公開日: 2015/01/15 (掲載号:No.102)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第25回】日本道路株式会社 「第三者委員会調査報告書(平成26年12月5日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第25回】

日本道路株式会社

「第三者委員会調査報告書(平成26年12月5日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年10月31日
    「不適切な会計処理の判明と四半期報告書の提出見込みについて」
  • 2014(平成26)年11月5日
    「第三者委員会の設置に関するお知らせ」

〔第三者委員会〕

委員長:宇澤 亜弓(公認会計士)

委 員:大井 哲也(弁護士)

委 員:手島 厚(弁護士、公認会計士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年11月5日から12月4日まで

〔調査依頼者〕

日本道路株式会社

〔調査目的〕

(1) 今回の事象に関する事実関係の認定、発生原因及び問題点の調査分析その他全社的な同種事象の有無調査

(2) 今回の事象に関する内部統制、コンプライアンス、ガバナンス上の問題点の調査分析

(3) 上記(1)及び(2)の調査分析結果の報告及び再発防止策の提言

〔適時開示〕

  • 2014(平成26)年12月5日
    「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」

 

日本道路株式会社の概要

日本道路株式会社(以下「日本道路」という)は、1929年(昭和4年)3月設立。道路建設及び舗装工事をはじめとする建設事業を営む。連結売上高157,468百万円、連結経常利益9,509百万円(数字はいずれも平成26年3月期)。従業員数1,904名。本店所在地、東京都港区。東証1部上場。

 

調査報告書のポイント

1 調査に至った経緯――取引業者からの問合せ

平成26年10月6日、日本道路北関東支店に属する出張所の工事担当者に対し、建設機械リース業者から、リース代金約1,200万円の支払が繰り延べられ、分割返済されることとなっている旨の相談があり、同担当者は、出張所長ではなく、その上位管理者である営業所長に報告を行った。

報告を受けた営業所長は、出張所において不適切な会計処理が行われている可能性を把握し、北関東支店長に報告。北関東支店長は当該事実を代表取締役社長に報告し、代表取締役社長は直ちに社内調査委員会を設置して社内調査を行わせ、同出張所において、特定の案件に発生した工事原価を別の案件の工事原価として付け替える「原価移動」等が行われていたことが判明した。

日本道路の会計監査人である新日本有限責任監査法人は、社内調査の途中経過の報告を受ける中で、社内調査の網羅性等について疑義を呈したため、代表取締役社長は、第三者による調査委員会の設置を決め、11月5日開催の取締役会において、これを決議した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第25回】

日本道路株式会社

「第三者委員会調査報告書(平成26年12月5日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

  • 2014(平成26)年10月31日
    「不適切な会計処理の判明と四半期報告書の提出見込みについて」
  • 2014(平成26)年11月5日
    「第三者委員会の設置に関するお知らせ」

〔第三者委員会〕

委員長:宇澤 亜弓(公認会計士)

委 員:大井 哲也(弁護士)

委 員:手島 厚(弁護士、公認会計士)

〔調査期間〕

2014(平成26)年11月5日から12月4日まで

〔調査依頼者〕

日本道路株式会社

〔調査目的〕

(1) 今回の事象に関する事実関係の認定、発生原因及び問題点の調査分析その他全社的な同種事象の有無調査

(2) 今回の事象に関する内部統制、コンプライアンス、ガバナンス上の問題点の調査分析

(3) 上記(1)及び(2)の調査分析結果の報告及び再発防止策の提言

〔適時開示〕

  • 2014(平成26)年12月5日
    「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」

 

日本道路株式会社の概要

日本道路株式会社(以下「日本道路」という)は、1929年(昭和4年)3月設立。道路建設及び舗装工事をはじめとする建設事業を営む。連結売上高157,468百万円、連結経常利益9,509百万円(数字はいずれも平成26年3月期)。従業員数1,904名。本店所在地、東京都港区。東証1部上場。

 

調査報告書のポイント

1 調査に至った経緯――取引業者からの問合せ

平成26年10月6日、日本道路北関東支店に属する出張所の工事担当者に対し、建設機械リース業者から、リース代金約1,200万円の支払が繰り延べられ、分割返済されることとなっている旨の相談があり、同担当者は、出張所長ではなく、その上位管理者である営業所長に報告を行った。

報告を受けた営業所長は、出張所において不適切な会計処理が行われている可能性を把握し、北関東支店長に報告。北関東支店長は当該事実を代表取締役社長に報告し、代表取締役社長は直ちに社内調査委員会を設置して社内調査を行わせ、同出張所において、特定の案件に発生した工事原価を別の案件の工事原価として付け替える「原価移動」等が行われていたことが判明した。

日本道路の会計監査人である新日本有限責任監査法人は、社内調査の途中経過の報告を受ける中で、社内調査の網羅性等について疑義を呈したため、代表取締役社長は、第三者による調査委員会の設置を決め、11月5日開催の取締役会において、これを決議した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第100回 ※クリックするとご覧いただけます。

第101回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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