公開日: 2025/03/06 (掲載号:No.609)
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〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第58回】「相手企業に妥協して良い点・譲ってはいけない点」

筆者: 荻窪 輝明

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第58回】
(最終回)

「相手企業に妥協して良い点・譲ってはいけない点」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

《今回の対象者別ポイント》

買い手企業

M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。

売り手企業

M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。

支援機関(第三者)

M&A相手との妥協点、譲れない点を理解して買い手・売り手に対する助言に活かす。

その他の対象者

M&A相手との妥協点、譲れない点を整理して買い手・売り手の見方を知る。

 

1 相手企業との関係がM&Aの成否に影響する

中小M&Aには必ず、2つの当事者が存在します。
本連載のテーマでもある「買う側(買い手)」と「売る側(売り手)」です。

M&Aでは自らの意向どおりにすべてが進むことはほぼあり得ないため、部分的にお互いの妥協点を探り、協議し、合意に向けて解決を図ります。ですから、よほどでない限り、どんな買い手・売り手も大なり小なり、M&A相手に譲る点があります。

このとき何を譲るか・譲らないかの基準は各社によって異なるため、M&Aの当事者がその局面を迎えて個々に判断するしかありません。ただし、将来M&Aが選択肢に入る各社にとって、心構えとして、ある程度の自己判断ができる材料を集め、当社の判断軸を明らかにしておく、整理しておくのは有益だと思います。

そこで、本連載最終回となる今回は、M&Aの相手である買い手又は売り手に対して、妥協しても良い点と、譲ってはいけない点について説明します。

 

2 M&Aの「目的」からブレない

仮に中小M&Aを「会社を対象にした買い物」と例えるなら、大きな金額の買い物ではありますが、衝動買いとはいかないまでも、「まあいいか」と気が大きくなる買い手がいれば、「仕方ないか」と割りきる売り手もいるはずで、モノの売買と似た側面もあります。

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〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第58回】
(最終回)

「相手企業に妥協して良い点・譲ってはいけない点」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

《今回の対象者別ポイント》

買い手企業

M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。

売り手企業

M&A相手との妥協点や譲れない点を理解してM&A対応の参考にする。

支援機関(第三者)

M&A相手との妥協点、譲れない点を理解して買い手・売り手に対する助言に活かす。

その他の対象者

M&A相手との妥協点、譲れない点を整理して買い手・売り手の見方を知る。

 

1 相手企業との関係がM&Aの成否に影響する

中小M&Aには必ず、2つの当事者が存在します。
本連載のテーマでもある「買う側(買い手)」と「売る側(売り手)」です。

M&Aでは自らの意向どおりにすべてが進むことはほぼあり得ないため、部分的にお互いの妥協点を探り、協議し、合意に向けて解決を図ります。ですから、よほどでない限り、どんな買い手・売り手も大なり小なり、M&A相手に譲る点があります。

このとき何を譲るか・譲らないかの基準は各社によって異なるため、M&Aの当事者がその局面を迎えて個々に判断するしかありません。ただし、将来M&Aが選択肢に入る各社にとって、心構えとして、ある程度の自己判断ができる材料を集め、当社の判断軸を明らかにしておく、整理しておくのは有益だと思います。

そこで、本連載最終回となる今回は、M&Aの相手である買い手又は売り手に対して、妥協しても良い点と、譲ってはいけない点について説明します。

 

2 M&Aの「目的」からブレない

仮に中小M&Aを「会社を対象にした買い物」と例えるなら、大きな金額の買い物ではありますが、衝動買いとはいかないまでも、「まあいいか」と気が大きくなる買い手がいれば、「仕方ないか」と割りきる売り手もいるはずで、モノの売買と似た側面もあります。

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連載目次

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方

【第1回】~【第40回】

【第41回】~

筆者紹介

荻窪 輝明

(おぎくぼ・てるあき)

公認会計士・税理士
荻窪公認会計士事務所 代表
太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター

東京都出身。立命館大学法学部卒業後、証券会社、監査法人、コンサルティング会社で勤務。主な業務分野は、上場・非上場会社や医療法人等に対する会計監査、株式上場、組織再編、事業再生、事業承継、株式価値評価、財務デュー・ディリジェンス等の支援業務、税務相談など。びわ湖放送のTV番組「滋賀経済NOW」にレギュラー出演中。神戸大学非常勤講師(2020~2023年)、関西学院大学非常勤講師(2024年)。

【著書】
・「youのたっくす、meになるカイケイ?~あなたの税金、身になる会計!~」(税務研究会出版局、2020年)
・「経営陣に伝えるための「税効果会計」と「財務諸表の視点」」(税務研究会出版局、2019年)。
・「平成31年3月改訂/Q&A 企業再編のための 合併・分割・株式交換等の実務-その法律・会計・税務のすべて-」(共著、清文社、2019年)
・「事例でみるスタンダード債権回収手続-専門家の視点と実務対応-」(共著、新日本法規出版、2019年)

関連書籍

顧問先との会話から引き出す資産対策提案テクニック

101会 税理士 山本和義 他 編著

プロフェッショナル グループ通算制度

公認会計士・税理士 足立好幸 著

会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

詳解 組織再編会計Q&A

公認会計士 布施伸章 著

中小企業の事業再生等ガイドラインの実務

弁護士 福岡真之介 著 弁護士 片井慎一 著 公認会計士・税理士 松田隆志 著

Q&A 中小企業における「株式」の実務対応

東京中小企業投資育成株式会社 公認会計士・税理士 中野威人 著

サクサクわかる! M&Aの税務

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

中小企業の事業承継

税理士 牧口晴一 著 名古屋商科大学大学院教授 齋藤孝一 著

〔目的別〕組織再編の最適スキーム

公認会計士・税理士 貝沼 彩 著 公認会計士・税理士 北山雅一 著 税理士 清水博崇 著 司法書士・社会保険労務士 齊藤修一 著

M&A 無形資産評価の実務

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 編

【電子書籍版】会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

組織再編税制大全

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

経営危機に陥った社長さんを守る最後の救済策

公認会計士・税理士 橋口貢一 著

ケース別 事業承継対策Q&A

太陽グラントソントン税理士法人 著

中小企業の運営・承継における理論と実務 ファミリービジネスは日本を救う

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・ファミリービジネス研究会 著

非公開会社における少数株主対策の実務

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

詳解 グループ通算制度Q&A

デロイト トーマツ税理士法人 稲見誠一・大野久子 監修

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