貸倒損失における税務上の取扱い 【第33回】「法人税基本通達改正の歴史②」
前回、解説したように、昭和25年度にシャウプ勧告に基づいて貸倒準備金制度が導入されるとともに、法人税基本通達において、貸倒損失の明確化が図られた。
しかし、それだけで問題は解決されたわけではなく、「売掛債権の償却の特例等について(昭和29年7月24日直法1-140)」と題する通達が公表され、現在の個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の原型ともいえる「債権償却引当金」が導入されるに至った。以下では、本通達の具体的な内容と、昭和25年度税制改正から昭和29年度の上記通達導入までにおける貸倒損失の考え方について解説を行うこととする。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第22回】「雇用関連税制と税額控除」
Q 当社は資本金額1,000万円の食品加工業を営む内国法人(3月決算)であり、平成27年3月期における給与等の人件費の支給見込み額は次のとおりです。
新たに従業員を雇用したり、従業員への給与を増額した場合には、税額控除を受けられると伺いました。中小企業向けの雇用関連税制の概要について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第12回】「工事完成基準と工事進行基準」
今回は、工事完成基準と工事進行基準の会計処理について解説する。
工事完成基準と工事進行基準の会計処理は以下の6つのSTEPで検討することになる。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《賞与引当金》編 【第4回】「役員賞与引当金」
平成18年の会社法施行以前は、利益処分により役員賞与を支給するのが一般的で、このような役員賞与は未処分利益の減少として処理されていましたが、会社法施行以後は、費用として処理することに変わりました。
今回は、定時株主総会により承認される役員賞与の会計処理についてご紹介します。
IFRSの適用と会計システムへの影響 【第4回】「サブシステムへの影響(後編)」
過年度遡及修正が生じた場合、単純に考えると、総勘定元帳システムに保存されている過年度分のデータ対し修正仕訳を入れる方法が思い浮かびます。この処理をすることにより、過年度修正がそれ以降の事業年度の総勘定元帳データに反映されます(図1)。
日本の企業税制 【第14回】「平成27年度税制改正を展望する」
以上の課税ベース拡大等を実効税率に換算すれば、仕上り時(平年度)分で2.1%~2.2%、平成27年度(初年度)分では1.5%程度でしかない。そうなれば、全体としては税収中立でも、企業・業界によってはかえって増税となる企業が続出する。
5%・8%税率が混在する消費税申告書の作成手順 【第2回】「一般課税の申告書・付表作成の流れ(後編)」
この帳票は、従来作成していた確定申告書の内容を税率ごとに計算するための帳票となっている。したがって、この帳票を税率区分ごとに正確に作成し、その合計額を確定申告書に反映させることとなる。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第16回】「日本IBM事件①」
第16回以降においては、みなし配当と株式譲渡損の両建てを行った後に、連結納税により損益通算を行った行為に対して、同族会社等の行為計算の否認が適用された事件について解説を行う。
本事件で利用されたストラクチャーについては、平成22年度税制改正によりグループ法人税制が導入されたことにより利用することができなくなったが、資本等取引、連結納税に対する同族会社等の行為計算の否認の適用可否について、今後、参考になるものと考えられる。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第16回】「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求」
Q 当社は、設立直後に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出しています。
7~12月に源泉徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額は20万円、年末調整による還付額の合計額は25万円、結果として、1月20日に納付する所得税及び復興特別所得税は0円となりました。また、当社は、業績不振のため、平成26年12月31日をもって休眠します。差額の5万円は、平成27年1月以降の給与から順次控除すべきですが、平成27年中に給与を支給する予定はなく、控除ができないため、還付を受けたいと考えています。
源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求についてご教示ください。
税務判例を読むための税法の学び方【50】 〔第6章〕判例の見方(その8)
公権力の行使に当たる行政庁の行為の取消しを求める訴訟である行政訴訟もまた、通常、特別訴訟の一種とされている。
行政事件訴訟法第7条に「行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。」と規定されているように、行政訴訟は行政事件訴訟法を根拠法令としつつも、行政事件訴訟法の規定がない事項に関しては民事訴訟法に依ることから、広い意味で民事訴訟の一種とされ、その意味で特別訴訟の一種されている。