〔会計不正調査報告書を読む〕 【第46回】株式会社日本ハウスホールディングス「調査委員会報告書(平成28年4月13日付)」
株式会社日本ハウスホールディングス(旧社名:東日本ハウス株式会社。以下「ハウスHD」と略称する)は、昭和44年設立。住宅の請負建築事業を中核に、ホテル事業、ビール事業、太陽光発電事業を行っている。連結売上高50,165百万円、経常利益3,282百万円。従業員数1,473名(数字はいずれも平成27年10月期)。本店所在地は岩手県盛岡市であるが、本社機能は東京都千代田区にある。東京証券取引所一部上場。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第45回】株式会社フード・プラネット 「第三者委員会調査報告書(平成28年1月20日付)」
株式会社フード・プラネット(以下「FP社」と略称する)は、昭和61年設立。設立時の社名はイーディーコントライブ株式会社で、高速フロッピーディスク複製装置の製造販売を行っていた。その後、株式会社YAMATO、株式アジェットへと社名変更を重ねた後、平成27年11月から現社名。現在は、FP社は持株会社として、連結子会社である株式会社デザート・ラボによるソフトクリームショップの店舗運営事業と、同じく連結子会社株式会社アジェットクリエイティブ(以下「AC社」という)による太陽光発電事業を管理している。連結売上高113,412千円、経常損失273,689千円。従業員数6名(数字はいずれも平成26年9月期)。本店所在地、東京都港区。東京証券取引所二部上場。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第44回】株式会社王将フードサービス 「第三者委員会報告書(平成28年3月29日付)」
株式会社王将フードサービス(以下「OFS」と略称する)は、昭和42年創業。中華レストラン「餃子の王将」をチェーン展開(直営店470、フランチャイズ店232)。売上高75,820百万円、経常利益6,360百万円。従業員数1,962名(数字はいずれも平成27年3月期)。本店所在地、京都市。東京証券取引所一部上場。
[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第12回】「海外子会社の内部統制システムとコンプライアンス強化」~親会社視点での国内子会社との相違点・留意点等~
2015年に公表された経済産業省「第44回海外事業活動基本調査概要-平成25(2013)年度実績-」(2015年4月)からも明らかなとおり、世界的なグローバリゼーションの潮流が日本企業にも及び、製品やサービスの輸出を積極的に推進する形態から、海外企業と合弁会社や完全子会社を設立したり、既に設立された会社をM&A等で子会社・関連会社化しそれらを通じて製品・サービスを供給する等、グローバル展開が本格化している。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第43回】ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社「独立調査委員会報告書(平成27年11月6日、12月8日及び18日付)」
JFLAの会計監査人である栄監査法人は、平成27年9月期の監査の過程で、代表取締役会長の経費支出について使途不明分が判明したこと、会長が実質的に支配する法人に対する貸付金の回収処理の妥当性、会長と一定の関係がある個人・法人に対する業務委託料の金額の合理性について疑義があることから、7月30日、外部調査が必要であることをJFLA役員に告知した。
[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第11回】「グループ企業への具体的な関与(その5)」~グループ内部通報が親会社を救う~
筆者は以前、非上場ではあるがその業界では比較的大手企業の子会社の役職員から、当該子会社で不審な取引が繰り返されているという匿名の内部通報を受けたことがある。
通報に基づき親会社のコンプライアンス部門の役職員と連携して通報のあった子会社を調査したところ、子会社のトップが地場の取引先企業からキックバックを受けている可能性が極めて強いという事実が明らかとなった。
[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第10回】「グループ企業への具体的な関与(その4)」~監査機能の課題と重要性②~
会計監査人、監査事務所に対しては、昨今の巨額不正会計の続発を受け、国内外から監査品質について疑問視され、ますます厳格な監査の実施を期待されている状況である。不正リスク対応監査においては、監査基準の厳格化や当局指導を受け、監査手続強化、所内研修、審査機能強化の流れの中で不正の端緒を発見する機会も徐々に増えているようである。また、監査事務所への告発を契機に実態調査に発展する事例もある。
「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」の概要と留意点
実務指針には主に、会計監査人の評価基準策定に関する実務指針と会計監査人の選定基準策定に関する実務指針が記載され、評価基準については14項目、選定基準については7項目の評価項目例が記載されている。
さらには各評価項目例において「関連する確認・留意すべき事項」の例示が記載されているため、実際の評価及び選定の段階において利用することが想定されている。
[子会社不祥事を未然に防ぐ]グループ企業における内部統制システムの再構築とリスクアプローチ 【第9回】「グループ企業への具体的な関与(その3)」~監査機能の課題と重要性①~
不正や不祥事はいつかは発覚するとも言えるが、発覚せずに断続的に再発したり、現在も継続している可能性がある。アンケート調査(有限責任監査法人トーマツ グループ「Japan Fraud Survey2014」)によると、回答企業の約25%で不正が発覚しているが、全ての企業にとって隠れた不正は知る由がなく、「当社ではそのようなことはない」という認識ではなく、「いつかは当社でも発覚する、すでに発生している恐れがある」との前提に立ち、不正リスクをどの程度削減できるか、起こった場合の対処を誤らないことが肝要である。