〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方
【第41回】
「売り手によるM&A実施要否のセルフチェック」
公認会計士・税理士
荻窪 輝明
《今回の対象者別ポイント》
買い手企業
⇒売り手がM&Aを望む目的を知るためのポイントを理解する。
売り手企業
⇒M&Aの要否を売り手視点で理解する。
支援機関(第三者)
⇒売り手のM&A実施要否を判断し、M&Aの助言に役立てる。
その他の対象者
⇒売り手のM&A実施要否判断のポイントを知り、M&Aに対する理解を深める。
1 売り手にとってM&Aが必要な手段か
中小企業においてM&Aという手段が浸透しつつありますので、日頃から付き合いのある金融機関、顧問先などを通じて、M&Aに関する情報を集めようとする売り手候補企業があるかもしれません。特に、近年は、事業承継を行うための後継候補者の不在という課題が多く、この課題を解消する観点と、売却に伴うオーナーや創業家の財産獲得の観点から、売り手としてM&Aの実施を検討するケースが多くなっています。
ところで、売り手候補企業にとってM&Aは必要な手段でしょうか。その答えは「No」です。この答えは意外かもしれませんが、M&Aは買い手にとっても売り手にとっても経営判断もしくは手段の1つにすぎませんから、必ずこの手段によらなければならないわけではありません。M&Aにはメリットもデメリットもあるため、他の手段との比較衡量の上で検討すべきであり、M&Aありきであってはいけません。
そこで今回は、M&Aという手段を前に立ち止まるために、売り手候補企業が、M&Aの実施要否の判断を売り手自身に問うためのポイントを解説します。
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