〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載8〕 会社分割における不動産取得税の非課税規定
不動産取得税は不動産の取得に対し課税される税目であるが、形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税は非課税とされている。
具体的には、相続や合併による不動産の取得のほか、一定の要件を満たす会社分割や現物出資による取得も非課税の対象とされている。
会社分割の場合には、次の要件を満たす必要がある。
税効果会計を学ぶ 【第4回】「適用する法定実効税率」
1 法定実効税率
「税効果会計に係る会計基準」第二、二、2は、繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払いが行われると見込まれる期の税率に基づいて計算すると規定している。
「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)は、税効果会計で使用する税率を「法定実効税率」と呼び、次のように算定すると規定している(個別税効果会計実務指針17項)。
「学校法人会計基準の在り方について 報告書」改正のポイント 【第2回】
当該年度の活動との関連において資金の流れを整理する資金収支計算書は、補助金の配分の基礎資料として、また学校法人の予算管理のための手法として現在も有用であり、今後も維持すべきとされた。
資金収支内訳表及び人件費支出内訳表に加えて、新たに資金収支計算書に附属する表として、活動区分別資金収支表を作成することが求められている。
学校法人においても活動区分別に資金の流れを把握することが重要であるため、活動区分別資金収支表によって、法人全体の資金の流れを教育研究事業活動、施設等整備活動、財務活動に区分して示すこととされたものである。
中国における営業税改革の概要、改革効果の検証及び展望 【第1回】
中国における一部の業種に対する営業税を増値税に移行する税制改革(以下「営業税改革」)がスタートして1年間が経過した。
以下、改革の概要と改革効果及びその展望を簡単にまとめることとする。
平成25年3月期 決算・申告にあたっての留意点 【第3回】「繰越欠損金の使用制限と控除期間の延長」
欠損金の繰越控除制度は、法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額がある場合、その欠損金額に相当する金額を、各事業年度の所得の金額を限度として損金の額に算入する制度である。
税理士が知っておきたい e‐Tax(電子申告)最新の常識 【第2回】「手続フローとメリット・デメリット」
STEP1 下準備
(1) 日本税理士会連合会により発行される税理士用電子証明書(以下「税理士用ICカード」)の取得
住民票や印鑑証明書の添付が必要であり、また、発行まで1ヶ月程度を要するため、早めの準備が必要である。
組織再編税制における不確定概念 【第2回】「支配関係継続要件等における 『見込まれていること』とは」
組織再編税制における税制適格要件の判定においては、「見込まれている」という文言が散見され、支配関係継続要件、従業者引継要件、事業継続要件、主要資産等引継要件、株式継続保有要件、完全親子関係継続要件においてそれぞれ規定されている。
実務上、「見込まれている」という文言については、組織再編成時の見込みで判定することとされているが、どのようなケースについて、「見込まれている」と判断するのかという点について不確定概念が存在するため、本稿においては、「支配関係継続要件」を例に挙げて、その具体的な内容についての解説を行う。
平成26年1月から施行される「国外財産調書制度」の実務と留意点【第3回】
これまで述べてきたように、国税当局にとって居住者が保有する国外財産を把握することについては、質問検査権の及ぶのが日本の領土内に限られるという制約があり、租税条約による情報交換にも限界があるという問題があった。
このままでは、居住者に国外財産報告義務を課しても、正確性をチェックする手段がないのでは実効性がなく、“画に描いた餅”にならざるを得ない。
法人税の解釈をめぐる論点整理 《役員給与》編 【第7回】
認定賞与は、税法上の用語ではなく、実務上の用語であるが、役員に対して供与されたとみられる金銭又は経済的利益について、役員給与として処理がなされていない場合に、課税当局がその経済的利益の供与等を実質的に役員に対する賞与と認定する場合を「認定賞与」と呼んでいる。
〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕 消費税率の引上げに伴う実務上の注意点 【第11回】税率変更の問題点(10) 「経過措置に関する注意点(その1)」
今回の税率改正は、平成26年4月1日から8%、平成27年10月1日から10%に引き上げられることとなるが、施行日をまたいで継続して行っている役務提供で、その対価の額を区分することが困難な場合、指定日(8%の場合は平成25年10月1日、10%の場合は平成26年4月1日)の前日までに締結した一定の課税資産の譲渡等の場合には、施行日後に行う課税資産の譲渡等であっても旧税率を適用する経過措置の規定が、改正消費税法(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律)の附則において定められている。