公開日: 2014/12/26
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《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成26年4月~6月)」~注目事例の紹介~

筆者: 米澤 勝

 《速報解説》

国税不服審判所「公表裁決事例(平成26年4月~6月)」

~注目事例の紹介~

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

国税不服審判所は、平成26年12月18日、「平成26年4月から6月分までの裁決事例の追加等」を公表した。

今回追加されたのは表のとおり、全16件の裁決となっている。相続税法関係で5件(うち3件は財産評価)、国税通則法の区分された3件のうち2件も相続税をめぐる不服審査となっており、相続税に関するものが多く公表されているのが今回の特徴である。

今回公表された裁決では、国税不服審判所によって課税処分等が全部又は一部取り消された事例が8件、すべて棄却された事例が7件、却下された事例が1件であった。税法・税目として所得税法関係が5件、相続税法関係が6件、国税通則法3件、法人税法及び消費税法が1件であった。

【公表裁決事例平成26年4月~6月の一覧】 ※本稿で取り上げた裁決
国税通則法	①	更正の請求(基礎となった事実関係に関する判決等)	全部取消し 	②	重加算税(隠ぺい、仮装の認定)	一部取消し 	③	不服審査(処分の消滅)	却下 所得税法関係	④	所得の帰属	一部取消し 	⑤	必要経費(支出の原因、目的)	一部取消し 	⑥	必要経費(資本的支出と修繕費)	一部取消し 	⑦	譲渡費用(コンサルタント料等)	棄却 	⑧	給与所得(経済的利益に係る源泉徴収)	一部取消し 	⑨	推計の合理性(同業者選定の範囲)	棄却 一部取消し 法人税法関係	⑩	収容等の場合の課税の特例(対価保証金の範囲)	棄却 相続税法関係	⑪	財産の評価(評価の原則、評価単位)	棄却 	⑫	財産の評価(宅地及び宅地の上に存する権利)	一部取消し 全部取消し 	⑬	財産の評価(宅地及び宅地の上に存する権利、貸家建付地)	棄却 	⑭	連帯納付義務	棄却 	⑮	小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例	棄却 消費税法関係	⑯	仕入税額控除(課税売上割合の算定)	棄却

本稿では、公表された16件の裁決事例のうち、注目される事例を紹介したい。

なお、毎回のことであるが、論点を簡素化するため、複数の争点がある裁決については、その一部を割愛し、複数の請求人が存する事例についても、請求人が単独であるかのように表記させていただいていることを、あらかじめお断りしておきたい。

【参考】 国税不服審判所ホームページ
公表裁決事例(平成26年4月~6月)

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 《速報解説》

国税不服審判所「公表裁決事例(平成26年4月~6月)」

~注目事例の紹介~

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

国税不服審判所は、平成26年12月18日、「平成26年4月から6月分までの裁決事例の追加等」を公表した。

今回追加されたのは表のとおり、全16件の裁決となっている。相続税法関係で5件(うち3件は財産評価)、国税通則法の区分された3件のうち2件も相続税をめぐる不服審査となっており、相続税に関するものが多く公表されているのが今回の特徴である。

今回公表された裁決では、国税不服審判所によって課税処分等が全部又は一部取り消された事例が8件、すべて棄却された事例が7件、却下された事例が1件であった。税法・税目として所得税法関係が5件、相続税法関係が6件、国税通則法3件、法人税法及び消費税法が1件であった。

【公表裁決事例平成26年4月~6月の一覧】 ※本稿で取り上げた裁決
国税通則法	①	更正の請求(基礎となった事実関係に関する判決等)	全部取消し 	②	重加算税(隠ぺい、仮装の認定)	一部取消し 	③	不服審査(処分の消滅)	却下 所得税法関係	④	所得の帰属	一部取消し 	⑤	必要経費(支出の原因、目的)	一部取消し 	⑥	必要経費(資本的支出と修繕費)	一部取消し 	⑦	譲渡費用(コンサルタント料等)	棄却 	⑧	給与所得(経済的利益に係る源泉徴収)	一部取消し 	⑨	推計の合理性(同業者選定の範囲)	棄却 一部取消し 法人税法関係	⑩	収容等の場合の課税の特例(対価保証金の範囲)	棄却 相続税法関係	⑪	財産の評価(評価の原則、評価単位)	棄却 	⑫	財産の評価(宅地及び宅地の上に存する権利)	一部取消し 全部取消し 	⑬	財産の評価(宅地及び宅地の上に存する権利、貸家建付地)	棄却 	⑭	連帯納付義務	棄却 	⑮	小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例	棄却 消費税法関係	⑯	仕入税額控除(課税売上割合の算定)	棄却

本稿では、公表された16件の裁決事例のうち、注目される事例を紹介したい。

なお、毎回のことであるが、論点を簡素化するため、複数の争点がある裁決については、その一部を割愛し、複数の請求人が存する事例についても、請求人が単独であるかのように表記させていただいていることを、あらかじめお断りしておきたい。

【参考】 国税不服審判所ホームページ
公表裁決事例(平成26年4月~6月)

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連載目次

《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例」~注目事例の紹介~

〔令和6年〕
〔令和5年〕
〔令和4年〕
〔令和3年〕
〔令和2年〕
〔平成31年(令和元年)〕
〔平成30年〕
〔平成29年〕
〔平成28年〕
〔平成27年〕
〔平成26年〕
〔平成25年〕

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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