設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる~設備投資における管理会計のポイント~ 【第9回】「これまでの復習とまとめ」
そもそも本連載執筆のきっかけは、平成26年度税制改正で創設された「生産性向上設備投資促進税制」について、その趣旨を正しく理解し、これを的確に利活用してもらいたいという点にあった。
平たくいうと「節税ありきの設備投資は本末転倒であり、設備投資には、納税額の増減のみならず、P/Lやキャッシュ・フローの視点をきちんと盛り込んだ管理会計のマネジメントが必須」である。
また、一見「節税」といわれている処理が、実は「課税の先送り」であるケースが案外多いこともぜひ理解しておきたい。もちろん、課税が先送りされることも納税者のメリットであり、この点については第5回で詳述した「キャッシュの時間的価値」を考慮しなくてはならない。
企業結合会計基準に対応した改正連結実務指針等の解説 【第1回】「追加取得の会計処理」-子会社株式から子会社株式
Q P社は60%子会社S社を保有しています。今般、S社株式の40%を追加取得して100%子会社にしました。この場合、P社の連結上の会計処理はどのようになりますか。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第4回】「個別財務諸表における税効果会計」
「税効果会計」とは、将来の税金を減少させる効果を繰延税金資産として計上し、将来の税金を増加させる効果を繰延税金負債として計上する会計処理である。
例えば、会計上は当期に費用計上するが、税務上は翌期以降に損金算入する場合、将来に損金算入されることにより将来の課税所得が減少し、将来の税金が減少する。この減少の原因は当期に発生しているため、当期に繰延税金資産(回収可能性ありの場合、詳細は【STEP4】参照)として計上する。
過年度遡及会計基準の気になる実務Q&A 【第12回】「初めて作成する連結財務諸表」
Q 初めて連結財務諸表を作成するのですが、会計方針の変更はどのように扱われるのでしょうか。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第16回】東テク株式会社・「不適切な会計処理に関する調査委員会調査報告書」
東テクは、平成26年2月上旬、東京国税局による税務調査の過程において、社員の一部が不適切な外注費の処理を行っていた可能性があるとの指摘を受け、これを端緒として社内調査を進めたところ、水増し又は架空の仕入発注、ルームエアコンの無断転売等の不正取引の事実を把握するに至った。
過年度遡及会計基準の気になる実務Q&A 【第11回】「諸税金に関する会計処理」
Q 過年度遡及会計基準によって、諸税金に関する会計処理は変わったのでしょうか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第40回】退職給付会計⑦「退職給付債務―割引率について」
当社は給付算定式基準を採用しており、当該方法で算定された当期末における退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額は400です。また、当期に帰属する退職給付見込額は40です。
当社の退職給付債務はどのように計算すればよろしいのでしょうか。なお、期末時点での国債利回り(4年物)は2%です。
設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる~設備投資における管理会計のポイント~ 【第8回】「「設備投資の経済性計算」では判断が難しい場合」
【第6回】・【第7回】で解説してきた「設備投資の経済性計算」は、あくまで計算に必要な金額や情報が適切に集計できることを前提していた。
ところが、実務や現場では必ずしもそのように簡単に事が進まず、ある設備投資を実行することによって、どの程度の売上(または収入)もしくは利益(または正味キャッシュ・フロー)が増えるかという直接的な投資効果がはっきりと分からない場面も多いであろう。
完結した新製品製造ラインを導入した場合や、今まで人手をかけて行っていた作業をすべて機械が代替するようになった場合など、直接的な設備投資効果が分かりやすい設備投資ばかりではないのである。
日本の会計について思う 【第4回】「統合報告書~企業報告の新動向」
企業報告をめぐる新しい動向として「統合報告(IR:Integrated Reporting)」が注目を集めている。わが国でも統合報告書を作成する企業が増えてきた。
やや乱暴な言い方になるが、統合報告書とは、簡潔に言えば既存の財務情報と非財務情報を統合した報告書ということができる。