酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第20回】「医療費控除の対象となる『医薬品』(その2)」
ここでは、特に医療費控除の対象となる「医薬品」について関心を寄せたいが、福島地裁は、かかる自然医食品の購入費用を社会通念からみて「疾病の治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価」と認めることができないとしている。
平成26年度税制改正における消費税関係の改正事項 【第1回】「簡易課税制度のみなし仕入率の見直し①(改正内容の確認)」
平成26年5月29日付けで公表された改正後の消費税法基本通達13-2-4は、第三種事業に該当することとされている製造業等、第五種事業に該当することとされているサービス業等、第六種事業に該当することとされている不動産業の範囲は、おおむね日本標準産業分類の大分類に掲げる分類を基礎として判定することとしている。
事業者等から質問の多い項目をまとめた「生産性向上設備投資促進税制」の『Q&A集』について 【第2回】「A類型(先端設備)に係る留意点」
設備ユーザー(設備投資を行う事業者)は、設備メーカーに対し、証明書の発行依頼を口頭等で行うだけでよく、実際の申請は設備メーカーが行うことになる。設備メーカーは、設備ユーザーから依頼があった場合、設備の種類毎に指定された工業会等に対し申請を行い、要件を満たしている場合、工業会等から証明書が発行される。なお、設備メーカー自身が工業会等に属している必要はなく、非会員であっても申請可能である。
建築物の『耐震改修工事』に伴う税務上の留意点~耐震改修促進税制を中心に~ 【第2回】「耐震改修促進税制の適用とその他の留意点」
前回は耐震改修促進法の改正により耐震診断が義務づけられた建築物の要件について確認したが、今回は平成26年度税制改正で創設された耐震改修促進税制(租税特別措置法第43条の2:耐震基準適合建物等の特別償却)及び、本税制の適用有無にかかわらず耐震改修工事を行う場合に留意しておきたい税務上のポイントについて解説する。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第8回】「『平成26年3月31日までに終了する事業年度』に生産性向上設備等を取得した場合の申告書の記載方法の確認」
今回は、『平成26年3月31日までに終了する事業年度』において、生産性向上設備等を取得した場合の申告書の記載方法について具体例を基に確認していく。
産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)以降、平成26年3月31日までに終了する事業年度にて対象設備を取得等し事業の用に供した場合は、その年度では税制措置が受けられず、翌事業年度に税制措置を受けることとなる。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第24回】「判例分析⑩」
第23回で解説したように、本事件においては、被告側の主張としては、法人税基本通達9-4-1の適用を否定しておらず、その帰属年度のみについて争っている。すなわち、寄附金には該当しないという判断を行っていることが分かる。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第28回】 「延納を行う際に気をつけたいこと」
延納が認められた場合、相続税額のうち金銭で納付することを困難とする金額を限度として、延納期間にわたって、分割して相続税を納税することができる。
ただし、この場合、相続税に加えて「利子税」を納付し、かつ、「担保」を提供する必要がある。「延納期間」及び「利子税割合」は下表の通りである。
日本の会計について思う 【第8回】「“2つの”中小企業会計基準が抱えるジレンマ」
中小企業の収益性を評価するには財務諸表が不可欠であるが、そのためには大企業向けとは異なる中小企業向けの適切な会計基準が必要とされる。
こうした要請を受けて策定されたのが「中小会計指針」であり、また「中小会計要領」である。
そして現在、わが国には2つの中小企業会計基準が併存する。
これは特異な状況である。
基礎から学ぶ統合報告 ―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に― 【第5回】「7つの「指導原則」とは?(その2)」
「重要性」の定義は、「情報の結合性」と同様にシンプルなものですが、フレームワークの「指導原則」の中では最も紙面を割いて説明しています。
なぜ、フレームワークでは「重要性」を大事なポイントして扱っているのでしょうか。
統合報告の主たる目的は、企業の長期にわたる価値創造のプロセスや見通しをステークホルダーに簡潔明瞭に伝えることであったと思います。ところが、価値創造につながる事象は、企業活動の様々な領域において、直接的または間接的に広範囲に存在しており、どれをどの程度伝えれば良いかを判断するのが非常にやっかいです。