M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第25回】「事業環境の分析(その3)」
前回、前々回では、主に事業環境の分析におけるフレームワークの解説を行った。本稿では近年人気業種である外食産業のうち、「居酒屋業界」を例にとり、PEST分析の手法を一部だけ概説する。
重要なことは、PEST分析というフレームワークを通して、対象会社を取り巻く事業環境を把握し、どのように事業戦略を策定し実行しているかを、さらに深堀りして調査することである。事業環境が変化した場合に、対象会社の業績にどのようなインパクトを与えることになるかを、デューデリジェンスを通じて把握するのである。
〈桃太郎で理解する〉収益認識に関する会計基準 【第9回】「もしボス猿が陰にいたとしたら~本人か代理人かで異なる収益表示」
実際の『桃太郎』には、ボス猿がいるという話はありませんが、ここではサルがボス猿の指示を受けて桃太郎のところにやってきたことにしてみました。
そこでは、サルが収益認識するにあたって検討すべきことがあります。
それは「収益の額をいくらにするか?」ということです。
企業結合会計を学ぶ 【第16回】「事業分離の会計処理④」-受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理-
現金等の財産と分離先企業の株式を受取対価とする事業分離において、分離先企業が子会社となる場合や子会社へ事業分離する場合、分離元企業は次の処理を行う(事業分離等会計基準24項、109項、109-2項、結合分離適用指針99項、104項、230項、232項)。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第24回】「事業環境の分析(その2)」
本稿では前回に引き続き、事業環境の分析における各分析事項の解説を行う。
買収対象企業の内部要因を分析するためのフレームワークとしては、以下のようなものが挙げられよう。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第149回】ESOP③「従業員等に対する権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引の会計処理」
Question
弊社は、以前ストック・オプションを発行していましたが、現在、権利確定条件付き有償新株予約権(いわゆる「有償ストック・オプション」、以下同様)の従業員等への付与を検討しています。
両者の相違点を中心に、有償ストック・オプションの会計処理を教えてください。
企業経営とメンタルアカウンティング~管理会計で紐解く“ココロの会計”~ 【第13回】「「現状維持」という名の怠けグセ」
2016年に電力が全面自由化されました。みなさんのご家庭では、電力会社を切り替えましたか? 電力会社を切り替えると電気代が安くなることが多いと言われているものの、実際に電力会社を切り替える家庭は多数派ではないようです。
企業結合会計を学ぶ 【第15回】「事業分離の会計処理③」-受取対価が分離先企業の株式のみである場合の分離元企業の会計処理-
会社分割等、事業分離の対価として分離先企業の株式のみを受け取った場合は、当該分離先企業に対する分離元企業の株式の持分比率等により、分離先企業は次のように分類される(結合分離適用指針97項)。
① 事業分離により分離先企業が子会社となる場合(結合分離適用指針98項から99項)
② 事業分離により分離先企業が関連会社となる場合(結合分離適用指針100項から102項)
③ 事業分離により分離先企業が共同支配企業の形成となる場合(結合分離適用指針196項及び197項)
④ 事業分離により分離先企業が①から③以外となる場合(結合分離適用指針103項)
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第23回】「事業環境の分析(その1)」
M&Aによって他の会社を買収する場合、実態純資産の把握を通じて、買収後、自社に帰属する資産負債の内容や性質を把握すると同時に、買収対象会社の収益性についても評価する必要がある。
買収対象会社の有する収益力の源泉を把握した上で、これを活用することで得られる効果を分析することは、M&Aの対価の決定に直結する事項であると同時に、M&Aの効果を今後の自社の事業計画に織り込むという意味で、買収後の「のれん」の評価にも関連する重要な事項である。
改めて確認したいJ-SOX 【第3回】「内部統制の評価範囲の決定方法」
上場会社の経営者は、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制について評価し、評価結果を公表しなければなりません。財務報告に係る内部統制の有効性は、財務報告そのものの信頼性に影響するため、財務報告に関連する内部統制はすべて評価することが望ましいでしょう。
しかし、現実にはそのような実務は行われておらず、「重要」と考えられる内部統制だけを評価しています。