公開日: 2023/10/05 (掲載号:No.538)
文字サイズ

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第42回】「金融機関、顧問だからこそ知りうるM&Aの兆候と可能性(買い手編)」

筆者: 荻窪 輝明

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第42回】

「金融機関、顧問だからこそ知りうるM&Aの兆候と可能性
(買い手編)」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

《今回の対象者別ポイント》

買い手企業

企業経営の選択肢としてM&Aを検討する際のヒントを得る。

売り手企業

金融機関、顧問との関係における買い手の視点を知る。

支援機関(第三者)

買い手のM&Aの意向を酌んで、助言に役立てる。

その他の対象者

第三者視点による買い手のM&Aの兆候と可能性のポイントを知る。

 

1 買い手のM&Aの可能性

法人企業に接する第三者は、M&Aという切り口から対象企業を眺めるとき、買い手の成長のためのM&A、買い手が売り手の救い手となってほしいと願うM&Aといった観点から、いつでも潜在的な買い手候補企業に提案できるスタンスでいることが業務上大切な役割の1つだと思います。

通常、企業に接する金融機関や顧問先を有する税理士、公認会計士などは、職業特性や業務の関係から、企業の決算書を容易に入手(又は作成等を)する立場にあります。アカウンティングやファイナンスの知見を通じて、今後、対象企業の経営や財務がどのように成長していくのが望ましいかを考え、企業に新たな選択肢を提案することが求められます。

一昔前であれば、自力成長による経営拡大を目指すのがスタンダードだったと思います。しかし、近年の中小企業を取り巻く環境は、決して楽観視できません。従業員の実質賃金や所得向上の課題、為替相場、物価水準、グローバルサプライチェーン、日本の経済成長率、人手不足など様々な事情を考慮すると、自力成長による安泰は新しい産業、成長産業には当てはまるとしても、旧来型の産業、既存の事業については当てはまらない可能性が高いです。

企業のおかれた状況によりますが、選択肢としてM&Aを考えられるのであれば、新規参入、シェア拡大、規模の経済性といったメリットを活かして、M&Aによって従来のパターンと異なる成長を遂げる一手になる可能性があります。

今回は、第三者視点で、買い手となりうる候補企業のM&Aの兆候や可能性について検討するためのヒントになりうる内容を紹介します。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第42回】

「金融機関、顧問だからこそ知りうるM&Aの兆候と可能性
(買い手編)」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

《今回の対象者別ポイント》

買い手企業

企業経営の選択肢としてM&Aを検討する際のヒントを得る。

売り手企業

金融機関、顧問との関係における買い手の視点を知る。

支援機関(第三者)

買い手のM&Aの意向を酌んで、助言に役立てる。

その他の対象者

第三者視点による買い手のM&Aの兆候と可能性のポイントを知る。

 

1 買い手のM&Aの可能性

法人企業に接する第三者は、M&Aという切り口から対象企業を眺めるとき、買い手の成長のためのM&A、買い手が売り手の救い手となってほしいと願うM&Aといった観点から、いつでも潜在的な買い手候補企業に提案できるスタンスでいることが業務上大切な役割の1つだと思います。

通常、企業に接する金融機関や顧問先を有する税理士、公認会計士などは、職業特性や業務の関係から、企業の決算書を容易に入手(又は作成等を)する立場にあります。アカウンティングやファイナンスの知見を通じて、今後、対象企業の経営や財務がどのように成長していくのが望ましいかを考え、企業に新たな選択肢を提案することが求められます。

一昔前であれば、自力成長による経営拡大を目指すのがスタンダードだったと思います。しかし、近年の中小企業を取り巻く環境は、決して楽観視できません。従業員の実質賃金や所得向上の課題、為替相場、物価水準、グローバルサプライチェーン、日本の経済成長率、人手不足など様々な事情を考慮すると、自力成長による安泰は新しい産業、成長産業には当てはまるとしても、旧来型の産業、既存の事業については当てはまらない可能性が高いです。

企業のおかれた状況によりますが、選択肢としてM&Aを考えられるのであれば、新規参入、シェア拡大、規模の経済性といったメリットを活かして、M&Aによって従来のパターンと異なる成長を遂げる一手になる可能性があります。

今回は、第三者視点で、買い手となりうる候補企業のM&Aの兆候や可能性について検討するためのヒントになりうる内容を紹介します。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方

【第1回】~【第40回】

【第41回】~

筆者紹介

荻窪 輝明

(おぎくぼ・てるあき)

公認会計士・税理士
荻窪公認会計士事務所 代表
太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター

東京都出身。立命館大学法学部卒業後、証券会社、監査法人、コンサルティング会社で勤務。主な業務分野は、上場・非上場会社や医療法人等に対する会計監査、株式上場、組織再編、事業再生、事業承継、株式価値評価、財務デュー・ディリジェンス等の支援業務、税務相談など。びわ湖放送のTV番組「滋賀経済NOW」にレギュラー出演中。神戸大学非常勤講師(2020~2023年)、関西学院大学非常勤講師(2024年)。

【著書】
・「youのたっくす、meになるカイケイ?~あなたの税金、身になる会計!~」(税務研究会出版局、2020年)
・「経営陣に伝えるための「税効果会計」と「財務諸表の視点」」(税務研究会出版局、2019年)。
・「平成31年3月改訂/Q&A 企業再編のための 合併・分割・株式交換等の実務-その法律・会計・税務のすべて-」(共著、清文社、2019年)
・「事例でみるスタンダード債権回収手続-専門家の視点と実務対応-」(共著、新日本法規出版、2019年)

関連書籍

プロフェッショナル グループ通算制度

公認会計士・税理士 足立好幸 著

会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

詳解 組織再編会計Q&A

公認会計士 布施伸章 著

サクサクわかる! M&Aの税務

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

〔目的別〕組織再編の最適スキーム

公認会計士・税理士 貝沼 彩 著 公認会計士・税理士 北山雅一 著 税理士 清水博崇 著 司法書士・社会保険労務士 齊藤修一 著

M&A 無形資産評価の実務

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 編

【電子書籍版】会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

組織再編税制大全

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

詳解 グループ通算制度Q&A

デロイト トーマツ税理士法人 稲見誠一・大野久子 監修

社会福祉法人の 組織再編入門

有限責任監査法人トーマツ 編

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

サクサクわかる!超入門 合併の税務

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

合併・分割・株式交換等の実務

公認会計士 髙谷晋介 監修 仰星監査法人 編著

「廃業」を告げられたときの対応ガイド

TOMA税理士法人 税理士 杉井俊文 著

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#