顧問先の経理財務部門の
“偏差値”が分かる
スコアリングモデル
【第23回】
「原価管理のKPI
(その① 原価予算策定)」
株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦
はじめに
前回までは「固定資産管理」のKPIを取り上げたが、今回から4回にわたり、「原価管理」のKPIを取り上げる。
原価計算は、販売収益である売上高に、棚卸資産である製品・商品の製造原価又は仕入原価を対応させる計算手続である。棚卸資産の取得価額を算定する手続と棚卸資産原価を売上原価対応部分と期末棚卸資産在庫高部分に配分する手続により、製品・商品・サービス1単位あたりの原価を計算する。
原価管理は、原価計算を行うことを前提に、目標とする原価を定め、目標原価と実際原価の差異要因を見極め、原価を一定の範囲内に抑えるという明確な意図を持った戦略的な活動である。
今回は、原価管理の入り口となる原価予算策定から、最も基本的なKPIを取り上げる。
なお、スコアリングモデルでは、原価管理の領域は、財務諸表作成目的の原価計算に限らず、狭義の原価に加えて販売管理費も含めたコストの管理活動に及ぶと考えているため、原価管理のKPIは、財務諸表作成目的で原価計算を行う製造業だけでなく、流通業やサービス業等の非製造業の会社も回答することを想定している。
◆KPIの項目◆
〔調査対象業務〕
原価管理
〔調査対象業務プロセス〕
原価予算策定
〔調査項目〕
製品・商品・サービス1単位あたりの目標コストを設定していますか。
〔回答形式〕
「はい」「いいえ」
KPIが設定された業務プロセスの確認
まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。
経済産業省スタンダードでは、原価管理において、会社が担う一般的な機能として、「予算策定」と「実績管理」を挙げている。
「予算策定」は、原価予算策定という機能で構成される。
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