公開日: 2026/06/25 (掲載号:No.674)
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固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第61回】「売主と記載された者が代理人である旨の表示が契約書になくても、不動産の真の売主が非居住者であることを買主は委任状等を通じて知っていたと認められるから、買主に源泉徴収義務があるとされた事例」

筆者: 菅野 真美

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

【第61回】

「売主と記載された者が代理人である旨の表示が契約書になくても、不動産の真の売主が非居住者であることを買主は委任状等を通じて知っていたと認められるから、買主に源泉徴収義務があるとされた事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷非居住者の不動産の売買と源泉徴収義務

非居住者による日本の不動産の取得が増加している。

国外に住所がある者による東京23区、大阪市、京都市の新築マンションの取得費率(区分所有建物の保存登記において、国外に住所がある者が取得している割合)は次表のとおりである。

地域 2025年 1~6月 2024年 2018年~2023年
での最大値
東京23区 3.5% 1.6% 2.0%(2018)
大阪市 4.3% 5.1% 3.6%(2021)
京都市 2.5% 3.4% 1.6%(2023)

さらに都心6区に絞ると次のようになる。

区名 2025年 1~6月 2024年 2018年~2023年
での最大値
千代田区 7.7% 6.2% 11.4%(2023)
中央区 0.0% 2.2% 4.5%(2018)
港区 4.3% 9.7% 8.5%(2019)
新宿区 14.6% 1.7% 3.8%(2023)
文京区 5.0% 1.9% 5.1%(2022)
渋谷区 8.1% 8.6% 10.8%(2018)

なお、23区で新築マンションを取得した国外に住所がある者の国・地域について、直近では台湾が最も多くなっている。
(データ引用元:令和7年11月25日 国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」)

非居住者が不動産売買契約の当事者である場合に、契約締結の場などに本人が現れるケースは少ない。このような場合は、日本に居住している代理人が立会い、契約書にも代理人として署名押印することが多い。しかし、売主が非居住者の場合、日本の不動産の譲渡対価は国内源泉所得に該当する(所法161①五)。そのため、国内で対価が支払われる場合、原則的には、買主に源泉徴収義務(所法212①)が生ずることになる。税率は10.21%(所法213①二、復興財源確保法28)である。

今回は、不動産の譲渡対価について、買主に源泉徴収義務があるか否か、すなわち、売主が非居住者か内国法人であるかで争われた事案を検討する。

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固定資産をめぐる判例・裁決例概説

【第61回】

「売主と記載された者が代理人である旨の表示が契約書になくても、不動産の真の売主が非居住者であることを買主は委任状等を通じて知っていたと認められるから、買主に源泉徴収義務があるとされた事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷非居住者の不動産の売買と源泉徴収義務

非居住者による日本の不動産の取得が増加している。

国外に住所がある者による東京23区、大阪市、京都市の新築マンションの取得費率(区分所有建物の保存登記において、国外に住所がある者が取得している割合)は次表のとおりである。

地域 2025年 1~6月 2024年 2018年~2023年
での最大値
東京23区 3.5% 1.6% 2.0%(2018)
大阪市 4.3% 5.1% 3.6%(2021)
京都市 2.5% 3.4% 1.6%(2023)

さらに都心6区に絞ると次のようになる。

区名 2025年 1~6月 2024年 2018年~2023年
での最大値
千代田区 7.7% 6.2% 11.4%(2023)
中央区 0.0% 2.2% 4.5%(2018)
港区 4.3% 9.7% 8.5%(2019)
新宿区 14.6% 1.7% 3.8%(2023)
文京区 5.0% 1.9% 5.1%(2022)
渋谷区 8.1% 8.6% 10.8%(2018)

なお、23区で新築マンションを取得した国外に住所がある者の国・地域について、直近では台湾が最も多くなっている。
(データ引用元:令和7年11月25日 国土交通省「不動産登記情報を活用した新築マンションの取引実態の調査・分析について」)

非居住者が不動産売買契約の当事者である場合に、契約締結の場などに本人が現れるケースは少ない。このような場合は、日本に居住している代理人が立会い、契約書にも代理人として署名押印することが多い。しかし、売主が非居住者の場合、日本の不動産の譲渡対価は国内源泉所得に該当する(所法161①五)。そのため、国内で対価が支払われる場合、原則的には、買主に源泉徴収義務(所法212①)が生ずることになる。税率は10.21%(所法213①二、復興財源確保法28)である。

今回は、不動産の譲渡対価について、買主に源泉徴収義務があるか否か、すなわち、売主が非居住者か内国法人であるかで争われた事案を検討する。

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連載目次

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

第1回~第30回 ※クリックするとご覧いただけます。

【第31回】~

筆者紹介

菅野 真美

(すがの・まみ)

税理士・社会福祉士・CFP

関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。

【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
他多数

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