公開日: 2020/07/16 (掲載号:No.378)
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これからの国際税務 【第20回】「電子経済課税ルール確立への最終局面における難題」

筆者: 青山 慶二

これから国際税務

【第20回】

「電子経済課税ルール確立への最終局面における難題」

 

千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二

 

1 はじめに

G20の政治的リーダーシップの下で、140ヶ国に及ぶ包摂的枠組国間で2020年内の合意達成に向け行われていた電子経済課税ルールに関する協議が、難題に直面している。

今年1月末に、電子経済がもたらす莫大な超過収益の一部について、市場国に新たに課税権を付与する具体策の枠組みが合意され、その内容は2月開催のG20財務大臣中央銀行総裁会議において承認された。

合意された枠組みは、課税権の新たな付与の理論的根拠として、市場国のユーザー参加及びそのデータに着目する英国提案、マーケティング無形資産の存在に着目する米国提案、更には、重要な経済的存在(顧客、契約など)に着目するインドなど途上国提案のそれぞれを統合した「統合的アプローチ」と呼ばれるものである。

本稿では、この統合的アプローチ提案とそれに対し米国が提示した代替案を紹介し、当初目的としてきた今年中の新たな課税権付与を目指す国際合意を難しくしている状況を検証する。

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これから国際税務

【第20回】

「電子経済課税ルール確立への最終局面における難題」

 

千葉商科大学大学院 客員教授
青山 慶二

 

1 はじめに

G20の政治的リーダーシップの下で、140ヶ国に及ぶ包摂的枠組国間で2020年内の合意達成に向け行われていた電子経済課税ルールに関する協議が、難題に直面している。

今年1月末に、電子経済がもたらす莫大な超過収益の一部について、市場国に新たに課税権を付与する具体策の枠組みが合意され、その内容は2月開催のG20財務大臣中央銀行総裁会議において承認された。

合意された枠組みは、課税権の新たな付与の理論的根拠として、市場国のユーザー参加及びそのデータに着目する英国提案、マーケティング無形資産の存在に着目する米国提案、更には、重要な経済的存在(顧客、契約など)に着目するインドなど途上国提案のそれぞれを統合した「統合的アプローチ」と呼ばれるものである。

本稿では、この統合的アプローチ提案とそれに対し米国が提示した代替案を紹介し、当初目的としてきた今年中の新たな課税権付与を目指す国際合意を難しくしている状況を検証する。

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連載目次

これからの国際税務

筆者紹介

青山 慶二

(あおやま・けいじ)

現 職:千葉商科大学大学院 客員教授
    21世紀政策研究所 国際租税研究主幹
専 門:国際租税

【略歴】
1971年 東京大学法学部卒業
1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)、国税庁入庁
1998年 国税庁国際業務課長
2003年 ニューヨーク大学ロースクール客員研究員
2004年 国税庁審議官(国際担当)
2006年 国税庁退職、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
2012年 早稲田大学大学院会計研究科教授(2019年3月定年退職)
2020年 千葉商科大学大学院客員教授

【主な審議会等委員】
OECD租税委員会(1998年~2000年、2004年~2006年)
経済産業省国際課税小委員会座長(2008年~2014年)
国連経済社会理事会・税に関する専門家委員会 委員(2009年~2014年)
国際租税協会(IFA)常設研究企画委員会 委員(2010年~2018年)
政府税制調査会専門家委員会 特別委員(2010年~2011年)

【近年の著書】
『米国内国歳入法第482条(移転価格)に関する財務省規則』社団法人日本租税研究協会(1995年)
『国際課税の理論と実務』(共著)有斐閣(1997年)
『改訂版国際課税の理論と課題』(共著)税務経理協会(1999年)
『租税条約の理論と実務』(共著)清文社(2008年)
『日本の税をどう見直すか』(共著)日本経済新聞出版社(2010年)
『国際課税の理論と実務73の重要課題』(共著)大蔵財務協会(2011年)
『現代税制の現状と課題(国際課税編)』(単著)新日本法規出版(2017年)

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