国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第7回】
法人税の確定申告書を提出した場合に、法人税の額の計算上、控除しきれなかった外国税額、所得税額及び中間納付額等については、還付される(法法78①、79①)が、防衛特別法人税についても、外国税額及び中間納付額について同様の制度が設けられている。所得税については法人税の確定申告書により還付されるため、防衛特別法人税の申告書の提出による還付の対象とされていない。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例151(贈与税)】 「期限内の相続時精算課税選択届出書及び贈与税申告書の提出を失念したため、結果として暦年課税制度での申告となり、過大納付が発生してしまった事例」
令和X年に貸家及びその敷地の贈与を実父から受け、相続時精算課税制度による贈与税の申告を依頼されたが、相続時精算課税選択届出書及び期限内の贈与税申告書提出を失念してしまったため、結果として暦年課税制度での申告となってしまった。これにより贈与税が過大納付となり、過大納付税額につき賠償請求を受けた。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第53回】「マンションの売却時に買主が負担すべき修繕積立基金を売主が負担したことによる経済的利益は、雑所得ではなく、一時所得と判断された事例」
居住用家屋に関連する支出のうちマンション所有者特有のものとして管理費や修繕積立金の支払いがある。管理費とは、マンションの共用部分の維持管理のための費用であり、修繕積立金は、マンションの共用部分の大規模修繕に備えて、定期的に積み立てるものである。これらはいったん支払うとマンション所有者に返金されることはない。
〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第3回】「特定贈与者より先に相続時精算課税適用者が死亡し、相続税申告で相続時精算課税適用財産の申告漏れがあった場合の対応と加算税の取扱い」
父Aから子Bへ令和2年1月に贈与があり、子Bは相続時精算課税を適用した。
令和4年2月に子Bが父Aより先に死亡した。子Bの相続人はBの子である孫Cの1名である。
令和6年6月に父Aが死亡し、相続財産は代襲相続人である孫Cが1名で全て相続した。
孫Cは父Aに係る相続税の期限内申告で、子Bの相続時精算課税適用財産を申告漏れしていた(子Bの氏名等を相続税の期限内申告書に記載していない)。
このような場合に申告期限後に相続時精算課税適用財産の申告漏れを是正するために孫Cはどのように申告すべきか。また、加算税はどうなるのか(この申告漏れを是正する申告は更正決定等を予知してされたものではない)。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第99回】「電子契約に係る契約金額等を記載した変更契約書の記載金額」
当社は建設業者です。当初、電子契約により建築工事請負契約を受注先との間で締結しました。その後、当初契約の請負金額を増額する際に、書面にて変更契約書を取り交わすこととなりました。
変更契約書には、当初契約である電子契約の契約日や表題を引用し、変更前の契約金額及び増額金額を記載しています。この場合、変更契約書の記載金額はどのようになりますか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第81回】「三井住友信託銀行特定民間国外債事件 -政令委任による解除条件付利子非課税規定の解釈について-(地判令2.12.1、高判令3.9.30、最判令4.5.26)(その1)」
本事件は、民間国外債の利子の非課税の規定により三井住友信託銀行(以下「X」という)が特定民間国外債利子の支払い時に源泉所得税の徴収を行っていなかったところ、課税庁より非居住者等の本人確認書類である利子受領者確認書の提出が期限内に行われなかったため利子の非課税措置が受けることができないとして、源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税賦課決定処分を行った事案である。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第175回】株式会社トーシンホールディングス「第三者委員会調査報告書(開示版)(2025年8月29日付)」
2025年4月30日、トーシンHDの当時の一時会計監査人である中部総合監査法人(報告書上の表記は、B監査法人))からの指摘によって、トーシンモバイルの財務報告に関し、2023年4月期から2024年4月期にかけて、主に移動体通信関連事業における二次代理店向けの代理店精算において、財務報告用資料と実際の代理店精算用資料の2種類が存在しており、かつ財務報告用資料において二次代理店向けの端末販売等の売上高が過大計上となっており、その結果として帳簿上未回収となっている売掛金が存在している事実(本事案)が判明した。
本事案について、事案の解明を図るためには、独立性及び専門性を有する第三者による調査が必要であるという中部総合監査法人からの指摘を受け、トーシンHDは、公正性を確保した調査が必要であると判断し、2025年5月9日開催の取締役会において、外部の有識者によって構成する第三者委員会(第2次調査委員会)の設置を決議し、同月20日開催の取締役会において、第三者委員会の委員を決定し、調査に着手した。
連結会計を学ぶ(改) 【第7回】「連結決算日と決算日の変更」
連結財務諸表の作成において、連結財務諸表の作成に関する期間は1年であり、親会社の会計期間に基づいて、年1回一定の日をもって連結決算日とすると規定されている(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)15項)。
《速報解説》 ASBJが「期中財務諸表に関する会計基準」等を公表~補足文書として「実務対応報告及び移管指針において定めている期中の取扱い」も示す~
2025年10月16日、企業会計基準委員会は、「期中財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第37号。以下「期中会計基準」という)等を公表した。