検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10255 件 / 231 ~ 240 件目を表示

〈Q&A〉税理士のための成年後見実務 【第13回】「身元保証人になってほしいと言われた場合の対応」

〈Q&A〉 税理士のための成年後見実務 【第13回】 「身元保証人になってほしいと言われた場合の対応」   司法書士法人F&Partners 司法書士 北詰 健太郎   【Q】 成年後見人として活動していますが、本人が施設に入居することになりました。 入居にあたって施設側から「身元保証人」になってほしいと言われています。身元保証人とは何でしょうか。 【A】 身元保証人とは、本人が負担する金銭債務を保証するとともに、本人に関して何らかの連絡や処置が必要になった場合に、対応を引き受ける人のことです。成年後見人は、身元保証人となることはできないとされています。身元保証人となった成年後見人が、本人に代わって施設の費用を支払った場合に、本人と成年後見人との間で利益相反が生じるなどの問題があるためです。 身元保証人は、高齢者施設への入居時以外にも、病院への入院や賃貸アパートへの入居などの際にも求められることがあり、成年後見人としてはよく直面する問題です。 ● ● ● ● 解 説 ● ● ● ● 1 施設入居時には身元保証人が求められる 成年被後見人が自分1人では生活することが困難になった場合には、成年後見人としては老人ホームなどの高齢者施設へ入居してもらうことを検討することになります。高齢者施設への入居にあたっては、身元保証人が求められる場合があります。 身元保証人は、本人の施設への金銭債務の支払いを保証し、本人に関して何らかの処置が必要になった場合に対応を引き受けることになります。施設側としても、施設の費用は高額になりがちで、本人が施設で生活をするうえではさまざまな連絡事項が生じることから、身元保証人がいないと施設入居を受け入れにくいといえます。 【身元保証契約の関係図】   2 成年後見人は身元保証人となれるのか 成年被後見人の親族が身元保証人を引き受けてくれる場合もありますが、身近に頼れる親族がいないというケースも少なくありません。そうした場合には、施設側から成年後見人に対して身元保証人となってほしいという打診がされることがあります。 成年後見人としては、身元保証人となることはできないとされていますが、身元保証人がいないと施設入居自体ができなくなることもあるため、非常に悩ましい問題です。実務の現場では、成年後見人の職務内容や、必要な範囲で成年被後見人の資産状況を説明するなどして、なんとか身元保証人を不要とする方向で調整をしているようです。 近年では身寄りがない高齢者が増加していることから、身元保証人を引き受けてくれる企業や団体も増えてきています。そうした企業等に依頼することも1つの選択肢ですが、悪質な事業者も存在することが問題視されており、しっかりと選定をすることが求められます。   3 「身元保証ニ関スル法律」について 成年後見人として活動していくと、成年被後見人のために非常に多くの書類に署名等を行うことになりますが、身元保証人のように、成年後見人にとって対応に注意を要する契約が存在するため、よく内容を理解したうえで署名等をすることが大切です。 なお、身元保証人について調べていくと、「身元保証ニ関スル法律」(昭和8年法律42号)に関する情報を目にすることがあると思いますが、この法律は雇用関係を対象にしたものであり、高齢者施設への入居の際に求められる身元保証人とは直接的な関係はありません。 (了)

#No. 598(掲載号)
#北詰 健太郎
2024/12/12

《速報解説》 石川県七尾市及び羽咋郡志賀町につき延長されていた令和6年能登半島地震に係る国税の申告期限が確定~期限は令和7年1月31日~

《速報解説》 石川県七尾市及び羽咋郡志賀町につき 延長されていた令和6年能登半島地震に係る国税の申告期限が確定 ~期限は令和7年1月31日~   Profession Journal編集部   国税庁は、令和6年能登半島地震の発生を受け、石川県及び富山県に納税地のある個人・法人を対象とした令和6年1月1日以降に到来する国税の申告・納付等の期限を延長する措置を公表しているが、既報のとおり、富山県及び石川県の一部地域についてはすでに延長措置を終了し、引き続き延長措置が講じられている地域は、石川県七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋郡志賀町、鳳珠郡穴水町及び鳳珠郡能登町とされていた。 これら地域における具体的な延長期限については、被災者の状況に十分配慮しつつ検討するとしていたところ、12月9日付けの官報にて上記地域のうち石川県七尾市及び羽咋郡志賀町に納税地がある個人・法人については、令和7年1月31日を期限とする旨が告示された。 また、今回対象とされていない石川県輪島市、珠洲市、鳳珠郡穴水町及び鳳珠郡能登町については引き続き延長措置を継続するとしているほか、令和6年能登半島地震の影響により期日までに申告・納付等ができない場合には、所轄税務署長に申請して承認を受けることにより、引き続き期限延長措置を受けることは可能であること、また、申告は可能であっても、令和6年能登半島地震により財産に相当な損失を受けた場合や、国税を一時に納付することが困難な場合、所轄税務署長に申請することにより、原則として1年以内の範囲で、納税の猶予を受けることができるとする措置も引き続き行う。 なお、同じく12月9日付けで石川県七尾市及び羽咋郡志賀町における令和6年能登半島地震に係る審査請求の期限延長措置についても令和7年1月31日を期限とすること及び労働保険料、障害者雇用納付金などの申告・納期限の延長後の期限も同日とすることが、下記のとおり公表されている。 そのほか、上記告示に伴い地方税に係る申告等の期限の延長等についても総務省より下記のとおり通知が行われている。 *   *   * (了)

#Profession Journal 編集部
2024/12/10

《速報解説》 「外国税額控除に関する明細書」の記載に誤りがあったとして国税庁より注意喚起~分配時調整外国税相当額控除適用者について外国税額控除額が過大に算出されるケースあり~

 《速報解説》 「外国税額控除に関する明細書」の記載に誤りがあったとして 国税庁より注意喚起 ~分配時調整外国税相当額控除適用者について 外国税額控除額が過大に算出されるケースあり~   Profession Journal 編集部   国税庁は「外国税額控除に関する明細書」の記載に誤りがあったとして、12月6日付で下記ページを公表し注意喚起を行っている。 今回公表されたのは、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける者の外国税額控除の控除限度額の計算の基礎となる所得税及び復興特別所得税の金額について、それぞれ分配時調整外国税相当額控除額を控除した後の金額となるにもかかわらず、従前の「外国税額控除に関する明細書(居住者用)(令和2年分以降用)」の「3 所得税及び復興特別所得税の控除限度額の計算」欄の「所得税額」(①)欄及び「復興特別所得税額」(②)欄の記載方法の説明(控用の裏面の「書き方」)に誤りがあったというもの(「外国税額控除に関する明細書(非居住者用)(令和2年分以降用)」も同様)。 具体的な上記①欄及び②欄の「書き方」における正誤内容は、それぞれ次の通り(下線部が変更箇所)。 上記誤りにより、分配時調整外国税相当額控除の適用を受ける者がこの明細書に沿って外国税額控除の金額を計算すると、外国税額控除額が過大に算出される場合がある。また、国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」においても、同様の誤りがある明細書が作成されるプログラムとなっていた、としている。 このため国税庁では、誤りのあった様式を改訂し「確定申告書等作成コーナー」のプログラムを修正するほか、国税庁ホームページにおける関係箇所を改訂するとしている。 なお、今回の様式誤り等により申告内容の是正を要すると見込まれる納税者に対しては、所轄税務署より内容是正と不足税額の納付をお願いするとしており、同ページでは正しい外国税額控除額を算出するツール(Excelデータ)や修正申告の要否の判断ができるフローチャート、修正申告書の書き方等も公表されている。 ただし、外国税額控除のほか分配時調整外国税相当額控除の適用がある令和2年分から令和5年分の所得税等の確定申告等の手続をする者は、令和7年1月5日までの間は「確定申告書等作成コーナー」が利用できないため注意が必要だ。 (了) ↓お勧め連載記事↓

#Profession Journal 編集部
2024/12/09

《速報解説》 法務省、GM課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱いを受け、「会社計算規則の一部を改正する省令案」を公表

《速報解説》 法務省、GM課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱いを受け、「会社計算規則の一部を改正する省令案」を公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2024(令和6)年12月6日、法務省は、「会社計算規則の一部を改正する省令案」を公表し、意見募集を行っている。 これは、「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号)を受けたものなどである。 意見募集期間は2025年1月17日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容   Ⅲ 施行期日等 公布の日から施行する予定である。 改正後の会社計算規則の規定は、2024(令和6)年4月1日以後開始する事業年度に係る計算書類及び連結計算書類について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例によるものとする予定である。 (了)

#阿部 光成
2024/12/09

《速報解説》 金融庁から「記述情報の開示の好事例集2024」の第2弾が公表される~気候変動関連等の好事例のポイント等を新たに記載~

《速報解説》 金融庁から「記述情報の開示の好事例集2024」の第2弾が公表される ~気候変動関連等の好事例のポイント等を新たに記載~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2024(令和6)年12月5日、金融庁は、「記述情報の開示の好事例集2024(第2弾)」を公表した。 これは、2024年11月8日の「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」に続くものであり、サステナビリティに関する考え方及び取組の開示②(気候変動関連等)について議論したものである。 今後、第3回勉強会以降のテーマを追加して、公表、更新することを予定しているとのことである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 投資家・アナリスト・有識者が期待する開示を充実化させるための取組み 次のことを追加している。   Ⅲ 有価証券報告書のサステナビリティに関する考え方及び取組の全般的な開示のポイント 参考になる主な開示例等を追加している。   Ⅳ 気候変動関連等の開示例 主な開示のポイントとして、サステナビリティ情報と財務情報とのつながりがある開示、シナリオ分析においては、一般的なシナリオだけでなく、自社の置かれている経営環境等を踏まえた独自のシナリオを反映した分析を行うことが有用であることなどが記載されている。 好事例として採り上げた企業の主な取組みが記載されている(図表や画像を用いて、読み手に対して端的で明快な情報開示を意識したことなど)。 「気候変動」の好事例のポイントとして次のことが記載されている。 「自然資本(水リスク、生物多様性等)」の好事例のポイントとして次のことが記載されている。 (了)

#阿部 光成
2024/12/09

《速報解説》 国税庁、概要・源泉所得税関係の定額減税Q&Aを改訂し外国人技能実習生の源泉徴収票の記載事項を追加

 《速報解説》 国税庁、概要・源泉所得税関係の定額減税Q&Aを改訂し 外国人技能実習生の源泉徴収票の記載事項を追加   Profession Journal 編集部   令和6年分の年末調整は年調減税への対応が必要となる中、国税庁は12月5日付で「令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係)」を改訂、外国人技能実習生の源泉徴収票の記載方法について内容の見直しを行った(既報の通り前回の改訂は9月)。 今回の改訂で見直されたのは「Q10-3 外国人技能実習生の源泉徴収票の記載方法」のみ(新問の追加なし)。定額減税の対象となる外国人技能実習生(居住者であり、扶養控除等申告書を提出している)で、租税条約に基づき源泉所得税及び復興特別所得税の免除を受ける人の場合、改訂前は「給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄に定額減税に関する事項を記載するとの内容であったが、改訂後は租税条約に基づいて課税の免除を受ける給与について免除対象額及び該当条項「日〇租税条約〇〇条該当」についても記載(書面作成の場合は赤書き)する必要があるとした。 改訂前後のQ10-3は以下の通り(下線が変更箇所)。 (了) ↓お勧め連載記事↓

#Profession Journal 編集部
2024/12/06

プロフェッションジャーナル No.597が公開されました!~今週のお薦め記事~

2024年12月5日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.597を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2024/12/05

monthly TAX views -No.142-「SNS情報のファクトチェックをどうするか」

monthly TAX views -No.142- 「SNS情報のファクトチェックをどうするか」   東京財団政策研究所研究主幹 森信 茂樹   自らの見解をタイムリーにかつ無料で発信することが可能になり、SNSの時代が到来している。先般の東京都知事選挙や衆議院選挙、さらには兵庫県知事選挙ではSNSの影響力の大きさを改めて認識させられた。 一方で、SNSには大きな問題が指摘されている。 発信側の問題として、投稿した動画等の閲覧数に応じて広告収入が得られるので、発信の内容が耳目を集めるべく極端や過激になりがちである。憎悪などの私情が加わったり、閲覧数が集まるのでトンデモ陰謀論などが拡散されてSNSに溢れることになる。これを「アテンションエコノミー」というようだ。 ユーザー側も、自分と似た意見や関心をもつユーザー同士がつながり、自分と似た情報だけが集まってくる「フィルターバブル」が生じ、意見が増幅、強化され「エコーチェンバー現象」が生じる。その結果、同じ思考や主義を持つ者同士がつながり、見解が極端化・先鋭化することで世論が二極化し、社会の分断化につながっていく。 このように、発信側とユーザー側双方に大きな問題を抱えているにも関わらず、言論の自由に守られて、影響力を拡大していくSNSネット社会であるが、筆者が最大の問題と考えるのは、それが国の政策に大きな影響を及ぼすことである。 *  *  * 最近の出来事をたどると、岸田首相(当時)につけられた「増税メガネ」というレッテル貼りが挙げられる。 このレッテルは、骨太方針に書かれた「退職金税制の見直し」や消費税インボイスの導入(2023年10月)、政府税制調査会の中期答申などにより2023年頃から広がったものだが、消費税インボイスはすでに法律で決められたものが施行される話であり、中期答申は総理の諮問機関の見識を示したもので、いずれも岸田首相が主導したものではなく、「増税メガネ」という呼称(?)は適切ではない。 岸田首相は、2023年10月の経済対策で定額減税の実施を唐突に表明したが、これは「増税メガネ」というネットでのレッテルを気にしたものと言われている。事務方に十分な検討の時間が与えられていなかったことで、給付と減税をつなぐやり方の混乱は今も続いている。 このように、実際の政策運営に大きな影響を与えているSNSでの議論だが、誤った事実に基づくキャッチーな情報や都合の良い言説が十分な検証もなく拡散し、現実の政策決定に影響を与えることは大きな問題だ。 現状で筆者が問題だと考えるSNSでの言説は、例えば次のようなものである。 まず、「減税すれば経済が活性化して税収がそれ以上に増える」という言説だ。前名古屋市長の河村たかし氏が、「名古屋では減税したが増収になった」と発言しているが、データなどの検証に裏付けられた話ではない。「減税すれば増収になる」という理論は、米国レーガン政権の1期目の税制改革で実践されたが、すぐさま財政赤字が拡大し修正された。後に米国政府によって、「フリーランチ理論」とも「ブードゥー(呪術)・エコノミクス」とも揶揄されることとなった。 次に、「財務省はこの30年緊縮財政をしてきた」という言説がある。しかし、1990年度の一般会計歳出は69.3兆円、2022年度は110.3兆円で6割近く伸びている。この間の公債発行残高は、1990年度の166兆円から2022年度の1,029兆円と6倍以上になっている。予算に占める公債の比率(公債依存度)も、1990年度は9.2%であったのが、2022年度には35.9%と、これも4倍弱の伸びとなっている(※1)。これらから分かる通り、財務省がこの間緊縮財政を行ってきたというのは全くの誤解(しかも意図的な)である。 (※1) 財務省「日本の財政関係資料(令和4年10月)」参照 もう1つ、わが国の債務残高(GDP比)は2.5倍と主要先進国と比べてずば抜けて高いという点について、ある財務省OBが「日本は多くの資産を持っており、借金は少ない」と述べる動画が出回っているが、これは間違いである。政府が保有する金融資産を差し引いた純債務残高で比較すると、わが国の債務GDP比率は157%と主要先進国で最も高く、米国(98%)や英国(94%)の1.5倍を超える水準にある(※2)。 (※2) 財務省「我が国の財政事情」参照 *  *  * 財務省のSNSには、財務省への批判が多く寄せられているという。政治が混迷し、意思決定が流動化している今日、最終責任を負うところとして財務省が標的とされているのだろう。 一方で、このような誤った言説を防ぐには、ファクトチェックを行う客観的な組織や機関が必要だ。調べると、認定NPO法人ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が2017年6月に発足しており、ファクトチェックをしていることが分かった。 しかし、前述した「減税すれば増収になる」というような言説のチェックは、専門家でなければできない。そこで、欧米にある独立財政機関の設置を検討してはどうだろうか。さらには冷静な熟議のできるプラットフォームも必要だ。最近では批判されることの多い大手メディアだが、その役割を果たすべきではないか。 もちろん最終的には、我々受け手のメディア・リテラシーを高めることが必要で、それは個人個人が考えるしかない。 (了)

#No. 597(掲載号)
#森信 茂樹
2024/12/05

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例69】「土地営業権原価に係る償却費の損金該当性」

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例69】 「土地営業権原価に係る償却費の損金該当性」   拓殖大学商学部教授 税理士 安部 和彦   【Q】 私は、関東地方のある政令指定都市に本社を構え不動産の売買及び不動産経営コンサルティング業を営む株式会社X(資本金8億円で3月決算法人)において、経理部長を務めております。 わが社は長らく首都圏郊外の住宅用地の造成及び販売に携わってきましたが、ここ20年程度にわたる働き盛りのサラリーマン層における郊外から都心回帰の動きにより、東京駅から電車で1時間半以上かかるような、わが社の扱っている類の戸建て住宅地の需要は冷え込むようになってきました。そのため、ここ10年くらいは東京23区内やその周辺の、東京駅まで1時間以内に立地する駅周辺の土地を購入し、その上に単身ないし夫婦子なし世帯向けの賃貸マンションを建設して、資産運用に意欲的な富裕層に購入してもらうビジネスに注力することで、わが社もなんとか息を吹き返してやっていけているところです。 さて、そのような中、わが社も先日来国税局の税務調査を受けていますが、そこで1点問題となっている事項があります。それは、他社が開発したゴルフ練習場用地につき、わが社が買収しその建設を引き継いで完成させた物件がありますが、調査官は、その買収の際に計上した営業権は専らゴルフ練習場の建物及び構築物という有形固定資産により構成されており、調査事業年度において当該練習場は未だ稼働していないことから、その減価償却費は損金算入できないと主張しております。私の考えでは、当社が計上した営業権はゴルフ練習場買収に伴い発生した超過収益力に基づく「のれん」であり、ゴルフ練習場は稼働していないもののその運営を行っている事業部は業務を開始しているため、減価償却が可能と考えております。この場合、法人税法上どのように考えるのが妥当なのでしょうか、教えてください。 【A】 法人税法上の「営業権」とは、判例上、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係であると解されており、他企業から買収したものについては、その内容や構成要素を個別に吟味する必要があります。すなわち、個々の資産に分解して評価すべきものなのか、それとも各資産が有機的に結合し超過収益力を生み出すような事実関係に昇華しているとみなせるものなのか、といった点が判断要素となるものと考えられます。本件について営業権と称するものの内容が、仮に、専らゴルフ練習場の建物及び構築物といった個別の減価償却資産により構成されており、それ自体に超過収益力を見出すことができないのであれば、それが法人税法上の「営業権」と解される余地はないものと考えられます。 ■ ■ ■ 解 説 ■ ■ ■ (1) 無形資産の減価償却費 企業の有する固定資産のうち、使用又は時間の経過によって価値の減少するものを減価償却資産という。そのような減価償却資産は、企業において長期にわたり収益を生み出す源泉であることから、費用収益対応の原則から、その取得費につき使用又は時間の経過によって価値の減少する度合いに応じて徐々に費用化すべきといえる(※1)。このような企業会計の考え方に則って、法人税法上も、資産の取得価額を一時の費用とするのではなく、徐々に費用化する手続きが減価償却である。 (※1) 金子宏『租税法(第24版)』(弘文堂・2021年)389頁参照。 上記固定資産の中には、建物や機械装置のような有形の減価償却資産と、鉱業権、水利権、無体財産権、営業権(のれん、法令13八ヨ)といった無形の減価償却資産とがある(※2)。無形の減価償却資産に係る償却方法については、鉱業権を除く無形減価償却資産(営業権を含む)は定額法が、鉱業権については定額法及び生産高比例法が認められている。 (※2) 金子前掲(※1)書389頁。   (2) 営業権の取り扱い 法人税法上営業権とは、判例において、企業の長年にわたる伝統と社会的信用、立地条件、特殊の製造技術及び特殊の取引関係の存在並びにそれらの独占性等を総合した、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係である、と解されている(最高裁昭和51年7月13日判決・訟月22巻7号1954頁)。 営業権の中心をなすのは企業の超過収益力であり、一般に「のれん」と称されるものである。法人税法上、当該「のれん」は企業が任意に計上できるものではなく、有償で譲り受けもしくは吸収分割あるいは合併によって取得した場合、又は会社更生手続きにおける評定による場合にのみ計上し、減価償却できるものと解されている(※3)。 (※3) 金子前掲(※1)書394頁参照。   (3) 土地営業権原価に係る償却費の損金該当性が争われた事例 それでは本件と同様に、土地営業権原価に係る償却費の損金該当性が争われた事例(東京地裁平成30年1月25日判決・税資268号-12(順号13117)、TAINSコード:Z268-13117)について、以下で確認してみたい。 ① 事案の概要 本件は、不動産の売買等を目的とする株式会社である原告が、平成21年10月期から平成24年10月期までの各事業年度に係る法人税の申告において、平成20年10月期の貸借対照表上「土地営業権原価」という勘定科目で固定資産に計上されていた金額には減価償却資産である無形固定資産(営業権)が含まれることを前提に、これに係る償却費を当該事業年度の損金の額にそれぞれ算入したところ、神田税務署長から、上記「土地営業権原価」は原告が過去に取得した土地を平成12年10月期に譲渡したことにより生じた譲渡損失に相当する金額の残額であって、本件各事業年度において減価償却し得るものではないから、本件各償却額は本件各事業年度における損金の額に算入すべき金額とは認められないとして、本件各事業年度に係る法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたため、被告を相手に、本件各更正処分等の取消しを求める事案である。 原告は、①ゴルフ練習場施設の建設用地とする目的で取得した上記土地につき、平成12年10月期に譲渡したものの、いまだこれを買主に引き渡していないから、譲渡損失は発生していない、②原告において上記土地につき開発許可を得るために必要な公共施設の管理者の同意を得るなどしたことから、上記「土地営業権原価」には減価償却資産である営業権が含まれているなどと主張して、本件各更正処分等の適法性を争っている。 ② 事案の争点 本件における争点は、各更正処分等の適法性であり、具体的には「土地営業権原価」に係る各償却額を各事業年度における損金の額に算入することの可否である。 ③ 裁判所の判断 なお、本件は控訴されたが(東京高裁平成30年7月18日判決・税資268号-65(順号13170)、TAINSコード:Z268-13170)、棄却され確定している。 ④ 本裁判例から学ぶこと 本裁判例は、減価償却費計上の基礎となる「営業権」の有無と、減価償却資産の取得のタイミングが問題となった。 まず「営業権」についてであるが、最高裁昭和51年7月13日判決のいう「他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係である」かどうかが判断基準となるであろう。他企業から買収したものについては、その内容を吟味する必要があるが、個々の資産に分解して評価すべきものなのか、それとも資産が有機的に結合し超過収益力を生み出すような事実関係に昇華しているとみなせるものなのか、といった点が判断要素となるであろう。本裁判例についてみれば、「土地営業権原価」の内訳は土地の取得価額及びゴルフ練習場施設の建設費であり、営業権のような無形の財産的価値を有する事実関係とは言い難く、単にそれぞれを個別の資産として評価し、土地については非減価償却資産、ゴルフ練習場施設の建設費は減価償却資産として取り扱うべきものと考えられる。実務上、営業権の有無とその判断基準を理解する際に参考になる裁判例であるといえよう。 次に、ゴルフ練習場施設の建設費についてであるが、これは減価償却資産であるので、問題となるのはその取得のタイミングである。すなわち、企業が減価償却資産の償却費を各事業年度の損金の額に算入するためには、その事業年度の終了より前にそれを取得していることが必要となる(※4)。裁判所が認定したとおり、「本件のゴルフ練習場施設は本件各事業年度の末日までに完成しておらず、原告は減価償却資産である同施設をいまだ取得していない」ことから、当該施設に係る減価償却費を本件各事業年度において計上することはできないこととなる。減価償却費の計上のためには、減価償却資産を取得し、かつそれを事業の用に供していることが必要となる。これも実務で重要なポイントとなる事項であるため、改めて確認しておきたいところである。 (※4) 金子前掲(※1)書389頁。   (4) 本件へのあてはめ 法人税法上の「営業権」とは、判例上、他の企業を上回る企業収益を稼得することができる無形の財産的価値を有する事実関係であると解されており、他企業から買収したものについては、その内容や構成要素を個別に吟味する必要がある。すなわち、個々の資産に分解して評価すべきものなのか、それとも各資産が有機的に結合し超過収益力を生み出すような事実関係に昇華しているとみなせるものなのか、といった点が判断要素となるものと考えられる。本件について営業権と称するものの内容が、仮に、専らゴルフ練習場の建物及び構築物といった個別の減価償却資産により構成されており、それ自体に超過収益力を見出すことができないのであれば、それが法人税法上の「営業権」と解される余地はないものと考えられる。 (了)

#No. 597(掲載号)
#安部 和彦
2024/12/05

租税争訟レポート 【第76回】「処分取消請求事件~国税不服審判所の裁決取消しを求める訴えの利益の有無(大阪地方裁判所令和4年6月30日判決)」

租税争訟レポート 【第76回】 「処分取消請求事件 ~国税不服審判所の裁決取消しを求める訴えの利益の有無 (大阪地方裁判所令和4年6月30日判決)」   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   【判決の概要】   【事案の概要】 本件は、個人事業を営む原告が、平成27年分から平成29年分まで(本件各年分)の所得税及び復興特別所得税(所得税等)に係る更正処分等を不服として、令和3年6月10日付けで審査請求をしたところ、国税不服審判所長から、同年8月24日付けで、本件審査請求をいずれも却下する旨の裁決(大裁(所)令3第6号。以下「本件裁決」という)を受けたため、被告を相手に、本件裁決の取消しを求める事案である。   【訴訟提起に至る経緯】 1 平成30年12月18日審査請求に至る経緯 平成30年12月18日審査請求に至る経緯は、以下のとおりである。 2 令和元年7月11日審査請求に至る経緯 令和元年7月11日審査請求に至る経緯は、以下のとおりである。 3 令和元年12月6日付け裁決(前件裁決) 国税不服審判所長は、前件審査請求①に係る審理手続に、前件審査請求②に係る審理手続を併合したうえで、令和元年12月6日付けで、平成28年分の所得税等に係る過少申告加算税の賦課決定処分の取消しを求める部分を不服申立ての利益を欠く不適法なものとして却下し、その他の審査請求についてはいずれも棄却する旨の裁決をした。 4 令和3年8月24日付け裁決(本件裁決) 国税不服審判所長は、令和3年8月24日、以下の理由により、本件審査請求をいずれも却下する旨の裁決をした。 5 本件訴えの提起(顕著な事実) 原告は、令和3年11月4日、本件訴えを提起した。   【争点と当事者の主張】 1 本件裁決の取消しを求める訴えの利益の有無〔争点1〕 (1) 被告の主張 被告は、原告による本件裁決に係る審査請求が、審査請求に対して裁決(前件裁決)がされた処分と同一の処分に対して、再度、審査請求がされていることから不適法となること、さらに、原告が本件各原処分のあったことを知った日から審査請求をした令和3年6月10日まで、少なくとも約1年11ヶ月が経過しているから、本件各原処分に対する審査請求は、国税通則法77条1項本文が規定する不服申立期間の経過後にされたものとなることから不適法であると主張した。 そのうえで、被告は、審査請求は、原処分が違法又は不当であるとしてその取消しを求めるものであるから、当該審査請求に対する裁決の取消しを求める訴えの目的も、究極的には原処分の取消しを求めることにあると解されることから、審査請求が不適法であって補正することができないものである場合には、当該審査請求に対する裁決を取り消したとしても、裁決行政庁としては、改めて当該審査請求を不適法として却下するほかなく、裁決によって原処分が取り消される余地はないため、裁決の名宛人である原告には、当該裁決の取消しを求めることにつき法律上の利益を有しないと解すべきであるから、本件裁決の取消しを求める原告の訴えは、訴えの利益を欠くものとして不適法であると主張した。 (2) 原告の主張 原告は、上記の被告の主張に対して、いずれも争うとした。 2 本件裁決の適法性〔争点2〕 (1) 被告の主張 被告は、原告による審査請求をいずれも却下する旨の裁決であるところ、〔争点1〕に対する被告の主張のとおり、本件各原処分に対する審査請求は、いずれも不適法であるから、審査請求をいずれも却下した本件裁決は適法であると主張した。 そのうえで、原告による、経費等を認めなかったことが違法である旨の主張については、これは本件各原処分及び本件各賦課決定処分の違法事由であって、本件裁決の違法事由をいうものではないから、失当であるとした。 (2) 原告の主張 原告は、右京税務署長は、右京税務署職員のミスを庇い、原告に対する意趣返しの趣旨で経費等を認めないまま税額を算出したものであり、本件裁決は、右京税務署長が算出した税額を身内擁護的に維持したものであるから、本件裁決は取り消されるべきものであると主張した。   【大阪地方裁判所の判断】 大阪地方裁判所は、結論としては、原告の請求は理由がないからこれを棄却するという判決を言い渡した。争点ごとの、裁判所の判断は次のとおりである。 1 本件裁決の取消しを求める訴えの利益の有無〔争点1〕 裁判所は、被告による、本件審査請求は不適法であって補正することができないものであるから、本件裁決の取消しを求める訴えの利益はないという主張に対して、本件審査請求が不適法であるかどうかは、本件裁決の適法性という正に本案の問題であり、その審理判断の結果、本件審査請求が適法であるとして本件裁決が判決により取り消された場合には、本件裁決がされていない状態に復することにより、審査請求人である原告は、裁決行政庁である国税不服審判所長による審査を改めて受けることが可能となるのであるから、原告は、本件裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するというべきであるという判断を示したうえで、被告の主張は、訴訟物そのものである本件裁決の適法性という本案の問題を、本案前の訴訟要件の問題と混同するもの(本案の判断の結果をもって本案前の判断を行うもの)であって、採用することができないと判示した。 さらに裁判所は、審査請求は、法令に基づく申請の一種であるから、審査請求を却下する裁決は、法令に基づく申請が不適法であることを理由とする却下処分とその性質を共通にするところ、法令に基づく申請が不適法であるとして却下処分がされ、その却下処分の取消訴訟が提起された場合につき、本案審理の結果、当該申請が不適法である、つまり、当該却下処分が適法であるとの判断に至ったとしても、その訴えの利益が否定されて訴えが却下されることはなく、当該却下処分の取消請求が棄却されるにとどまるのであって、その性質を共通にする却下裁決の場合につき、これと別異に解すべき合理的な根拠は見いだし難いというべきであるから、本件審査請求がいずれも不適法であったとしても、それは本件裁決の適法性という本案の問題であって、これにより本件裁決の取消しを求める訴えの利益は否定されないというべきであると付言を行い、重ねて被告の主張を採用することができないと述べた。 2 本件裁決の適法性〔争点2〕 裁判所は続いて、〔争点2〕について、次のように判示した。 (1) 本件裁決のうち本件各原処分に対する審査請求を却下した部分の適法性について 裁判所は、原告による審査請求について、事実認定をもとに、次のように判示した。 すなわち、原告は、平成30年12月18日に本件各賦課決定処分を不服として前件審査請求①を行い、令和元年7月11日に本件各更正処分等を不服として前件審査請求②を行ったものであるから、遅くとも、同日までには、本件各原処分があったことを知ったものと認められるところ、本件審査請求は、令和3年6月10日付けでされたものであるから、令和元年7月11日の翌日から起算しても約1年11ヶ月を経過しており、不服申立期間(処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年以内)を経過した後にされたものであることが明らかであり、さらに、不服申立期間の徒過につき正当な理由が認められる余地はないことから、本件各原処分に対する審査請求は、国税通則法77条1項及び3項の不服申立期間経過後にされたものであって不適法であり、本件裁決のうち本件各原処分に対する審査請求を却下した部分は、適法である。 さらに、裁判所は、本件審査請求を、前件裁決を不服とする再審査請求と理解した場合であっても、国税通則法その他国税に関する法律において、税務署長がした処分につき再審査請求をすることができる旨の定めはないから、本件審査請求は、いずれにしても不適法であると付け加えた。 (2) 本件裁決のうち前件裁決に対する審査請求を却下した部分の適法性について 次いで、裁判所は、国税不服審判所が前件裁決に対する審査請求を却下した部分については、国税通則法76条1項1号において、同法75条の規定による不服申立てに係る処分については、同条の規定は適用しない旨を定めており、同条の規定による不服申立てに係る処分については、審査請求をすることができないため、前件裁決は、原告による前件審査請求①及び②に係る裁決であるから、この規定に基づきこれを審査請求の対象とすることはできないとして、前件裁決に対する審査請求は、審査請求の対象とすることができない処分に関する審査請求であるから不適法であるという判断を示した。 (3) 原告の主張について 裁判所は、原告による、右京税務署長が職員のミスを庇い、原告の経費等を認めずに税額を算出した違法があるという主張について、原告の主張は、本件各原処分に係る違法事由をいうものと解され、本件裁決に係る違法事由をいうものではないから、主張自体失当であるとして斥けたうえで、さらに、本件訴えが本件各原処分の取消しを求める趣旨であったとしても、本件訴えは本件各原処分の出訴期間経過後に提起されたものであるから、不適法な訴えとして却下されることになるし、本件各原処分の無効確認を求めるものであったとしても、これを無効とするような重大かつ明白な違法があるとは認められないという判断を示した。 (4) 結論 裁判所は、上記(1)及び(2)で示した判断に基づき、本件審査請求はいずれも不適法であるから、本件審査請求をいずれも不適法として却下した本件裁決に誤りはなく、本件裁決は適法であることから、原告の請求は理由がないからこれを棄却する判決を言い渡した。   【判決の特徴】 税務署長による原処分の取消しを求めるという、通常の税務訴訟とは異なり、本件では、原告は、国税不服審判所の裁決取消しを求める訴訟を提起した。被告である国は、審査請求が不適法であって補正することができないものである場合には、当該審査請求に対する裁決を取り消したとしても、裁決行政庁としては、改めて当該審査請求を不適法として却下するほかなく、裁決によって原処分が取り消される余地はないから、当該裁決の取消しを求める訴えの利益はないという主張を行い、原告の請求を棄却するよう求めたが、大阪地方裁判所は、この主張を斥けている。 本件では、審査請求そのものが不適法であり、〔争点2〕に対する原告の主張も、裁決の取消しを求める請求内容とは相容れないものであったことから、裁判所は棄却という結論を導き出しているが、原告による審査請求自体が適法になされたものであった場合には、裁決を取り消す判決が出た場合であっても、原告としては、改めて原処分の取消しを求める訴訟を提起する必要があるのではないかと考えられる(原処分主義。行政事件訴訟法10条2項)。   (了)

#No. 597(掲載号)
#米澤 勝
2024/12/05
#