小説 『法人課税第三部門にて。』
【第5話】
「修正申告の勧奨(その1)」
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
「そうか・・・修正申告をしないのか・・・」
田村上席調査官は、隣に座っている山口調査官の話を聞きながら、腕を組む。
「非違事項は、交際費と棚卸資産だけなんですが・・・」
山口調査官は困った顔をしている。
山口調査官は、先週から3日間、太田工業の実地調査をした後、「調査結果の内容の説明等」を納税者に行ったのである。
交際費の否認の内容は、会社が主催した「創立20周年の記念祝賀パーティー」の費用である。パーティーの請求書の金額は、850万円であった。
しかし、招待客から、「祝い金」を合計で198万円を受け取っていたのである。
実地調査で、山口調査官が記念行事の名簿を調べているとき、それぞれの招待客の名前の横に、金額が記されていた。
「ここに書かれている金額は何ですか?」
山口調査官が質問した。
「招待客から頂いた祝い金ですが・・・」
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