被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔会計面のアドバイス〕 【第4回】「棚卸資産の処理」
大地震や集中豪雨などにより、法人の所有する製品や商品などの棚卸資産に物理的な被害が発生することがある。棚卸資産が被災した場合、法人は会計上どのような対応をとるべきか。
本稿では、災害の混乱が収まるまでの対応、その後の実地棚卸による災害被害額の認識と測定の仕方及び会計処理について見ていく。
金融商品会計を学ぶ 【第26回】「ヘッジ会計⑦」
引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第120回】引当金の会計処理⑥「投資損失引当金」
[Question]非上場子会社の財政状態が悪化し、当該子会社株式の実質価額が著しく低下しているとは認められないものの、実質価額がある程度下落していると考えられる場合に必要な会計処理について教えてください。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第25回】「租税法の解釈②」-通達の読み方とその問題点(貸倒損失を事例として)-
損失の額は、元来、収益との対応にも期間との対応にもなじまないものといえます。その点から考える限りは、収益を得るために直接必要なものであったといえない面もあります。
しかし、損失の額は、法人の生み出した剰余を減殺しており、所得計算上のマイナス要素であることは明らかで、しかも、法人は、その活動の全てを通じて剰余を生み出そうとしており、その活動の中で剰余を減殺するものが存在する限り、それが収益を生むために直接必要であったか否かを問わず損金の額に算入されるべきです。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第6回】「別表6(10) 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」
第6回目は、実務上適用例が増えてきているものの、一般的な書籍等では解説される機会がまだ少なく、かつ最近様式改訂があった「別表6(10) 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」を採り上げる。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例40(贈与税)】 「代表者及びその配偶者が所有する同族会社債権を放棄させたため、同族会社の株主間で株価上昇分の価値の移転が発生し、みなし贈与となった事例」
税理士の主導により、同族会社の代表者の相続税対策及び同族会社の財務体質改善のため、代表者(以下甲という)及びその配偶者(以下乙という)が所有する同族会社債権を放棄させた。これにより、同族会社の株主間で株価上昇分の価値の移転につきみなし贈与が発生した。しかし、実際には甲に相続税はかからず、また、同族会社も休業状態となったことから、これらの債権放棄は、贈与税を負担してまでも行う必要がなかった。したがって、債権放棄に係るみなし贈与により負担した贈与税270万円につき損害が発生したとして賠償請求を受けた。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q5】「外国法人が発行した外貨建利付債券の利子の取扱い」~「国外」で受け取る場合~
私(居住者たる個人)は、外国証券会社を通じ、外国法人が国外で発行する外貨建利付債券を購入し、当該外国証券会社の国外の口座にて保有する予定です。
この債券は利払いが年2回行われますが、この利子については税務上どのように取り扱われますか。なお、当該利子については国外では課税されていません。
連結納税適用法人のための平成28年度税制改正 【第6回】「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設」
地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対する企業の寄附について、現行の損金算入措置に加え、住民税、事業税、法人税の税額控除の優遇措置を新たに講じ、地方創生に取り組む地方を支援する制度として、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設された。
地方創生応援税制の優遇措置を受けるための手続は次のとおりである。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第16回】「宥恕規定・収用換地等特別控除」~やむを得ない事情がないと判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して、修正申告書において損金の額に算入された収用等の特別控除を否認した法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた、国税不服審判所平成13年6月27日裁決(裁決事例集61号427頁。以下「本裁決」という)を取り上げる。
