小説 『法人課税第三部門にて。』
【第23話】
「建設会社の税務調査(その2)」
─ 検 証 ─
公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
(前回の続き)
「そうか・・・」
渕崎統括官は、田村上席の報告を静かに聞いている。
内藤建設の実施調査は、田村上席と山口調査官の2人で、3日間行われた。
渕崎統括官の横に置かれている小さなテーブルに、田村上席と山口調査官は、渕崎統括官と向かい合って座っている。
テーブルの上には、田村上席が作成した「検討事項一覧表」がある。
渕崎統括官は、その検討事項一覧表を見ながら、質問を続ける。
「例の・・・大手ゼネコンからの請負工事について、否認するのは無理なのですか?」
渕崎統括官は、田村上席の顔を見つめる。
「ええ、工事は途中で終わっているのですが・・・その経緯を明らかにする資料が会社にないので、ゼネコンに反面調査しょうかどうか迷っているのです。でも、工事担当者に聞くと、どうやら本当に中止になったようで・・・そこで、これ以上時間をかけるのもなんだと思って、そのままで・・・ただ、預かっている2億円については、ゼネコンに返すか否かを確認しなければ・・・」
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