公開日: 2025/10/23 (掲載号:No.641)
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事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第34回】「信用組合による不正融資と、その後の第三者委員会への調査妨害(上)」

筆者: 原 正雄

事例で検証する

最新コンプライアンス問題

【第34回】

「信用組合による不正融資と、その後の第三者委員会への調査妨害(上)」

 

弁護士 原 正雄

 

I信用組合は、福島県いわき市に本店を置く信用協同組合である。

2024年9月30日当時、店舗数15店、常勤役職員200名弱で、約4万人の組合員から約2,100億円の預金を集めるとともに、約1,200億円の貸出しを行っていた。

2024 年9月、X(旧Twitter)上でI信用組合が粉飾決算をしているなどとの投稿がなされたことが契機となって不正が発覚し、I信用組合は第三者委員会を設置した。

2025年5月30日、第三者委員会が調査を終了し、調査報告書を完成させた。I信用組合は同報告書(公表版)を公表するとともに、プロパー役員が1名を除き全員辞任することや、外部から新役員を迎えることを公表した。

本稿は、同報告書が報告する不正のうち、約250億円の不正融資、約2億円の横領とその隠蔽、I信用組合による第三者委員会の調査への妨害の三つを中心に論ずる。

 

1 約250億円の不正融資

調査報告書によれば、I信用組合は、不正融資として、当初は「迂回融資」を行い、その後は「無関係の個人名義を借用した融資」を行っていた。

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最新コンプライアンス問題

【第34回】

「信用組合による不正融資と、その後の第三者委員会への調査妨害(上)」

 

弁護士 原 正雄

 

I信用組合は、福島県いわき市に本店を置く信用協同組合である。

2024年9月30日当時、店舗数15店、常勤役職員200名弱で、約4万人の組合員から約2,100億円の預金を集めるとともに、約1,200億円の貸出しを行っていた。

2024 年9月、X(旧Twitter)上でI信用組合が粉飾決算をしているなどとの投稿がなされたことが契機となって不正が発覚し、I信用組合は第三者委員会を設置した。

2025年5月30日、第三者委員会が調査を終了し、調査報告書を完成させた。I信用組合は同報告書(公表版)を公表するとともに、プロパー役員が1名を除き全員辞任することや、外部から新役員を迎えることを公表した。

本稿は、同報告書が報告する不正のうち、約250億円の不正融資、約2億円の横領とその隠蔽、I信用組合による第三者委員会の調査への妨害の三つを中心に論ずる。

 

1 約250億円の不正融資

調査報告書によれば、I信用組合は、不正融資として、当初は「迂回融資」を行い、その後は「無関係の個人名義を借用した融資」を行っていた。

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連載目次

「事例で検証する最新コンプライアンス問題」

筆者紹介

原 正雄

(はら・まさお)

弁護士。一橋大学法学部卒、中島経営法律事務所パートナー

専門は、コンプライアンス、企業危機管理、消費者対応、製造物責任、知的財産、労務、セクハラ・パワハラ、証券取引、M&A、訴訟など企業法務

主な著書に「社内規程整備で取り組む―中小企業のコンプライアンス対策」(清文社)、「図解 仕事の法律」(共著、三笠書房)、「ネットリスク対策なるほどQ&A」(共著、中央経済社)、「事例で見る借地借家契約の解除」(共著、新日本法規)など多数。
論文執筆、講演・研修など多数。

http://www.ntlo.net/partner/detail/id=15&contents_type=45

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