〈条文解説〉地方法人税の実務 【第2回】「総則(第1条~第8条)の取扱い」
前回は地方法人税の創設趣旨等について解説したが、今回より条文構成に準じ、第一章 総則(第1条~第8条)から詳解する。
[個別対応方式及び一括比例配分方式の有利選択を中心とした]95%ルール改正後の消費税・仕入税額控除の実務 【第9回】「課税売上割合に準ずる割合を検討すべきケース② 単発の土地取引があったケース」
多くの事業者にとって、消費税の非課税取引は例外的なもので、課税売上割合は95%前後という水準であろう。しかしそのような事業者であっても、非課税である遊休土地等の譲渡(消法6①、別表第1一)があった場合には、その金額が多額になり総売上高に占める割合が高くなる傾向にあるため、課税売上割合が大幅に低下し95%を大きく割り込むケースも見受けられるところである。
その結果、通常の課税期間であれば全額控除されるにもかかわらず、少なくとも遊休土地の譲渡のあった課税期間については個別対応方式又は一括比例配分方式により仕入控除税額を計算することが強いられることとなる。
問題は、このような事業者が個別対応方式を採用した場合である。
税務判例を読むための税法の学び方【38】 〔第5章〕法令用語(その24)
「違法」とは、行為や状態が法令に違反するものあることを表す。違法な行為が刑法等の罰則規定に触れるときには処罰され、民法第90条の公序良俗に反する場合には無効とされる。
「不法」も概ね「違法」と同じ意味で用いられるが、「不法」の方が、実質的な違法性に重点を置いた場合や、主観的な違法性に重点を置いた場合に使われる。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第16回】「給与計算と社会保険」
Q 当社は資本金額1,000万円の食料品製造業を営む内国法人(3月決算)です。この度、新たに子会社を設立しました。
給与所得に対する源泉徴収事務の流れの中で、給与計算には所得税を源泉徴収する以外にも、社会保険料を計算する必要があるとお聞しました。
給与計算における社会保険実務の概要について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第6回】「連結納税における税効果会計」
税効果会計は大きく「個別財務諸表における税効果会計」(第4回参照)、「連結財務諸表における税効果会計」(第5回参照)、「連結納税における税効果会計」に分けることができる。
今回は「連結納税における税効果会計」について解説する。
連結納税における税効果会計は、個別財務諸表から連結財務諸表まで、以下の10のステップに分けることができる。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《退職給付債務・退職給付引当金》編 【第2回】「自社積立の退職一時金制度(自社退職金規程に基づく確定給付型)のみの場合」
【設例2】
当社は、退職給付制度として退職時に一時金を支給することとしています。その一時金の額の算定は、退職金規程に定めています。
退職金規程に基づいて算定した要支給額は、次のとおりです。
減損会計を学ぶ 【第11回】「事業の種類・業態により異なるグルーピング」
前回において解説したように、減損会計では、通常、固定資産のグルーピングが行われる。
「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(以下「減損適用指針」という)は、グルーピングに関して、経営の実態が適切に反映されるよう配慮して行うと述べ、資産のグルーピングを行う手順を例示することにより、実務的な指針として役立てることを目的としている(減損適用指針7項、70項)。
《速報解説》 平成26年度税制改正に伴う「消費税法基本通達等の一部改正」について
6月9日に国税庁ホームページにおいて「消費税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。
今回の改正は、平成26年度税制改正に伴うものであり、その内容は、輸出物品販売場における輸出免税の対象物品の見直しと簡易課税制度のみなし仕入率の見直しに係る改正となっている(詳細はこちらの拙稿を参照)。
なお、これらの改正については、未だ適用されておらず、適用開始時期も異なることから、各規定における基本通達の適用時期については注意が必要である。
《速報解説》 改正行政不服審査法及び関連整備法の公布について
改正行政不服審査法は、去る6月6日、参議院本会議で可決され、成立した。1962(昭和37)年の制定以来初めてとなる改正法は、2年以内の施行が附則によって定められている。
本稿では、6月13日に公布された行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「改正不服審査法関連整備法」という)から、特に、国税に対する不服申立てに関連する規定を中心に解説することを目的とする。
日本の企業税制 【第8回】「法人税減税財源としての『自然増収』の考え方」
6月13日の経済財政諮問会議における「経済財政運営と改革の基本方針2014(いわゆる骨太方針)」の素案審議に先立って開かれた、安倍総理、菅官房長官、麻生財務大臣、甘利経済担当大臣、野田自民党税調会長の5者会談で、法人税改革について「法人実効税率を国際的に遜色ない水準に引き下げることを目指し、成長志向に重点を置いた法人税改革に着手する。そのため、数年で法人実効税率を20パーセント台まで引き下げることを目指す。この引下げは、来年度から開始する。」ことが合意され、平成27年度からの法人実効税率引下げが、政府方針として確定した。