事例で検証する
最新コンプライアンス問題
【第31回】
「紅麹関連製品による健康被害と問題公表の遅延(上)」
弁護士 原 正雄
K製薬は1919年に設立され、東京証券取引所プライム市場に上場し、医薬品や医薬部外品などを製造販売する企業である。
K製薬は、紅麹を用いて「悪玉コレステロールを下げる」機能性表示食品(本件製品)を販売していたが、2024年1月中旬以降、相次いで「本件製品を摂取した顧客に腎障害等が発生した」との連絡を受けた。後に判明したことだが、紅麹の培養タンクに青カビが混入し、腎毒性のある天然化合物「プベルル酸」が生成されたことが原因であった。
K製薬が本件製品を回収するとリリースしたのは、3月22日である。既に最初の症例連絡から2ヶ月強が経過していた。そうしたこともあり、本件との関連が疑われる被害は、医療機関を受診した者2,556名、入院516名、死亡397名にまで拡大した(2024年10月20日付K製薬からの速報値)。また、結果として代表取締役会長が辞任し、代表取締役社長も代表を降りて補償担当の取締役へと降格となった。
K製薬では、なぜ迅速なリリースができなかったのか。K製薬が設定した事実検証委員会の2024年7月22日付「調査報告書」に基づいて分析する。
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