〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第3回】「修正申告を行う意味を考える」
前回は税務調査の意味を検討したが、今回は、税務調査終了時の調査結果説明時に税務当局から持ち掛けられることがある「修正申告」の意味合いを考えてみたい。
修正申告とは、端的には、一度税務申告書を提出し又は更正処分を受けて税額等が確定した納税者が同一の年度について税額が増加する若しくは還付金又は損失の額が減少する税務申告書を提出する行為である(国税通則法第19条)。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第43回】「最近の裁判例から見た「住所」をめぐる判断要素」
会社のオーナーで、海外と日本を行き来している顧問先があります。このオーナーの住所がどこにあるかが課税関係に大きな影響を受けるのですが、住所がどこにあるかを判断する際に重要な基準は何でしょうか。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第24回】「「特別の利益供与」の該当性」-ケーススタディ-
次のようなケースでは、「特別の利益」の供与(措令25の17⑥二)に該当しますか。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第49回】「特定譲渡制限付株式の会計処理」
会社が役員に対して報酬債権を付与し、役員等から報酬債権の現物出資を受けるのと引き換えに、その役員等に対して交付された一定期間の譲渡制限がある株式のことを「特定譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」といいます。近年、当該株式を交付しているケースが増えています。
そこで、今回は、「特定譲渡制限付株式の会計処理」について解説します。なお、「特定譲渡制限付株式」については、まだ会計基準がないため、経済産業省から公表されている『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』に沿って解説します。
税効果会計を学ぶ 【第9回】「繰延税金資産の回収可能性③」-企業の分類に関する実務上の留意点-
第8回では、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号。以下「回収可能性適用指針」という)における企業の分類と繰延税金資産の回収可能性について解説した。
今回(第9回)は、第8回で解説した企業の分類に関する実務上の留意点について解説する。
日本の企業税制 【第81回】「令和元年の会社法改正を受けた税制措置と今後の動向」-株式の無償交付による役員報酬等-
昨年12月11日に会社法の一部を改正する法律(以下「改正会社法」)が公布された。
今回の改正は、公布の日から1年6ヶ月以内の政令で定める日から施行されることが予定されている。なお、株主総会資料の電子提供制度の創設等の一部の改正については、公布の日から3年6ヶ月以内の政令で定める日から施行されることが予定されている。
これからの国際税務 【第20回】「電子経済課税ルール確立への最終局面における難題」
G20の政治的リーダーシップの下で、140ヶ国に及ぶ包摂的枠組国間で2020年内の合意達成に向け行われていた電子経済課税ルールに関する協議が、難題に直面している。
今年1月末に、電子経済がもたらす莫大な超過収益の一部について、市場国に新たに課税権を付与する具体策の枠組みが合意され、その内容は2月開催のG20財務大臣中央銀行総裁会議において承認された。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第5回】「〔第1表の1〕法人たる同族関係者の範囲と株主判定」
下記の通り、経営者甲が所有しているA社株式の全て(議決権総数の14%に相当する株式)を後継者乙に贈与する場合において、A社株式の評価方式は原則的評価方式が適用されるのでしょうか。それとも特例的評価方式(配当還元価額等)が適用されるのでしょうか。
なお、B社の株主はいずれもA社の役員及び従業員であり、B社の議決権行使は甲に一任されています。D社はA社の主要な取引先であり、甲及び乙の同族関係者には該当しないものとします。
相続税の実務問答 【第49回】「贈与税額控除により相続税額が算出されない場合の相続税の申告義務」
今年の1月に母が亡くなりました。相続人は父と私の2名です。母の遺産の総額は、4,000万円で、遺産分割協議の結果、その全てを私が相続することとなりました。
私は、一昨年に母から現金300万円の贈与を受けていますので、この金額を相続税の課税価格に加算して相続税の計算をすると次のようになります。