中小法人の〈交際費課税〉平成26年度改正のポイント 【第2回】「改正により生じた実務の疑問点」
前回は平成26年度改正のあらましについて解説したが、第2回はこの改正を受けて新たに生じた中小法人の交際費課税実務の疑問点について解説したい。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第2回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)②」
第1回目で解説したように、本事件の争点は下記の3点である。
① 法人税法132条の2の意義【争点1】
(ⅰ) 法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」(不当性要件)の解釈について
(ⅱ) 「その法人の行為又は計算」の意義について
② 法人税法施行令112条7項5号の要件を充足する本件副社長就任について、法132条の2の規定に基づき否認することができるか否か【争点2】
③ 本件更正処分に理由付記の不備があるか否か【争点3】
原告には7名の著名な学者の鑑定書、被告には今村教授のほか財務省主税局のOBである朝長税理士が鑑定書を出されており、裁判所の判断を分析する前に、それぞれ原告、被告の主張に触れてみるのも意義のあることと考えている。
原告、被告の主張は、判決文の別紙4に記載されており、争点ごとにまとめられているため、第2回目以降は、それぞれの争点ごとにおける原告、被告の主張について検討したい。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第2回】「報酬の分割支払時の復興特別所得税の計算」
当社は、フリーの経営コンサルタントと契約することになりました。報酬額は200万円(税込)で、6月に50万円、9月に残り150万円を支払う契約になっています。この場合の所得税及び復興特別所得税の計算方法についてご教示ください。
また、その経営コンサルタントが「手取額が減るので、所得税及び復興特別所得税の源泉徴収をしないでほしい」と言うのですが、将来、税務調査で徴収もれを指摘されないでしょうか。
[個別対応方式及び一括比例配分方式の有利選択を中心とした]95%ルール改正後の消費税・仕入税額控除の実務 【第7回】「「課税売上割合に準ずる割合」の実務」-課税売上割合・課税売上割合に準ずる割合の意義-
本連載では消費税の仕入税額控除の実務についてみているところであるが、第7回となる今回は、個別対応方式の一形態であり、一般になじみの薄い「課税売上割合に準ずる割合」の意義とその選択を検討すべきケースについて見ていくこととする。
「課税売上割合に準ずる割合」の意義を検討する前に、まず「課税売上割合」の意義について見ていくこととする。平成23年度の税制改正後の課税仕入れ等に係る消費税額の具体的な計算方法は、以下の区分により行うこととなる。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第15回】「給与計算と労働保険」
当社は資本金額1,000万円の食料品製造業を営む内国法人(3月決算)です。この度、新たに子会社を設立しました。
給与所得に対する源泉徴収事務の流れの中で、給与計算には所得税を源泉徴収する以外にも、労働保険料を計算する必要があるとお聞きしました。
給与計算における労働保険実務の概要について教えてください。
税務判例を読むための税法の学び方【36】 〔第5章〕法令用語(その22)
これから分かるように、「科料」は、死刑・懲役・禁銅・罰金・拘留と並んで主刑の一つであるが、そのうち最も軽いものであり、罰金とともに財産刑の一種である。このため「科料」の場合には特別の定めがない限り刑法総則の規定が適用され、その手続は刑事訴訟法によることになる。
したがって、この「科料」について、前回説明した「科する」か「課する」いずれを使うかという点で確認すれば、これは刑罰の一種であるから、「科する」を使うことになる。
《編集部レポート》 東京税理士会が報道関係者との懇談会を開催~消費税の軽減税率へ反対を表明・相続税の増税へ向け無料相談会を実施~
東京税理士会は2014年5月23日(金)、日本記者クラブにおいて「報道関係者との懇談会」を開催し、税制改正に関する意見発表を行った。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第5回】「連結財務諸表における税効果会計」
税効果会計は大きく「個別財務諸表における税効果会計」、「連結財務諸表における税効果会計」、「連結納税における税効果会計」に分けることができる。前回は「個別財務諸表における税効果会計」について解説したが、今回は「連結財務諸表における税効果会計」について解説する。「連結納税における税効果会計」は次回取り上げたい。
連結財務諸表の作成は、親会社及び連結子会社の個別財務諸表を単純合算することから始まる。本解説では、単純合算「後」を解説する。
連結財務諸表における税効果会計は、以下の5つのステップに分けることができる。
減損会計を学ぶ 【第9回】「共用資産の減損の兆候・のれんの減損の兆候」
「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)、「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損適用指針」という)では、共用資産及びのれんも減損会計の対象となっている。