平成30年3月期決算における会計処理の留意事項
【第3回】
仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋
-全体構成-
Ⅰ 税制改正
Ⅱ 公共施設等運営事業における運営権者の会計処理
Ⅲ 有償ストック・オプションの会計処理
Ⅳ 在外子会社等の会計処理の改正
Ⅴ 仮想通貨の会計処理
【第3回】(本稿)
Ⅵ マイナス金利
Ⅶ 事業報告等と有価証券報告書の一体的開示のための取組
Ⅷ 金融庁の平成28年度有価証券報告書レビューの審査結果
【第4回】 3/15公開
Ⅸ 収益認識
Ⅹ 税効果会計の改正
ⅩⅠ 監査報告書の透明化
Ⅵ マイナス金利
1 実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い
平成29年3月29日に実務対応報告第34号「債券の利回りがマイナスとなる場合の退職給付債務等の計算における割引率に関する当面の取扱い(以下、「マイナス金利取扱い」という)」が公表された。
マイナス金利取扱いは、退職給付債務、勤務費用及び利息費用(以下、合わせて「退職給付債務等」という)の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りがマイナスとなる場合の割引率に関する当面の取扱いを示すことを目的としている(マイナス金利取扱い1)。
(1) 会計処理
マイナス金利取扱いでは、退職給付債務等の計算において、割引率の基礎とする安全性の高い債券の支払見込期間における利回りが期末においてマイナスとなる場合、利回りの下限としてゼロを利用する方法とマイナスの利回りをそのまま利用する方法のいずれかの方法による(マイナス金利取扱い2)。
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