〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方
【第40回】
「売り手がM&Aの必要性・有用性に気づくには」
~第三者の声に耳を傾ける~
公認会計士・税理士
荻窪 輝明
《今回の対象者別ポイント》
買い手企業
⇒売り手候補が増えることで、売り手探しをしやすくなる。
売り手企業
⇒第三者の助言を受けて、M&Aを選択肢の1つとして考えられるようになる。
支援機関(第三者)
⇒売り手候補先の開拓を通して、M&Aの活性化に役立てる。
その他の対象者
⇒売り手がM&Aを検討する契機を知り、M&Aに対する理解を深める。
1 売り手がM&Aを想起する~存続手段としてのM&A~
大半の中小企業(本稿では将来M&Aの売り手になる場合を想定します)にとって、そもそもM&Aは企業経営の将来の選択肢として認識されていません。また、中小企業の経営者の多くは、事業の売却を積極的に検討、活用しようという意識も強くないようです。その背景には、中小企業経営者のM&Aに対する認識が関係していると思われます。
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