〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方
【第42回】
「金融機関、顧問だからこそ知りうるM&Aの兆候と可能性
(買い手編)」
公認会計士・税理士
荻窪 輝明
《今回の対象者別ポイント》
買い手企業
⇒企業経営の選択肢としてM&Aを検討する際のヒントを得る。
売り手企業
⇒金融機関、顧問との関係における買い手の視点を知る。
支援機関(第三者)
⇒買い手のM&Aの意向を酌んで、助言に役立てる。
その他の対象者
⇒第三者視点による買い手のM&Aの兆候と可能性のポイントを知る。
1 買い手のM&Aの可能性
法人企業に接する第三者は、M&Aという切り口から対象企業を眺めるとき、買い手の成長のためのM&A、買い手が売り手の救い手となってほしいと願うM&Aといった観点から、いつでも潜在的な買い手候補企業に提案できるスタンスでいることが業務上大切な役割の1つだと思います。
通常、企業に接する金融機関や顧問先を有する税理士、公認会計士などは、職業特性や業務の関係から、企業の決算書を容易に入手(又は作成等を)する立場にあります。アカウンティングやファイナンスの知見を通じて、今後、対象企業の経営や財務がどのように成長していくのが望ましいかを考え、企業に新たな選択肢を提案することが求められます。
一昔前であれば、自力成長による経営拡大を目指すのがスタンダードだったと思います。しかし、近年の中小企業を取り巻く環境は、決して楽観視できません。従業員の実質賃金や所得向上の課題、為替相場、物価水準、グローバルサプライチェーン、日本の経済成長率、人手不足など様々な事情を考慮すると、自力成長による安泰は新しい産業、成長産業には当てはまるとしても、旧来型の産業、既存の事業については当てはまらない可能性が高いです。
企業のおかれた状況によりますが、選択肢としてM&Aを考えられるのであれば、新規参入、シェア拡大、規模の経済性といったメリットを活かして、M&Aによって従来のパターンと異なる成長を遂げる一手になる可能性があります。
今回は、第三者視点で、買い手となりうる候補企業のM&Aの兆候や可能性について検討するためのヒントになりうる内容を紹介します。
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