税務上の恩典が受けられなくなるケースが増えることになる。

改正前 改正後 ➢ その発行済株式又は出資の総数又は総 額の2分の1以上 が同一の「大規模 法 人」の所有に属している法人 ➢ 上記のほか、その発行済株式又は出資 の総数又は総額の3分の2 以上 が「大 規模法人」の所有に属している法人 ➢ その発行済株式又は出資の総数又は総 額の2分の1以上が同一の「大規模法 人」の所有に属している法人 ➢ 上記のほか、その発行済株式又は出資 の総数又は総額の3分の2 以上 が「大 規模法人」の所有に属している法人 ➢ 大法人 注 の 100 子法人 ➢ 100 グループ内の複数の大法人に発 行済株式又は出資の全部を保有されて いる法人

(注) 「大法人」とは、資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人、相互会社もしくは外国相互会社(常時使用従業員数が1,000人超のものに限る)又は受託法人をいう。

また、大規模法人の判定にあたっての自己株式の取扱いも改正されている。

改正前 改正後 ➢ 発行済株式又は出資から、その有する 自己株式又は出資を除外しない。 ➢ 発行済株式又は出資から、その有する 自己株式又は出資を 除外する 。

大法人 中小企業者に該当するか 改正前 改正後 子法人(資本金1億円以下) × × 孫法人(資本金1億円以下)

(3) 適用時期

2019年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。なお、中小企業者に該当するかどうかの判定時点は、各税制により異なるので留意が必要である。

 

3 連結納税制度からグループ通算制度への移行

連結納税制度は、企業グループの各法人を納税主体とするのではなく、グループ全体で1つの納税主体とするものである。しかし、連結納税制度は、企業グループ内の損益を通算できるメリットがある一方で、税額計算が煩雑であったり、どこか1つの法人で誤りがあった場合、グループ全体で税金を再計算しないといけないなど、デメリットもある。そのため、より使いやすくするために、税制改正大綱では企業グループ内の損益通算は残しつつ、各社ごとに申告及び納税する「グループ通算制度」へ移行する改正が行われている。

(1) 適用関係等

連結納税制度とグループ通算制度の適用関係等の主な相違点は、以下のとおりである。

連結納税制度 グループ通算制度 適用法人 内国法人である親法人と完全支配関係のある全ての子法人(外国法人等を除く) 同左 ただし、以下の法人は除く。 ① 青色申告の承認の取消しの通知を受けた日から同日以後5年を経過する日の属する事業年度終了の日までの期間を経過していない法人 ② 青色申告の取りやめの届出書の提出をした日から同日以後1年を経過する日の属する事業年度終了の日までの期間を経過していない法人 納税主体 親法人がまとめて申告を行う。(一体申告方式) 各法人が個別に申告を行う。(個別申告方式) 事業年度 親法人の事業年度に統一する。 親法人の事業年度に統一する。 適用方法 承認申請による選択性 同左 申請期限 原則:適用を開始しようとする事業年度開始の日の3ヶ月前の日 特例:以下の特例がある。 ① 連結親法人となる法人の設立事業年度が連結納税を開始しようとする事業年度(以下「連結申請特例年度」という)である場合には、設立事業年度開始の日から1ヶ月を経過する日とその設立事業年度終了の日から2ヶ月前の日とのいずれか早い日 ② 設立事業年度の翌事業年度が連結申請特例年度である場合には、その設立事業年度終了の日とその翌事業年度終了の日から2ヶ月前の日とのいずれか早い日 同左 ただし、以下に該当する場合は、親法人の設立事業年度の翌事業年度からグループ通算制度を適用しようとする場合の承認申請期限の特例(左記②)を適用できない。  親法人がその資産の時価評価による評価損益を計上する必要がある場合及び設立事業年度が3ヶ月以上の場合 連帯納付責任 あり 同左 青色申告 制度の対象外  グループ通算制度の承認を受けた場合、青色申告の承認を受けたとみなされる。  青色申告の承認を取り消された場合には、グループ通算制度の承認の効力を失う。 電子申告 連結親法人の資本金の額等が1億円超の場合:2020年4月1日以後に開始する事業年度から必須 上記以外の法人:任意 (会社の規模に関わらず)必須 税務調査後の修正申告及び更正・決定(修正・更正) 連結グループ内のある法人で誤りがあった場合、連結グループ全体で再計算を行う。 原則、企業グループ内のある法人で誤りがあった場合、誤りがなかった法人の申告額は、当初申告額に固定する。誤りがない法人の所得金額及び法人税額の計算に反映させない。 ⇒これにより、事務負担は軽減される。 ただし、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるとき(※1)は、税務署長はプロラタ方式(※2)で全体を再計算することができる。

(※1) 欠損金の繰越期間に対する制限を潜脱するため又は離脱法人に欠損金を帰属させるためあえて誤った当初申告を行う場合など。

(※2) プロラタ方式とは、以下の計算のことをいう。欠損法人の欠損金額の合計額(所得法人の所得の金額の合計額を限度)を所得法人の所得の金額の比で配分し、所得法人において損金算入する。そして、この損金算入された金額の合計額を欠損法人の欠損金額の比で配分し、欠損法人において益金算入する。

連結納税制度(現行制度) 親会社 子会社A 子会社B 税務 当局 所得と所得 又は 所得と欠損 を通算 法人税額の調整 グループ通算制度(見直し後)※ 申告・納税 申告・納税 申告・納税

(出所:経済産業省「令和2年度(2020年度)経済産業関係 税制改正についてP.16

(2) 時価評価

グループ通算制度においても、時価評価は行われる。連結納税制度とグループ通算制度における相違点は、以下のとおりである。

連結納税制度 グループ通算制度 時価評価対象資産 固定資産、土地等、有価証券、金銭債権及び繰延資産で以下以外のものをいう。 ① 前5年内事業年度等において、一定の圧縮記帳等の適用を受けた減価償却資産 ② 売買目的有価証券、償還有価証券 ③ 帳簿価額が1,000万円未満の資産 ④ 資産の含み損益がその連結子法人の資本金等の額の1/2又は1,000万円のいずれか少ない金額に満たないもの ⑤ 連結子法人となる法人との間に完全支配関係がある清算中等の内国法人等の株式等で含み損があるもの ⑥ 完全支配関係を有することとなってから2ヶ月以内に離脱した連結子法人の保有資産(事業年度をまたいでの離脱を除く) ⑦ 連結納税の開始日に以下の合併により離脱する連結子法人の保有資産  連結子法人を被合併法人とする合併で、連結グループ外に移転する場合  連結子法人を合併法人とする合併で、連結親法人との間に完全支配関係がなくなる場合 同左 親法人 時価評価不要  いずれかの子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる親法人は時価評価不要  全ての子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれない親法人は、時価評価の対象 子法人(制度開始時) 以下のいずれかに該当する子法人(特定連結子法人)は、時価評価の対象外 ① 親法人が連結納税開始日の5年前の日以降に株式移転により設立された法人で、その親法人と完全支配関係がある子法人 ② 親法人との完全支配関係が5年超継続している子法人 ③ 連結グループ内の法人が連結納税開始日の5年前の日以降に完全支配関係がある他の法人を設立した場合のその他の法人 ④ 連結納税開始日の5年前の日以降に適格株式交換等が行われた場合の株式交換等完全子法人 ⑤ 連結納税開始日の5年前の日以降に適格合併等を行った際の被合併法人等が、連結納税開始日の5年前の日から、被合併法人等による完全支配関係が継続している子法人 ⑥ 連結納税開始日の5年前の日以降に単元未満株式の買取り等により親法人と完全支配関係を有することとなった子法人  親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる子法人は、時価評価の対象外  親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれない子法人は、時価評価の対象 子法人(グループ加入時) 以下のいずれかに該当する子法人(特定連結子法人)は、時価評価の対象外で、それ以外の子法人は時価評価の対象 ① 連結グループ内の法人により設立された完全支配関係がある子法人 ② 適格株式交換等により法人の発行済株式の全部を有することとなった場合のその子法人 ③ 適格合併等に係る被合併法人等との間に、その被合併法人等による完全支配関係が適格合併等の5年前の日からあった子法人 ④ 単元未満株式の買取り等により親法人による完全支配関係を有することとなった子法人 ① 適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人 ② 通算グループ内の新設法人 ③ 適格組織再編成と同様の要件として以下の要件(加入の直前に支配関係がある場合には、aからcまでの要件)の全てに該当する法人 a.親法人との間の完全支配関係の継続要件 b.当該法人の従業者継続要件 c.当該法人の主要事業継続要件 d.当該法人の主要な事業と通算グループ内 のいずれかの法人の事業との事業関連性要 件 e.上記dの各事業の事業規模比5倍以内要 件又は当該法人の特定役員継続要件

(3) 開始前の欠損金・含み損等

制度開始前の欠損金と含み損等の連結納税制度とグループ通算制度における相違点は、以下のとおりである。

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完全支配関係の継続性 欠損金 含み損等の制限(※3) いずれかの子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる親法人 以下の欠損金を除き、特定欠損金(その法人の個別所得の金額を限度として控除できる欠損金)として扱う。支配関係発生後に新たな事業を開始した場合の以下の欠損金a. 支配関係発生前に生じた欠損金b. 支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損からなる欠損金 (ⅰ) 全ての子法人との支配関係が開始前5年以内で、共同事業性なしの場合は、以下の(a)~(c)に応じて判断 (a) 原価及び費用の額の合計額のうちに占める損金算入される減価償却費の額の割合が30%を超える場合:通算グループ内で生じた欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。 (b) 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合:支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする。 (c) 上記以外の場合、支配関係発生前から有する資産の実現損からなる欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。(ⅱ) 上記(ⅰ)以外制限なし。 全ての子法人との間に完全支配関係の継続が見込まれない親法人 開始前の欠損金は切り捨て 制限なし。 親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれる子法人 以下の欠損金を除き、特定欠損金として扱う。全ての子法人との支配関係が開始前5年以内で、共同事業性(※2)がなく、支配関係発生後に新たな事業を開始した場合の以下の欠損金(ⅰ) 支配関係発生前に生じた欠損金(ⅱ) 支配関係発生前から有する資産の開始後の実現損からなる欠損金 (ⅰ) 全ての子法人との支配関係が開始前5年以内で、共同事業性(※2)がない場合は、以下の(a)~(c)に応じて判断 (a) 原価及び費用の額の合計額のうちに占める損金算入される減価償却費の額の割合が30%を超える場合:通算グループ内で生じた欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。 (b) 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合:支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする。 (c) 上記以外の場合、支配関係発生前から有する資産の実現損からなる欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。(ⅱ) 上記(ⅰ)以外制限なし。 親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれない子法人 開始前の欠損金は切り捨てる。 制限なし。 子法人 時価評価の対象外の子法人(※1)の欠損金は、特定連結欠損金額となり、個別所得を上限に控除できる。 グループ通算制度 連結納税制度 切り捨てなし。連結所得金額から控除できる。

(※1) 連結親法人を設立した株式移転に係る完全子法人で、その株式移転の直前に他の法人により50%超保有されておらず、また、株式移転後連結親法人によって継続して100%直接保有されている子法人の欠損金は、原則として、特定連結欠損金ではなく、連結欠損金として親会社と同様に連結所得から控除できる。

(※2) 制度開始直前に親法人との間(親法人の場合は子法人との間)に支配関係がある法人で以下の要件の全てに該当する法人

a.当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件

b.上記aの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件

c.当該法人の上記aの主要な事業の事業規模拡大2倍以内要件又は特定役員継続要件

(※3) 支配関係発生から5年経過日と開始又は加入から3年経過日とのいずれか早い日まで制限される。

(4) グループ加入時の欠損金・含み損等

グループ加入時の欠損金と含み損等の連結納税制度とグループ通算制度における相違点は、以下のとおりである。

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時価評価の対象 欠損金 含み損等の制限(※3) 時価評価対象外の子法人 以下の欠損金を除き、特定欠損金として扱う。全ての子法人との支配関係が加入前5年以内で、共同事業性(※4)がなく、支配関係発生後に新たな事業を開始した場合の以下の欠損金(ⅰ) 支配関係発生前に生じた欠損金(ⅱ) 支配関係発生前から有する資産の開始後の実現損からなる欠損金 (ⅰ) 全ての子法人との支配関係が加入前5年以内で、共同事業性(※4)がない場合は、以下の(a)~(c)に応じて判断(a) 原価及び費用の額の合計額のうちに占める損金算入される減価償却費の額の割合が30%を超える場合:通算グループ内で生じた欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。(b) 支配関係発生後に新たな事業を開始した場合:支配関係発生前から有する資産の開始・加入後の実現損を損金不算入とする。(c) 上記以外の場合、支配関係発生前から有する資産の実現損からなる欠損金について、損益通算の対象外とした上で、特定欠損金とする。(ⅱ) 上記(ⅰ)以外制限なし。 時価評価対象の子法人 加入前の欠損金は切り捨てる。 制限なし。 連結納税制度 グループ通算制度

(※4) 通算グループ内のいずれかの法人と共同事業を行う法人として、以下に該当する法人

(イ) 加入の直前に親法人との間に支配関係がない法人で以下に該当する法人

a.親法人との間の完全支配関係の継続要件

b.当該法人の従業者継続要件

c.当該法人の主要事業継続要件

d.当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件

e.上記dの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件

(ロ) 加入の直前に親法人との間に支配関係がある法人で以下の要件の全てに該当する法人

a.当該法人の主要な事業と通算グループ内のいずれかの法人の事業との事業関連性要件

b.上記aの各事業の事業規模比5倍以内要件又は当該法人の特定役員継続要件

c.当該法人の上記aの主要な事業の事業規模拡大2倍以内要件又は特定役員継続要件

(ハ) 非適格株式交換等により加入した株式交換等完全子法人で共同で事業を行うための適格株式交換等の要件のうち対価要件以外の要件に該当する法人

(5) 所得金額及び法人税額の計算

所得金額及び法人税額の計算の連結納税制度とグループ通算制度における相違点は、以下のとおりである。

連結納税制度 グループ通算制度 所得計算 連結グループ内の単体所得金額の合計に一定の調整を行い、連結所得金額を算定する。 グループ要素を反映した一定の調整を行い、単体所得金額を算定する。 損益通算 - 欠損法人の欠損金額の合計額(所得法人の所得の金額の合計額を限度)を所得法人の所得の金額の比率で配分し、所得法人において損金算入する。 この損金算入された金額の合計額を欠損法人の欠損金額の比率で配分し、欠損法人において益金算入する。 繰越欠損金の控除限度額 以下の①及び②の金額の合計額を連結所得金額から控除する。 ① 以下のいずれか少ない金額 (ⅰ) 特定連結欠損金個別帰属額 (ⅱ) 控除対象個別所得金額 ② 以下のいずれか少ない金額 (ⅰ) 特定連結欠損金以外の連結 欠損金額 (ⅱ) 欠損金の控除前の連結所得 金額×50%(親法人が中小法人 等の場合は100%) 各法人の欠損金の繰越控除前の所得金額×50%(グループ内法人が全て中小法人等の場合は100%) ⇒親法人、子法人ともに特定欠損金は、各法人の 所得を限度に控除する。(SPLYルール) (注) 連結納税制度における特定連結欠損金 個別帰属額は、グループ通算制度における 特定欠損金額とみなす。一方、連結納税制度 における親会社の欠損金(非特定連結欠損 金)は、グループ通算制度への移行後も特定 欠損金に該当しないため、通算グループ内 の他の法人の所得金額と通算することがで きる。 受取配当等の益金不算入 ① 株式区分の判定 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するか否かの判定は、連結グループ内の各法人の保有株式数等を合算して行う。 ② 負債利子控除額 関連法人株式等に係る負債利子控除額は、連結グループの数値に基づいて、原則法又は簡便法で計算する。 ③ 短期保有株式等の判定 連結グループの保有状況により判定を行う。 ① 株式区分の判定 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するかどうかの判定については、100%グループ内の法人全体の保有株式数等により行う。 ② 負債利子控除額 関連法人株式等に係る負債利子控除額は、関連法人株式等に係る配当等の額の4%(その事業年度において支払う負債利子の額の10%を上限) ③ 短期保有株式等の判定 各法人の保有状況ごとに判定を行う。 寄附金の損金不算入 寄附金の損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額について親法人の税務上の「資本金等の額」とする。 寄附金の損金不算入額は、連結グループ全体で一体として計算する。 寄附金の損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額について、会計上の「資本金の額」及び「資本準備金の額」の合計額とする。 寄附金の損金不算入額は、各法人において計算する。 所得税額控除 連結グループ全体で一体として計算する。 各法人において計算する。 外国税額控除 控除限度額は、連結グループ全体の法人税額、所得金額及び国外所得金額を基礎として計算する。 同左 ただし、以下の措置がある。 ① 通算グループ内の各法人の当期の外国税額控除額が期限内申告書に記載された外国税額控除額と異なる場合には、期限内申告書に記載された外国税額控除額を当期の外国税額控除額とみなす。 ② 当期の外国税額控除額と期限内申告書に記載された外国税額控除額との過不足額は、進行年度の外国税額控除額又は法人税額においてその調整を行う。 ③ 通算グループ内の各法人が外国税額控除額の計算の基礎となる事実を隠蔽又は仮装して外国税額控除額を増加させること等により法人税の負担を減少させようとする場合には、上記①及び②は適用しない。 特定同族会社の特別税率(留保金課税) 特定同族会社の判定は、親法人について行う。 所得金額、利益積立金額は連結ベースで計算する。 連結グループ内の受取配当及び支払配当は、連結留保金額の計算から除かれる。 各法人ごとに計算する。ただし、以下の調整を行う。 ① 留保金額の基礎となる所得の金額は、損益通算後の所得の金額とする。 ② 所得基準の基礎となる所得の金額は、損益通算前の所得の金額とする。 ③ 留保金額の計算上、通算グループ内の法人間の受取配当及び支払配当はなかったものとした上、通算グループ外の者に対する配当の額として留保金額から控除される金額は、(ⅰ)に掲げる金額を(ⅱ)に掲げる金額の比で配分した金額と(ⅲ)に掲げる金額との合計額とする。 (ⅰ) 各法人の通算グループ外の者に対する配当の額のうち通算グループ内の他の法人から受けた配当の額に達するまでの金額の合計額 (ⅱ) 通算グループ内の他の法人に対する配当の額から通算グループ内の他の法人から受けた配当の額を控除した金額 (ⅲ) 通算グループ外の者に対する配当の額が通算グループ内の他の法人から受けた配当の額を超える部分の金額 研究開発税制 税額控除可能額(※5)は、連結グループ全体で計算した金額を各法人ごとの個別控除相当額の比率で配分する。 通算グループを一体として計算した税額控除可能額(※5)を各法人の調整前法人税額の比率で配分した金額を各法人の税額控除限度額とする。 その他の特別税額控除制度 連結グループ全体で一体として計算する。 各法人の法人税額の一定額を限度とする。 過大支払利子税制 損金不算入額は、連結グループ全体で一体として計算する。 損金不算入額は、各法人において計算する。 適用税率 親法人の資本金の額により決定される。 各法人の資本金の額により決定される。 中小法人の軽減税率の適用対象所得金額は、年800万円を所得法人の所得の金額の比率で配分した金額とする。 税効果相当額の授受 連結グループ内で税額の精算を行う場合、その受払額は益金の額及び損金の額に算入しない。 内国法人が他の内国法人との間で通算税効果額(※6)を授受する場合には、その授受する金額は、益金の額及び損金の額に算入しない。 ⇒連結納税制度と変わりはない。

(※5) 税額控除限度額と控除上限額とのいずれか少ない金額

(※6) 「通算税効果額」とは、グループ通算制度を適用することにより減少する法人税及び地方法人税の額に相当する金額として内国法人間で授受される金額をいう。

〈連結納税の計算イメージ図〉

額 (配 分 額) (配 分 額) (配 分 額) 配 分 額 配 分 額 配 分 額 ○所得税額控除 ○外国税額控除 ○試験研究を行った場合の 税額控除等 配分額配分額配分額 連結税額調整① 連結税額調整① 連結税額調整① ○中小企業投資促進税制の 税額控除等 連結税額調整② 連結所得調整② ○寄附金 ○交際費等 (配分額) (配分額) (配分額) (配分額) (配分額) (配分額) 連結所得金額○連結欠損金額の繰越控除 調整前連結税額

〈グループ通算制度の計算イメージ図〉

所得金額所得金額所得金額 調整前法人税額調整前法人税額調整前法人税額 税額調整 法人税額法人税額法人税額 グループ要素を反映したも ので、他の法人の数値を利 用するもの

(出所:第24回 税制調査会(2019年8月27日)【総24-2】説明資料(連結納税制度の見直しについて)P.7

(6) その他

その他の連結納税制度とグループ通算制度における相違点は、以下のとおりである。

中小法人(※7)の判定 親法人の期末の資本金の額により判定する。 通算グループ内のいずれかの法人が中小法人(※7)に該当しない場合には、通算グループ内の全ての法人が中小法人に該当しない。 投資簿価修正 (省略) ① 通算グループ内の子法人株式の評価損益及び通算グループ内の他の法人に対する譲渡損益を計上しない。 ② 通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価額を離脱法人の簿価純資産価額に相当する金額とする。 ③ グループ通算制度の適用開始又は通算グループへの加入をする子法人で親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれないものの株式について、株主において時価評価により評価損益を計上する。 (注) グループ通算制度の適用開始又は通算 グループへの加入後損益通算をせずに2ヶ 月以内に通算グループから離脱する法人に ついては、上記①から③までを適用しない。

(※7) 期末資本金の額が1億円以下の普通法人(資本金の額が5憶円超の法人である大法人に株式の100%を直接又は間接に所有されている場合における子法人等を除く)をいう。

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

【設例①:グループ全体で所得がプラスとなる場合(前期末に繰越欠損金はない)】 《連結納税制度》 《グループ通算制度》 親法人 子法人A 子法人B 合計 親法人 子法人A 子法人B 合計 個別所得金額 5,000 3,000 -2,000 6,000 個別所得金額 5,000 3,000 -2,000 6,000 損益通算(*1) -1,250 -750 2,000 0 ←欠損金を所得法人に配分し、その分、所得を欠損法人に配分する。 所得金額(*1) 5,000 3,000 -2,000 6,000 所得金額 3,750 2,250 0 6,000 税率 23.2% 23.2% 23.2% 税率 23.2% 23.2% 23.2% 税額 1,160 696 -464 1,392 税額 870 522 0 1,392 (*1) 子法人B△2,000×親法人5,000÷(親法人5,000+子法人B3,000)=△1,250 子法人B△2,000×親法人3,000÷(親法人5,000+子法人B3,000)=△750 【設例②:グループ全体で所得がマイナスとなる場合(前期末に繰越欠損金はない)】 《連結納税制度》 《グループ通算制度》 親法人 子法人A 子法人B 合計 親法人 子法人A 子法人B 合計 個別所得金額 2,000 -2,000 -2,000 -2,000 個別所得金額 2,000 -2,000 -2,000 -2,000 連結欠損金(*3) 0 1,000 1,000 2,000 損益通算(*4) -2,000 1,000 1,000 0 ←欠損金を所得法人に配分し、その分、所得を欠損法人に配分する。 所得金額 2,000 -1,000 -1,000 0 所得金額 0 -1,000 -1,000 -2,000 税率 23.2% 23.2% 23.2% 税率 23.2% 23.2% 23.2% 税額(*2) 464 -232 -232 0 税額 0 0 0 0 ←所得が黒字の法人はないため、税額は発生しない。 当期末繰越欠損金(*3) 1,000 1,000 2,000 当期末繰越欠損金 0 1,000 1,000 2,000 (*2) 親法人は子法人Aと子法人Bの税額の合計 (*4) 子法人A:親法人2,000×子法人A△2,000÷(子法人A△2,000+子法人B△2,000)=1,000 子法人A△2,000×23.2%=△232 子法人B:親法人2,000×子法人B△2,000÷(子法人A△2,000+子法人B△2,000)=1,000 子法人B△2,000×23.2%=△232 (*3) 連結合計△2,000×子法人A△2,000/(子法人A△2,000+子法人B(△2,000)=1,000 連結合計△2,000×子法人B△2,000/(子法人A△2,000+子法人B(△2,000)=1,000

(7) 適用時期

グループ通算制度は、2022年4月1日以後開始する事業年度から適用する。

連結納税制度の承認は、2022年4月1日以後に開始する事業年度においては、グループ通算制度の承認とみなす。

連結法人は、連結親法人が2022年4月1日以後最初に開始する事業年度開始の日の前日までに税務署長に届出書を提出することにより、グループ通算制度を適用しない単体納税法人となることができる。

◆ ◇ 会計上の論点 ◇ ◆

グループ通算制度では、親会社の欠損金の利用が個別の所得を限度とするため、繰延税金資産の計上額に影響する可能性がある。

また、税制改正が期末までに行われた場合、税効果の計上は、改正後の税法に基づいて行う必要がある。グループ通算制度に改正された場合の税効果の取扱いについては、下記「Ⅱ「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表」を参照されたい。

 

4 単体納税制度の見直し

グループ通算制度の移行に合わせて、単体納税制度も見直しが行われている。

 現行 グループ法人税制 受取配当等の益金不算入 ① 株式区分の判定 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するかどうかの判定を各法人の保有株式数等により行う。 ② 負債利子控除額 関連法人株式等に係る負債利子控除額は、各法人の数値に基づいて、原則法又は簡便法で計算する。 ① 株式区分の判定 関連法人株式等又は非支配目的株式等に該当するかどうかの判定は、100%グループ内の法人全体の保有株式数等により行う。 ② 負債利子控除額 関連法人株式等に係る負債利子控除額は、関連法人株式等に係る配当等の額の4%(その事業年度において支払う負債利子の額の10%を上限) 寄附金の損金不算入 寄附金の損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額について、親法人の税務上の「資本金等の額」とする。 寄附金の損金算入限度額の計算の基礎となる資本金等の額について、会計上の「資本金の額」及び「資本準備金の額」の合計額とする。 貸倒引当金 一括評価金銭債権には、100%グループ内の法人間の金銭債権も含める。 一括評価金銭債権には、100%グループ内の法人間の金銭債権は除く。

 

5 交際費等の損金不算入制度、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の延長

税制改正大綱では、交際費等の損金不算入制度及び少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例が延長されている。

(1) 交際費等の損金不算入制度

交際費等の損金不算入制度の適用期限が2年延長され、2022年3月31日までとなる。また、接待飲食費の50%の損金算入の特例及び中小法人の定額控除限度額(800万円/年)までの損金算入の特例の適用期限も2年延長され、2022年3月31日までとなる。

なお、接待飲食費に係る損金算入の特例の対象法人から、資本金の額等が100憶円を超える法人が除外される。

(2) 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業者等が少額減価償却資産(取得価額300万円未満)を取得した場合に、1事業年度当たり300万円まで取得価額の全額を損金算入することができる特例が2年延長され、2022年3月31日までとなる。

ただし、対象法人について、以下の見直しも行われる。

 対象法人から連結法人を除外する。

 対象法人の要件のうち常時使用する従業員の数の要件を1,000人以下から500 人以下に引き下げる。

 

6 国際的なM&Aを利用した租税回避防止

子会社が配当を行うとその分、純資産が減少し、子会社株式の時価は低下するが、簿価は変動しない。そして、配当後に第三者に譲渡すると、売却損を損金算入できる場合がある。一方、受領した配当は親会社で益金不算入となり課税されない。

そのため、現在では、子会社の配当後に子会社株式を第三者に譲渡することによる過度な節税対策が行われている。そのため、税制改正大綱では、子会社からの配当と子会社株式の譲渡を組み合わせた租税回避への対応のための見直しが行われた。

(1) 株式等の帳簿価額の引下げ

法人が、特定関係子法人(※1)から受ける配当等の額(その事業年度開始の日からその受ける直前までにその特定関係子法人から受ける配当等の額を含む。以下「対象配当金額」という)が株式等の帳簿価額の10%超の場合、その対象配当金額のうち益金不算入相当額を、その株式等の帳簿価額から引き下げる。

(※1) 「特定関係子法人」とは、配当等の決議の日(以下「配当決議日」という)において特定支配関係(※2)を有する他の法人をいう。

(※2) 「特定支配関係」とは、一の者(一の者と特殊の関係のある者を含む)が他の法人の株式等又は一定の議決権の数等の50%超を直接又は間接に有する場合における当該一の者と他の法人との関係等をいう。

(2) 適用対象

以下の対象配当金額は、適用対象外となる。

 内国普通法人である特定関係子法人の設立日から特定支配関係発生日(法人との間に特定支配関係を有することとなった日)までの間において、その発行済株式の総数等の90%以上を内国普通法人等又は居住者が有する場合の対象配当金額

 内国普通法人等が90%以上 内国普通法人等が90%未満 国内子会社 適用対象外 適用対象 海外子会社 適用対象 適用対象

 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)の場合

(ⅰ)配当決議日の属する特定関係子法人の事業年度開始の日における当該特定関係子法人の利益剰余金の額

(ⅱ)当該開始の日からその配当等を受ける日までの間に特定関係子法人の株主が受ける配当等の総額

(ⅲ)特定支配関係発生日の属する特定関係子法人の事業年度開始の日における利益剰余金の額に一定の調整を加えた金額

 特定支配関係発生日から10 年を経過した日以後に受ける配当等の額

 対象配当金額が2,000 万円以下

(3) 適用時期

税制改正大綱では、適用時期は、記載されていない。

法人 配当後 譲渡損を創出 ① 買 収 ② 配 当 子会社 買収時の 利益剰余金 子会社 配当の分 時価が減少 ③株式譲渡 【改正概要】 一定の配当については、 その額分、簿価を引下げ、 譲渡損の創出を防止

(出所:経済産業省「令和2年度(2020年度)経済産業関係 税制改正についてP.25

 

7 消費税の申告期限の特例

(1) 改正内容

消費税の確定申告書の提出には、延長が認められていなかったが、税制改正大綱において、認められることになった。

法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、当該提出をした日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間に係る消費税の確定申告書の提出期限を1ヶ月延長することができる

現在、消費税は5月末ごろ、法人税は6月末ごろに申告書を提出していることが多いと考えられるが、当該改正により、法人税及び消費税ともに6月末ごろに提出することが可能となる。

(2) 適用時期

2021年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用する。なお、確定申告書の提出期限が延長された期間の消費税の納付は、当該延長された期間に係る利子税も納付する。

 

8 電子帳簿等保存制度の見直し

(1) 改正内容

電子取引を電磁的記録により保存する場合に、以下の方法が加えられる。

 請求書等の発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法

 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法

現行 税制改正大綱 発行者のタイムスタンプの付与あり+帳簿保存義務者のタイムスタンプも必要 発行者のタイムスタンプの付与あり 帳簿保存義務者のタイムスタンプ不要(上記①) 発行者のタイムスタンプの付与なし+帳簿保存義務者のタイムスタンプが必要 同左 記載事項について、正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程の作成・運用 同左 ―― 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。例えば、クラウドサービス等)の利用(上記②)

(2) 適用時期

2020年10月1日から施行する。

Ⅱ 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表

 

2020年2月13日にASBJより実務対応報告公開草案第58号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)(以下、「グループ税効果案」という)」が公表された。

令和2年度税制改正において従来の連結納税制度が見直され、グループ通算制度に移行する税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」)(以下「改正法人税法」という)案が第201 回通常国会に提出されている。グループ税効果案では、改正法人税法が成立した場合、グループ通算制度の適用対象となる企業が、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算において、グループ通算制度の適用を前提としてどのように税効果会計を適用するかの取扱いをまとめている。

(1) 適用対象

改正法人税法の成立日の属する事業年度において連結納税制度を適用している企業及び改正法人税法の成立日より後に開始する事業年度から連結納税制度を適用する企業を対象とする(グループ税効果案2)。

(2) 会計処理

改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む)について、グループ通算制度の適用を前提とした税効果会計については、実務対応報告第5号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」及び実務対応報告第7号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」に関する必要な改廃が行われるまでの間は、グループ通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目については、決算日において改正法人税法が成立していても改正前の税法の規定に基づき(連結納税制度を前提として)、税効果会計を適用することができる(グループ税効果案3)。つまり、従前どおりに検討し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上することで問題ない。

(3) 注記

繰延税金資産及び繰延税金負債の額について、グループ税効果案の取扱いにより改正前の税法の規定に基づいている旨を注記する(グループ税効果案4)。

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

3月期決算における会計処理の留意事項

「2025年3月期決算における会計処理の留意事項」(全5回)

Ⅰ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正

Ⅱ 未適用の会計基準等の注記

Ⅲ 法定実効税率

Ⅳ 税制改正

Ⅴ 令和7年度税制改正大綱

Ⅵ 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準

Ⅶ 「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」等

Ⅷ 2024年年次改善プロジェクトによる企業会計基準等の改正

Ⅸ 分配可能額

Ⅹ 改正リース基準の準備

XI 有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項

◎ 米国の相互関税による会計処理等への影響

「2024年3月期決算における会計処理の留意事項」(全5回)

Ⅰ 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準

Ⅱ 資金決済法における特定の電子決済の手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い

Ⅲ 電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い

Ⅳ グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い(案)

Ⅴ グローバル・ミニマム課税制度に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(案)

Ⅵ 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針(案)

Ⅶ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正

Ⅷ インボイス制度

Ⅸ 分配可能額

Ⅹ サステナビリティ開示

XI 税制改正

XII 四半期報告制度の改正

XIII 金融庁の令和4年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項

◎ 金融庁の令和5年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項

「2023年3月期決算における会計処理の留意事項」(全4回)

  • 【第1回】 ★無料公開中★
    Ⅰ 税制改正等
    Ⅱ グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い(案)
  • 【第2回】
    Ⅲ 時価の算定に関する会計基準の適用指針
    Ⅳ グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い
  • 【第3回】
    Ⅴ 会社法施行規則等の改正
    Ⅵ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正
  • 【第4回】
    Ⅶ 電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い
    Ⅷ 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準
    Ⅸ 金融庁の令和4年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項

「2022年3月期決算における会計処理の留意事項」(全5回)

  • 【第1回】 ★無料公開中★
    Ⅰ 税制改正等
    Ⅱ 連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い
    Ⅲ グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い
  • 【第2回】
    Ⅳ 収益認識に関する会計基準等
    Ⅴ 時価の算定に関する会計基準等
  • 【第3回】
    Ⅵ LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い
    Ⅶ 取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い
    Ⅷ その他の記載内容に関連する監査人の責任
  • 【第4回】
    Ⅸ 会社法施行規則等の改正
    Ⅹ 金融庁の令和2年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項
    Ⅺ 開示の好事例
  • 【第5回】(追補)
    ◎最近の不安定な世界情勢下における会計処理等の留意事項

「2021年3月期決算における会計処理の留意事項」(全5回)

  • 【第1回】 ★無料公開中★
    Ⅰ 税制改正等
    Ⅱ 連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い
    Ⅲ 監査上の主要な検討事項(KAM)
  • 【第2回】
    Ⅳ 会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準
    Ⅴ 会計上の見積りの開示に関する会計基準
    Ⅵ 新型コロナウイルス感染症に関連する会計処理及び開示
  • 【第3回】
    Ⅶ LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い
    Ⅷ 取締役の報酬等として株式を無償交付する取引に関する取扱い
    Ⅸ 会社計算規則等の改正
  • 【第4回】
    Ⅹ 金融庁の平成31年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項
    Ⅺ その他留意事項及び参考情報
    Ⅻ 今後の会計基準の改正
  • 【第5回】(追補)
    ◎ グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い(案)の公表

「2020年3月期決算における会計処理の留意事項
~新型コロナウイルス感染症の影響への対応~」(全2回)

  • 【前編】 ★無料公開中★
    Ⅰ 新型コロナウイルス感染症に関連する省庁や各団体からの公表物
  • 【後編】
    (【前編】公開以降の公表情報について)
    Ⅱ 新型コロナウイルス感染症における会計処理の検討事項
    Ⅲ 会計上の見積りにあたって

「2020年3月期決算における会計処理の留意事項」(全4回)

  • 【第1回】 ★無料公開中★
    Ⅰ 税制改正
    Ⅱ 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表
  • 【第2回】
    Ⅲ 会社法の改正
    Ⅳ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正
    Ⅴ 監査上の主要な事項(KAM)
  • 【第3回】
    Ⅵ 企業結合会計基準等の改正
    Ⅶ 在外子会社等の会計処理の改正
    Ⅷ 時価の算定に関する会計基準等の公表
    Ⅸ 収益認識基準の早期適用
  • 【第4回】
    Ⅹ 金融庁の平成30年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項
    Ⅺ 今後の改正予定

「2019年3月期決算における会計処理の留意事項」(全4回)

  • 【第2回】
    Ⅱ 税制改正
    Ⅲ 企業内容等の開示に関する内閣府令の改正
  • 【第3回】
    Ⅳ 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示
    Ⅴ 監査上の主要な事項(KAM)
    Ⅵ 有償ストック・オプションの会計処理
    Ⅶ 在外子会社等の会計処理の改正
    Ⅷ マイナス金利
    Ⅸ 仮想通貨の会計処理等
  • 【第4回】
    Ⅹ 企業結合会計基準等の改正
    XI 金融庁の平成29年度有価証券報告書レビューを踏まえた留意事項
    XII 今後の改正予定

「平成30年3月期決算における会計処理の留意事項」(全4回)

  • 【第1回】 ★無料公開中★
    Ⅰ 税制改正
    Ⅱ 公共施設等運営事業における運営権者の会計処理
  • 【第2回】
    Ⅲ 有償ストック・オプションの会計処理
    Ⅳ 在外子会社等の会計処理の改正
    Ⅴ 仮想通貨の会計処理
  • 【第3回】
    Ⅵ マイナス金利
    Ⅶ 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組
    Ⅷ 金融庁の平成28年度有価証券報告書レビューの審査結果
  • 【第4回】
    Ⅸ 収益認識
    Ⅹ 税効果会計の改正
    ⅩⅠ 監査報告書の透明化

「平成29年3月期決算における会計処理の留意事項」(全4回)

  • 【第2回】
    Ⅱ 税効果会計の改正
    Ⅲ 減価償却方法の改正
    Ⅳ 法人税等に関する会計基準の改正
  • 【第3回】
    Ⅴ マイナス金利
    Ⅵ 在外子会社等の会計処理の改正
    Ⅶ リスク分担型企業年金
  • 【第4回】
    Ⅷ 公共施設等運営事業における運営権者の会計処理
    Ⅸ 短信及び有価証券報告書の改正
    Ⅹ 金融庁の平成27年度有価証券報告書レビューの審査結果

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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